「カイロ大学を首席で卒業した」と自称した東京都知事小池百合子はとくに歴史学や社会学の履修以前になにか重大な素養欠落を思わせた,「一貫したアジア系他民族差別」を強固に抱く人物,かといって確たる政治的な信念は不在,歴史的な認識も不備で一般教養からして問題あり有害無益の政治屋(後編)
※-0 『毎日新聞』2024年9月1日朝刊1面「余禄」の紹介
付記)「本稿(前編)」のリンク先住所は( ↓ )こちら。
※-1 吉井理記「〈今日も惑いて日が暮れる〉オーウェルもびっくり」『毎日新聞』2024年8月28日夕刊2面「特集ワイド」がいうことには
さすが小池百合子さんである。東京都はスゴいですなあ。なんのことか。SF物語に描かれたあれこれが現実になることは,実はあまり多くない。たとえば--〔である〕。
映画『2001年宇宙の旅』(1968年)に登場した人工冬眠や自律思考する人工知能は,まだ実現は遠そうだ。映画『ブレードランナー』」1982年)では,未来都市を「空飛ぶクルマ」が飛び交った。こちらも吉村洋文・大阪府知事が「万博で空飛ぶクルマを商用運航させる」と大見えを切ったが,実現には暗雲が垂れこめる。
そこで小池知事である。2年前,こんなことがあった。
東京都人権プラザの企画展で,アーティストの飯山由貴さんが,関東大震災(1923年)で起きた朝鮮人虐殺について,専門家の外村 大・東大教授が「日本人が朝鮮人を殺したのは事実」と語る部分を含む映像作品を上映しようとしたが,都は「不許可」にした。
都職員は内部のメールで,小池知事が毎年9月1日に開かれる朝鮮人虐殺の慰霊式典への追悼文送付を見送っていることに触れ,「『日本人が朝鮮人を殺したのは事実』というが,都ではこの歴史認識に言及していない」
「知事がこうした立場を取っているにもかかわらず,朝鮮人虐殺を『事実』と発言する動画を使うことに懸念がある」などとした(昨年2月10日,毎日新聞デジタル)。都は不許可の理由を,「障害者と人権」という企画の趣旨から外れているためとしているという。
歴史学界で虐殺を否定する学者はいない。
東京大空襲(1945年)同様の揺るがない事実だ。だが東京都では,小池知事の「立場」に反すると,事実は「事実」とカギかっこ付きになり,「懸念」の対象になる。仮に「東京大空襲はなかった」という歴史認識であれば,「東京大空襲を『事実』とすることに懸念がある」となるのだ。
補注)こんなことを本気でいう「奴」がいるなどと,仮にでもしってしまったら,それも,早乙女勝元(1932-2022年)という人が,まだ生きていて,以上のごとき想定を聞かされることにでもなったら,それはもう激怒するにちがいない。この点は,本ブログ筆者でも請け合える。
筆者の先祖(!)も,東京下町大空襲(1945年3月10日未明からの)に受難しているゆえ,そのようにワレワレの存在をコケししまくったような発言をする人が,はたして「真人間」とみなせるかに関してすら基本から疑いたくなるのは,当然,必然のなりゆき……。
〔記事に戻る→〕 英作家オーウェルのSF小説『1984年』(1949年)の主人公は,権力者の意向に沿うよう歴史を改ざんする「真理省」の役人である。SFの夢物語だと思っていたら,東京都ではその夢物語が実現していた。
僕の故郷だが,もう住みたくないと思わせる。SFを形にする。いやはや,小池さんはスゴい。(オピニオン編集部)
つまり,そのくらい小池百合子はエグい,ヒドイ,破廉恥このうえない東京都知事であった。この百合子と組んで政治活動をおこなってきた人たちは,おおよそしばらく経つと,このオンナの人格・人間性に呆れかえり,憤り,離れていくのが「お決まり」の経路(末路!)となっていた。その点はいまだに,過去形と現在進行形において継起的に量産(?)されている実話であった。
この小池百合子都知事に固有であった問題点は,たとえば,つぎの画像資料のようにも表現されていた。本記述全体にとってたいへん参考になる項目が挙げられていた。6項目が記入されているが,前半分の3項目はモロにかかわり,後半分の3項目も大いにかかわりうる文句である。
※-2 ほぼ同類である群馬県知事山本一太の話題
この※-2で話題にとりあげるのは,こういう問題になる。
すなわち,山本一太が知事に就いている「群馬県は今〔2024〕年1月,『群馬の森』の朝鮮人労働者追悼碑を撤去しましたが,『政治的中立』を盾にしているようにも見受けられました」
