ふくらむ
1日遅れの日記。
私の所属する部署は、総勢11人という小さなチームだ。
そしてそのチームをまとめるチーム長にあたるポジションの人が、1月から交代になった。交代前は私と同い歳の女性Tさんだった。そして交代後は、干支ひと回り分歳下の女性Kさんになった。
TさんもKさんもお二人とも優しく賢く聡明な方(ここまで美辞麗句並べると嘘くさいけれどもすべて真実)なので、そういう人の下で働けることはとても嬉しく思っている。お二人それぞれにタイプは違えど容姿端麗で、いつも心密かに見惚れてしまう。
そんな若き新チーム長Kさんが今日、私の服装がいつもブリティッシュな感じで好きです、と褒めてくれた。
不意を突かれて「そうですか〜?笑」としか返事ができなかったけれど。
なんというありがたきしあわせ(ほっこり)!
Kさんは男装の令嬢、なんて設定が似合う、フェンシングとかやってそうなスレンダーなクールビューティ。歓迎会で、部活は運動部でしたか?と聞いたら、インドア派で部活も特にしていなかったとのこと。それでなんであんなにスタイルが良いのか…うらやましい。
というかむしろ私の方こそ貴方のフランス女性のように芯の強さを思わせるエレガントなシンプルカジュアル(お体が華奢な上、頭身が高いので憎いほど似合ってる)なファッション、めっちゃカッコよくていつも憧れております…!!
と心の中で熱く返すと同時に。
言われてみれば最近は特にブリティッシュトラッドテイストな服装が多いかもしれない、と自分のワードローブを振り返った。紺のPコート、アラン編みのセーターカーディガン。ヘリンボーンのパンツ。通勤鞄ではないけどマッキントッシュフィロソフィー(英国紳士ブランドのレディスライン)のハンドバッグも持っているし、リバティロンドンのポーチにティッシュケース、マーガレットハウエルの腕時計。イギリスおたくか。
ちなみに昨日のブリティッシュテイストは紺地に赤と白のチェックの靴下とストレートチップの黒革のレースアップシューズだった。
飽きずに愛着を持って着用できるキーアイテムは、確かにどれもブリティッシュテイストだ。「英国紳士」にもともと憧れがあって、それぞれのアイテムが英国風であることはもちろん購入場面での大事な要素ではあったけれど、いつの間にかこんなにはっきり自分のスタイル、アイデンティティがワードローブに表れているとは思っていなかったし、そこまで自分の趣味嗜好を自分自身で定義づけできてはいなかったので、とても大きな気づきを与えてくれたKさんに改めて感謝の念を抱く。
そんな敬愛するKさんといつか二人で飲みに行きたいなー、なんかすごく仲良くなれそうな気がするんだよな、と勝手に一人で思っているのだけど、部下から誘われたら嫌でも断れないよな、ご迷惑だったら申し訳ないな…。とはらはら。
恋じゃないけどこれも片思い?
たとえ実現しなくとも、そんな風に思える人が上司というだけで、幸せだ。仕事には潤いが一つでも多い方がいい。
今日はその嬉しい一言のおかげで、一日中心がぽかぽか暖かかった。
暖かい気持ちで、ゆっくり、少しずつ、心がふくらんでいく。