![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/9546140/rectangle_large_type_2_31ab30fcb4d311e70ef6d4e634fd8c2e.jpeg?width=1200)
週末のできごと
日曜日、六本木ミッドタウンの民藝展を観に行った。
プロダクトデザイナー深澤直人さんは、現在日本民藝館の館長を務めているらしい。
もともと民藝は好きだ。型染和紙のブックカバーは2、3種類使っているし、我が家の湯呑みも小鹿田焼と出西焼だ。
もともと好きで尊敬している深澤さんのディレクションする民藝の展覧会と知って、むくむくと行きたい気持ちがふくらんだ。こういう展覧会の類は久しぶり。
この日はYさん抜きで、私ひとりでの行動。自由気まま。
六本木ミッドタウンに着いて、まずは真っすぐサントリー美術館併設のカフェ、加賀麩 不室屋へ向かった。朝から水以外口にしていなかったので、早速ランチをいただくことに。
お世辞にも広いとは言いがたいけれども、空間をうまく使いこなした気持ちのよい店内。
野菜と生麩のせいろ蒸し、だし巻き卵と香の物、おぼろこんぶと長ネギとやきふの加賀味噌を使った味噌汁。
もちもちの生麩は白ごまだれと柚子ポン酢でいただくのだけれど、私はごまだれが気に入った。
生麩のもちもち食感は、まるでおだんごや白玉に近くてとっても私好み。花のモチーフに形取られた生麩はほんのり甘かった。
だし巻き卵もお出汁がじゅわじゅわで舌触りなめらかで美味。
んー、おいしい♡
スガハラのグラスで飲むお水も軟らかく、冷たくておいしい。
お腹がいっぱいになったところでいざ展覧会へ。
入場料1100円。
深澤さんのコメントに、「民藝の品々には、可愛いものが多い。柳宗悦は可愛いものが好きだったと思う」という指摘があって、我が意を得たり、と思った。
「カワイイ」ではなく「かわいい」。ひらがなに近い純粋性のある親近感。尖ってなくて、四角いものでもどこかまあるくて、有機的。親しみを感じる空気をもっている。あくまで機能的でありながら、遊びのあるデザインだったりもする。背のびしていない力みのないその佇まいは、洗練されたモダンさやきらびやかさを求める若い感性には、「ダサく」見えるかもしれないけれど、ぽってりとした器や耐久性、通気性などの機能面で高いポテンシャルをもつ木工品など、質実で、どこか安らぎを誘う民藝品が私はやはり好きだ。
アノニマスな美しさ。ずっと眺めていたい。
ただ黙って、目の前にあるモノと対峙し、その佇まいを鑑賞するたのしさを、久しぶりに味わえた展覧会だった。
ミュージアムショップで手ぬぐい購入。ほんとは自宅に手ぬぐいのストックは山ほどあるのだけれど、最近利用頻度が上がって追加をおろしたいのに、どこに片付けたのかわからなくなって困っていたのだ。手ぬぐいならまあ間違いなくいずれは消費するものだからと、旅先などでもついおみやげに2枚3枚と買ってしまう癖があって、今回も展覧会の記念を兼ねて買ってしまった。でも今回はストックせずに早くも活躍させている。
展覧会の後はミッドタウンに戻り、再び不室屋カフェで甘味を堪能。さらにとらやで季節の上生菓子を買い込んで、カロリー消費と東京散策を兼ねて歩いて家まで帰ることにした。グーグルマップの見積もりでは、初台駅まで1時間20分程度。18時には家に着く見込み。
六本木からまずは青山一丁目へ。そこで不意に見つけた和菓子屋でまた和菓子購入。そして神宮外苑を通る。
それから千駄ヶ谷。将棋会館の最寄り駅。かねてから行ってみたいと思っていた、漫画「3月のライオン」にも登場する鳩森八幡神社に立ち寄って参拝。
富士浅間神社のミニチュア版、富士講(なかなかに険しかった、)や能楽堂、将棋堂もあった。
代々木を通って、北参道、そして初台へ。大体見積もり通り、18時過ぎに帰宅。
代々木千駄ヶ谷界隈は、たどり着いた頃にはもうだいぶ日が落ちてきていたこともあり、ほとんどただ通過しただけで終わってしまった感があるので、またそのうち日を改めて散策し直したい。
展覧会も食事も散歩も、大満足のおひとりさまの休日。