という出来事の底面に透けてみえるこの群馬県知事の歴史反動的性格,そして,その歴史認識の後ろ向き的な軽薄さに看取できる「オラガ村には戦前的な戦争責任問題など,あってはいけないのだ意識」の世界観・価値観は,さらにこう批判されていた。
【参考画像資料】-『西日本新聞』からたまたま拾った画像-
つぎの※-3からはさらに小池百合子のフランスのパリは大好きだけれども,日本関連の朝鮮・朝鮮人(広義では韓国・韓国人を含むことは確実である)が大嫌いであるかのように受けとれるその「人間としての素性」などを,さらにくわしく追究しておきたい。論旨に反復が生ぜざるをえない点は容赦を乞いたい。
※-3「追悼文拒否 小池都知事に抗議 朝鮮人犠牲者追悼式典 実行委,声明提出」『しんぶん赤旗』2024年8月27日,https://www.jcp.or.jp/akahata/aik24/2024-08-27/2024082712_01_0.html
関東大震災時のデマにより虐殺された朝鮮人犠牲者への追悼文について,東京都の小池百合子知事が今年も送付を拒否した問題で,追悼式典の実行委員会は〔8月〕26日,都庁を訪れ,都知事あての抗議声明を提出しました。歴史的事実を「なかったことにしたい,との思いがあるのではないか」と批判し,都知事に再考を求めました。
1923年の大震災後,「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの流言が広がり,数千人といわれる朝鮮人が軍隊や民衆によって虐殺されました。追悼式典は毎年9月1日,東京都墨田区の横網町公園でおこなわれています。1974年以降,歴代知事が追悼文を送っていましたが,小池知事は2017年から拒否しています。
〔8月〕26日,都庁で会見した式典実行委員会の宮川泰彦実行委員長は「大地震という自然災害により命を失った被災者への追悼と,人の手によって命を奪われた被害者への追悼は意味合いが異なる」として,小池都知事が送付を拒否した理由について批判。
「人として恥ずかしかった歴史に目を向けず逃げまわる。その姿こそが恥ずかしい」「事実に向き合い,二度とこのような過ちを起こさないよう,自治体の長としての態度を明確にすべきである」と述べました。
補注)もっとも彼女の感性のなかには多分,「逃げまわっている」という気持ちはないと観察したほうが当たっているかもしれない。しかし,結果論的な解釈の仕方としては,ある意味,どうでもいいことかもしれないほど,彼女にとって「嫌なモノは嫌!」「私の好き勝手のこと」という気分かもしれない。だが,それで東京都の知事が治まっているといっていいか?
〔記事に戻る→〕 声明を受け取った都の担当者は「都知事,関係者にすみやかに伝えたい」と答えました。
以上,『しんぶん赤旗』の報道内容はすでに「本稿(前編)」の記述内容と複数回,重複する点をいとわずに紹介してきた。それにしても,小池百合子都知事は,どうしてそこまで,「形式論理学の初歩」すら内容的に弁えない,自分流のド・ヘリクツにこだわりつづけてきたのか,ともかくたいそう不思議に感じる。
自然災害である大地震が発生したさいこの激甚な被害を受けた人びと,それも主に「日本人の災難」と,そのすぐあとに軍隊や警察関係の当局から意図的に流布された流言蜚語が原因となっていたが,「中国人まで含めてとくに朝鮮人たちがまるで虫けらのように殺されてきたその恥ずべき大規模殺戮事件」とに関して,
すなわち,その犠牲者を弔う仕方に関した問題となっていたが,「朝鮮人たちの殺された事実」を「別枠の死」として考慮する余地じたいを,そもそも不要だと決めつけられる小池百合子の,旧大日本帝国流の植民地統治思想そのものである〈思想・意識〉は,1世紀前の,関東大震災が発生したころのこの国の支配者たちのと,なんら変わるところがなかった。
なにゆえ,何千人もの朝鮮人,何百人もの中国人,それに主義者だったという日本人,方言のせいで朝鮮人とみなされた日本人たちが,ともかくひとくくりにされたかっこうで,殺しに殺された事実が記録されていた。
最近は以下に案内する本が出版された事情もあって,とくに,同じ日本人でも朝鮮人だと誤認され,それこそ問答無用的に殺された人びとに対する同情の念はひとしおになっている。
とはいえ,それらすべての犠牲者たちは,ただ地震の被災者として命を落とした,という点から共通化を無理やりほどこす発想をした小池百合子流の観方は,「男と女は皆人間だから違いはない」という次元をもって,男女間の “性差をいっさい認めない” 観方にも通じる誤説に似ていた。
だから彼女は,論理学ならばその初歩の知識,集合論の基礎からしてまったく分からぬ,理不尽な頭脳しかもちあわせなかった人物だと批判されて,あまりにも当然であった。
彼女にまともに議論は期待できない。東京都知事の立場からならば,権柄尽くに応答することができても,同じ立場に立って対等,平等に話しあいをしようとする相手方との討議・知的交流は,とうてい不可能であった。
LGBTの問題に近づけて類推するとしたら,そうした虹色的なグレーゾーンとしての存在意識をもちながら生きている人たちも大勢いるからといっても,そこで「男と女の区別をするのは誤りだ」という奇怪な論理にまで飛躍させて押し通そうとするのは,小池百合子の論法ならばさておき,常識的にはきわめて身勝手な決めつけになる。
なかんずく,当初から理不尽のいいぶんを強弁することしかできず,ひたすらヘリクツの使い手であった小池百合子にとってみれば,議論の前提に公平性(倫理性)だとか正当性(道徳性)だとかいった判断のための観念的な規準はいっさい不要であった。
要は,自分の固執する意見以外は全面排除するしかない無論理そのものの強引・話法以外,なにも具備できていない御仁であった。
※-4「『朝鮮・中国人虐殺主導を認めよ』 関東大震災から100年,学者ら政府に賠償求める 『日本は責任逃れてきた』」『東京新聞』2023年4月9日 12時00分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/242997
これは1年と5ヵ月ほど前の『東京新聞』の記事であった。長めの記事ではあるが,重要な記述ゆえ,あえてこの全文を紹介しておく。
--1923年9月1日の関東大震災から今年で100年。死者・行方不明者は10万5000人に上り,混乱のさなかに朝鮮人だけでなく中国人も,軍や警察,自警団によって虐殺された。学者や弁護士,ジャーナリストらでつくる「関東大震災朝鮮人・中国人虐殺百年犠牲者追悼大会実行委員会」は政府に事実を認め,賠償することを求めている。来月には東京都内で記者会見を開く予定だ。
◆-1 「放火」「井戸に毒」-戒厳令下でデマ広がり
「関東大震災の朝鮮人・中国人虐殺を主導したのは日本政府という事実と責任を認め,国家として犠牲者に謝罪し賠償すべきだ」。同実行委の世話人で,「関東大震災中国人受難者を追悼する会」共同代表の林 伯耀さんが話す。
大震災では戒厳令下で「朝鮮人が放火した」「井戸に毒を入れた」といったデマが広まり,植民地支配下にあった朝鮮人とともに,中国人も虐殺された。
内閣府中央防災会議の2008年の報告書は「殺傷の対象となったのは,朝鮮人が最も多かったが,中国人,内地人も少なからず被害に遭った。加害者の形態は官憲によるものから,官憲が保護している被害者を官憲の抵抗を排除して民間人が殺害したものまで多様」とし,犠牲者は「震災による死者数の1〜数%」と推計している。
補注)中国人の犠牲者は758人とされている。100人が同時に殺されただけでも大逆殺事件である。その8倍ほどの6661人が殺されたという報道もあった朝鮮人の場合は,なんと形容したらよいのか? 日本・日本人側の報告がその犠牲者数を極力少な目に抑えた数字を示してきた点は,はたして理解できそうな事情があったなどとはいえまい。悪さをしたほうは,その数字をできるだけ少な目に報告することは「普遍的な真理」であった。
ここで「本稿(前編)」がすでに掲示してあった関連の統計表を再掲しておきたい。
林さんが「虐殺を主導したのは日本政府」と考える根拠の1つは,内務省警保局が9月3日に海軍船橋送信所に「朝鮮人は各地に放火し,爆弾を所持し,放火する者あり。厳重なる取り締まりを加えられたし」との電文をもっていき,各地方長官に送られたことだ。政府が流言を否定せず,虐殺を容認する空気がつくられた。
◆-2 中国人虐殺は最大750人を 「意図的に殺している」(前段には中国人の犠牲者数 758人という数字が出ていた)
中国人の虐殺は,目撃者から直接聞くなどして調査した高校教諭仁木ふみ子さん(故人)らの研究があり,日弁連も2003年,被害者は最大750人との報告書をまとめている。
それらによると,とくに大きな被害を出したのが大島町(現東京都江東区大島)で起きた虐殺。同町に住んでいた浙江省温州市出身の中国人労働者らがターゲットになり,支援していた「僑日共済会」の王希天会長も軍に殺害されたという。
なぜ中国人労働者が狙われたのか。林さんは「震災前から日本の官憲や日本人労働者との間に緊張関係があった」と指摘する。日本は1920年に不況に陥り,中国人の入国制限や強制送還が始まっていた。
「当時の日本政府の文書には朝鮮人と間違えたという『誤殺』の文字があるが,中国人独自の服装をしており,誤殺とは認められない。意図的に殺している」
林さんの父親は1913年,福建省福清から来日。東京で呉服の行商人をしていたが,震災発生で「中国人も襲われる」と感じ,同居人らと警視庁に保護を求めた。通行証を発行され,難を逃れたという。
◆-3 認めない政府に怒り「いつかまた世相が問題起こす」
虐殺はその後中国側もしることとなり,国際問題となる。1923年11月に外務省条約局が中国人虐殺問題に関して国家の責任を調査した文書には「暴動の行為が外国人に対し行われた場合は,官憲に身体財産の安全を確保する義務があると推定され,国家に賠償責任がある」と書かれている。
中国側の調査団派遣などを受け,日本政府が24年5月に「支那人傷害事件慰藉金20万円責任支出の決定」をした記録や,交渉が中断し支払われなかった記録も残っている。
にもかかわらず,日本政府はこの問題を公式に認めていない。野党議員が2015年以降,質問主意書で繰り返し聞いているが,「事実関係を把握できる記録が見当たらず,お答えは困難」と回答している。
林さんは,中国人虐殺の事実を認めない日本政府に「怒りを覚える」と話す。「嫌朝鮮,嫌中国という今の日本の世相が,いつかまたこのような問題を起こすのでは」。
温州市を中心とした被害者の遺族会約250人は2014年,政府に要望書を提出。国家としての責任と事実を認め,謝罪と賠償を行うこと,次世代に事実を伝え教訓とすることなどを求めている。
◆-4 バイデン氏は100年前の虐殺現場訪問 小池知事は……
海外では100年前の虐殺事件に向き合った国のトップもいる。1921年に白人暴徒による黒人虐殺事件が起きたオクラホマ州タルサ市を,バイデン米大統領が2021年に訪問。推定300人の被害者を追悼し「あまりにも長い間,歴史は闇に覆われていたが,なかったことにはできない」と強調。
「良いことも悪いこともすべてをしるべきだ。それが偉大な国家のすることだ」と続け,「ここで起きたことは憎しみとテロであり,今日でも存在している」とも語った。
日本はどうか。朝鮮人虐殺すら否定する保守系団体は2019年,東京都墨田区で開かれた犠牲者追悼式の近くで「犯人は不逞朝鮮人,朝鮮人コリアンだったのです」などと発言。都は翌年,ヘイトスピーチ認定をしたが,小池百合子都知事は2017年以降,この式典への追悼文送付をやめている。
2020年には川崎市ふれあい館に「在日韓国人をこの世から抹殺しよう」と書かれたはがきが届く事件があった。2021年には,名古屋韓国学校や京都府宇治市のウトロ地区の家屋などに放火する憎悪犯罪(ヘイトクライム)も起きた。
中国人に対しても,2020年に東京都港区の街宣活動で「支那人を叩き出せ」「鬼畜支那人を叩き出せ」との言動があり,東京都がヘイトスピーチと認定している。
◆-5 事実を認めないことは「セカンドレイプと同じ」
こうした動きをどう考えたらいいのか。東京造形大の前田 朗名誉教授(人権論)は「この10年ほど,国際的には歴史的事実の否認や隠蔽,忘却をめぐる問題が議論されている」と話す。
前田氏によると,ラテンアメリカの軍事独裁政権による弾圧や,欧州諸国のアフリカ植民地支配など,重大人権侵害の歴史論争で形成されてきたのが「真実の権利」だ。「被害者や遺族,コミュニティーの知る権利を出発点とし,国家全体で記憶にとどめるべきだ」という考えを基本としている。
すでに30カ国以上で,歴史の否定や称揚が犯罪化されており,「アウシュビッツの噓」とも呼ばれるホロコーストの否定論争にも決着はついているという。前田氏は「被害者のコミュニティーにとって,自分たちの歴史はアイデンティティー。公然と否定することは民族の尊厳に対する攻撃という議論が欧州では広がっている」と続ける。
関東大震災時に起きた朝鮮人・中国人の虐殺を,前田氏は「ジェノサイド」(集団破壊を意図して行われる暴力的行為)と位置付ける。「日本でも重大な人権侵害の事実を公然と否定することは犯罪化できたほうが良い」との考えを示した上で,こう続ける。
「日本では,あいまいにし責任を逃れてきた。事実を認めないことは,被害者をあらためて傷つけるセカンドレイプと同じ。国際社会における日本の名誉ある地位が損なわれている」
一橋大の田中 宏名誉教授(日本アジア関係史)は「ブッシュ米大統領は1990年以降,太平洋戦争時の日系人強制収容を謝罪し,補償金も払って歴史の清算をした。ソ連のゴルバチョフ大統領は91年,来日時にハバロフスク郊外に立ち寄り,シベリア抑留犠牲者の墓に献花している」と指摘。
被害者と向き合わない日本政府の姿勢は「理解できない」とし,「歴史への向き合い方では,相手の立場で見るということが大事だ」と語った。
◆-6 デスクメモ
以下の2葉の写真を紹介する。上の「慰霊碑」の写真は「本稿(前編)」ですでに案内してあった。下の「鐘」の写真はこの後編で引用するものとなった。
この「幽冥鐘」がある場所は,関東大震災と東京空襲の遺骨が眠る東京都慰霊堂がある横網町公園内。都慰霊協会のサイトによれば,震災の甚大な被害をしった中国の仏教関係者が来日して慰問をおこない,外相らに寄贈を申し出た。日中関係がぎくしゃくするいまこそ,訪れたい場所だ。
※-5「〈主張〉朝鮮人虐殺と知事 史実を直視し追悼文の送付を」『しんぶん赤旗』2024年8月28日,https://www.jcp.or.jp/akahata/aik24/2024-08-28/2024082802_01_0.html
東京都の小池百合子知事は,1923年の関東大震災直後に虐殺された朝鮮人犠牲者らを追悼する式典に今年も追悼文を送らない考えを示しています。
歴代都知事は式典に追悼文を送ってきました。ところが,小池氏は知事に就任した2016年は送付したものの,翌年からは取りやめました。今回も見送れば8年連続となります。式典を主催する実行委員会(日朝協会東京都連合会などで構成)が,小池氏の追悼文送付拒否を厳しく批判しているのは当然です。
■-1 式典の意味を無視
追悼式典は9月1日に都立横網町公園(墨田区)内にある東京都慰霊堂そばの朝鮮人犠牲者追悼碑の前で営まれます。追悼碑は関東大震災から50年目の1973年に虐殺の犠牲となった朝鮮人らを悼む目的で当時の実行委員会が寄付を募り都と連携し建立したものです。翌1974年から毎年,大震災のあった9月1日に追悼式典を開いてきました。
小池氏が追悼文を送るのをやめたのは,2017年3月の都議会で自民党の古賀俊昭議員(当時)が碑文の内容などに難癖をつけ,碑の撤去や追悼文送付の再考を求めてからでした。
小池氏は今月23日の記者会見で,追悼文を出さない理由について「(9月1日に)東京都の慰霊堂で開かれる大法要で,(関東大)震災による極度の混乱下での事情で犠牲となった方も含めて,すべての方々に対して慰霊する気持ちを表している」と,これまでの主張を繰り返しました。
しかし,朝鮮人犠牲者追悼式典は「人の手によって命を奪われた朝鮮人犠牲者を追悼し,二度と同じ過ちを起こさないことを誓い合う式典」(実行委員会)です。大地震による自然災害で命を失った被災者への追悼と,震災とは別の人災による犠牲者への追悼は意味が異なります。
そのため歴代の知事は都慰霊堂の大法要で追悼の辞を述べるとともに,朝鮮人犠牲者追悼式典に追悼文を送ってきました。小池氏の態度は式典の意味を無視するものです。
■-2 虐殺は歴史の事実
小池氏は,大震災での朝鮮人虐殺について問われても,「なにが明白な事実かについては歴史家がひもとくもの」などと述べ,事実だと認めません。しかし,大震災の発生直後から,朝鮮人が暴動を起こすなどといったデマが流れ,軍や警察,自警団が集団虐殺をおこなったことを示す公的資料は数多く存在しています。
補注)この小池百合子のいいぶんは虚言である。そうでなければ単に事実を無視している自分の立場を,一方的に押しつけているだけであった。
〔記事に戻る→〕 政府の中央防災会議の「災害教訓の継承に関する専門調査会」は2009年に関東大震災に関する報告書を公表しています。
同報告書は「当時の公的機関が作成した記録に依拠」してまとめたもので,「朝鮮人が武装蜂起し,あるいは放火するといった流言を背景に,住民の自警団や軍隊,警察の一部による殺傷事件が生じた」
「武器を持った多数者が非武装の少数者に暴行を加えたあげくに殺害するという虐殺という表現が妥当する例が多かった」と明確に認定しています。
朝鮮人虐殺は動かしようのない歴史の事実です。「極度の混乱下での事情で犠牲となった」などとあいまいにすることは許されません。小池氏は史実を直視し,追悼文を送るべきです。
※-6「〈申し入れ〉小池百合子知事が8年連続、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文を送付しないことに厳しく抗議し,送付再開を求める要請」『日本共産党東京都議会議員団』2024年8月29日,https://www.jcptogidan.gr.jp/opinions/8368/
◆申し入れ ◆ 小池百合子知事が8年連続,関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文を送付しないことにきびしく抗議し,送付再開を求める要請。
日本共産党東京都議会議員団,グリーンな東京,都議会生活者ネットワークは8月29日,小池百合子都知事宛てに標記の申し入れをおこないました。佐々木珠建設局公園緑地部長らが応対し,「適切に,速やかに知事を含む関係部署に伝える」と述べましたが,事前に約束していた知事からの返答については明言を避けました。
申し入れの内容は以下のとおりです。
■-1 史実を黙殺し,都自身が積み重ねた反省を投げ捨てる恥ずべき行為
関東大震災の発生時,〝朝鮮人が暴動を起こす〟〝朝鮮人が井戸に毒を投げ入れた〟などの流言飛語が発生し,軍隊や警察,自警団などによる虐殺が行われ,数千人もの朝鮮人や中国人など多くの命が無残に奪われました。震災による被害や犠牲にくわえ,それとはまったく別に理不尽に命を奪われる恐怖や無念を思うと言葉がみつかりません。
都は朝鮮人虐殺事件を「東京の歴史の拭うことのできない汚点」(『東京百年史』1972年 東京都発行)とし,関東大震災50年の折,市民や都議会各会派の幹事長も参加して横網町公園に追悼碑を建立しました。以来,歴代知事による追悼文送付が小池知事の就任1年目までおこなわれてきました。小池知事の追悼文送付中止は,半世紀近く重ねられた東京都自身や都議会の,悲劇を「二度とくり返さない」という誓い,歴史を継承する決意をいとも簡単に投げ捨てるものです。
また8月5日,在日朝鮮人の歴史が専門の大学教授らが東京都に要請,記者会見を行い,小池知事が追悼文の送付をやめ,虐殺の事実があったかどうかの認識を示さないことは,「定まった評価を受けている学説への信頼を毀損している」と批判しました。小池知事の追悼文送付中止は学問や知性に反する行為といわれているに等しいものです。
なにより,虐殺事件の被害者や多くの都民が語り継いできた幾多の事実とその記録を乱暴に踏みにじることにほかなりません。
小池知事の追悼文送付中止はきわめて悪質で恥ずかしい行為であり,東京都知事としてあるまじき行為であるときびしく指摘するものです。
■-2 防災を語るうえでも史実に向き合うべき
100年前,当時の一大防災事業であった荒川放水路の工事にも多くの朝鮮人が携わっており,その人たちが虐殺されています。昨年来,東京都は「関東大震災100年」と称してさまざまな防災に関する事業をおこなっていますが,朝鮮人虐殺事件に向きあった企画や,災害時デマなど災害教訓の継承がありません。
内閣府中央防災会議の報告書でも「殺傷事件の検証は,事実の解明と周知を通じての,この種の事件の再発防止を意図した活動として,防災上も評価すべき」と記載されています。いまこそ小池知事は史実に向き合い,重要な災害教訓としても継承すべきです。
■-3 民族差別・ヘイト行為を増長させる小池知事の責任は重大
また現在,他民族へのヘイト行為が重大問題となるなか,こうした史実に向きあう真摯な姿勢と歴史教訓の継承は重要です。ところが,小池知事による追悼文送付中止以来,史実をゆがめ他民族を冒涜する団体が,追悼式典と同時刻に隣接した場所でヘイト集会を開催するようになりました。
こうした事態を招いた小池知事の責任はあまりにも重大です。小池知事は先の都知事選挙の公約で,「どんなひとも自分らしく生きるインクルーシブな東京」の実現をかかげましたが,これに真っ向から反することであることも,いうまでもありません。ただちに追悼文送付を再開し,東京都は他民族への冒涜,ヘイト行為を許さないという毅然とした態度を示すべきです。
小池知事がこれまでの誤りを認め,以下に応えることを求めます。
※-7「『極右政治家』の本性! 『関東大震災での朝鮮人虐殺はなかったか?』との質問には明確に答えず! 震災被災者を追悼したから虐殺被害者に追悼文を出す必要はない!? ~小池百合子都知事会見」『IWJ』2017. 8. 25,https://iwj.co.jp/wj/open/archives/396292 (取材協力・原佑介 記事・城石裕幸,記事構成・岩上安身)
◆「特集 戦争の代償と歴史認識」◆
2017年8月24日,小池百合子東京都知事が,「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式」に,追悼文を送らない方針を決めたと一斉に報じられた。追悼式は毎年,関東大震災が発生した9月1日に日朝協会などの主催でおこなわれており,追悼文は歴代都知事が送っていたが,今年から方針を変更するのだという。
いったい,どういう判断なのか。IWJ(Independent Web Journal,岩上安身が代表)は〔8月〕24日,担当部署である東京都の都建設局に取材し,追悼文を取りやめる理由について,つぎのような回答をえた。
「東京都慰霊協会」は毎年,関東大震災のあった9月1日と,東京大空襲のあった3月10日に遭難者に対する慰霊大法要を開催している。都知事はここに追悼の辞を寄せているので,今後は大法要のみに一本化する,というのだ。
しかし当然ながら,関東大震災という自然災害の被災者と,関東大震災直後に人為的に虐殺された朝鮮人被害者とでは,犠牲や被害の意味がまるで違う。いうまでもなく,虐殺は自然現象ではない。当然「追悼」する意味もまったく異なるはずだ。
▲-1 今〔2017〕年も9月1日に東京都の秋季慰霊大法要が営まれる
「すべての方々への追悼の意」をまとめて表しておいた,だからそれ以上個別の追悼は必要ないとでもいうのだろうか? 繰り返しになるが,虐殺の犠牲者は震災の被害者とはまったく立場が異なる。震災の被害からやっと生き延びたところで,民族差別を背景にした憎悪の扇動によって人の手で殺されたのである。
この点を聞かれた小池知事は「不幸な死を遂げられた方々への慰霊の気持には変わりはない」としながらも,「民族差別という観点よりは災害の被害で亡くなられた方々への慰霊をしていくべきだ」と回答した。
関東大震災時の朝鮮人虐殺は,歴史上まれにみる凄惨な大事件である。にもかかわらず,「民族差別という観点よりは災害の被害で亡くなられた方々への慰霊をしていくべきだ」とは,どういうことか。「民族差別による虐殺」と「自然災害の被災者」を比較して,前者は後者よりも「軽い」といいきっているようにさえ聞こえる。
▲-2 朝鮮人犠牲者追悼碑は慰霊堂のすぐ横にある
「虐殺の事実」は「さまざまな歴史的認識」のひとつなのか !? 会見で別の記者から「朝鮮人コミュニティーのなかには虐殺の事実の否定につながるという批判がある。
『虐殺の事実はなかった』という批判をどうお考えか」と問われると,小池知事は,「さまざまな歴史的認識があると思うが,関東大震災とそれに続くさまざまな事情によって亡くなられた方々への慰霊の気持は変わらない」とのみ答え,虐殺の事実を知事自身が認めるのか否か,明確な表明を避けた。
しかし,虐殺という史実を「さまざまな歴史認識」のひとつだといいかえた時点で,史実を否定しているとみるよりほかないだろう。
朝鮮人犠牲者追悼式を主催している日朝協会都連合会の赤石英夫事務局長は24日,IWJの取材に対し,「いまの歴史的な,歴史上の問題としてそれ(虐殺)を否定することにつながる」と小池知事の判断を批判。
「朝鮮人や中国人が虐殺されたという事実を,私たちはきとんとみつめなければいけない。これでは,歴史が歪められる流れに与してしまうのではないか」と,小池知事の歴史修正主義的な政治姿勢に懸念を示した。
過去の追悼文は「慣例的に事務的に送られてきた」ものと決めつけ,これまでの追悼メッセージの意義を台無しに!
東京都も日朝協会も,「記録は残っていないものの,追悼文は少なくとも石原都知事時代から欠かさず送っていた」との認識で一致。
「三国人発言」などで差別主義者としてしられる石原氏でさえ送っていた追悼文を取りやめるというのだから,小池知事の「極右政治家」としての本性がむき出しになって現れた「事件」であるといわざるをえない。
さらにもうひとつ,都知事としての誠実さを疑わざるをえない発言が続いた。(この※-7における「以上の引用」は,ここまでとし,あとは割愛)
※-8 参考記述へさらに追加と補足
★ 小池都知事よ,関東大震災朝鮮人犠牲者 追悼式典への嫌がらせをやめよ ★
=『澤藤統一郎の憲法日記』2020年5月28日, http://article9.jp/wordpress/?p=14988 =
小池百合子・小池都政にガマンがならない理由のひとつに,そのかたくなな歴史修正主義の姿勢がある。浜 矩子がいうとおり,「安倍政治と小池政治はまったく瓜二つ」である。
補注)本ブログ筆者も,この「安倍政治と小池政治はまったく瓜二つ」だという「事実」を,なんどか強調するかたちで言及してきた。アベノミクスとアベノポリティックスが2010年代からのこの国を,完全に近いくらい破壊しつくしてきたと同時に,都政の次元からもまた,小池百合子が日本をダメにしていく方途に拍車をかけてきた。
安倍晋三の嫌中・嫌韓意識は子どもの水準なりにきわめて低劣な政治感覚を如実に表わしていたが,その負的な成果は2020年代のとくに岸田文雄の為政によって,さらに救いがたい状態にまで落ちこんだ。
小池百合子となると,とくに日本全国のなかで占める東京都の役割をまったくわきまえない政治屋であっただけに,国家全体にとってじれば「弱り目に祟り目」の役回りを,狂・晋三と黒・百合子がお手々つないで嬉々・凶々に果たしてきた。
〔記事に戻る→〕 かつての日本が近隣諸国の民衆になにをしてきたかについて,真摯な認識の意欲をもっていない。口先だけはダイバーシティ(多様性)を標榜しながら,民族的少数者への配慮はない。ヘイトスピーチをこととする人物や集団を拒絶する潔癖さがない。
その象徴的な出来事が,「9. 1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」への対応である。
1973年の第1回追悼式典以来,歴代の都知事が追悼文を送ってきた。人間としての心あれば,当然の行為というべきだろう。あの,右翼・石原慎太郎でさえも欠かしたことがない。にもかかわらず,小池百合子はこの追悼文の送付を辞めた。極右の都議会議員・古賀俊昭の議会での質問に呼応してのことである。
そればかりではなく,今〔2020〕年は,式典の主催者に不当な誓約書の提出を求めるに至っている。この誓約書の提出なければ,会場の使用許可をしないというのだ。これまで式典が荒れたことも,問題を起こしたこともないのに,である。歴史的な事実の重み,これまでの追悼式の経緯,誓約書の内容と効果などに鑑みれば,小池知事の追悼式典への不当な嫌がらせとしか考えられない。
要は,生粋のファシストであり,かつまた反動・ネトウヨの軽佻浮薄だとしか形容できない「対・アジア歴史・政治観」の持主である小池百合子は,少女が好き嫌いをはきはきいう程度とまではいかないものの,東アジアに対して心底深く抱いている露骨な偏見・差別にまとわりつく「感性・気持」を,なんとなしにでもバカ正直に語っていた。
以前の話題である(この話題は既述で言及があった)。桝添要一が都知事を務めていた時期,韓国で当時,大統領だった朴 槿恵に依頼されて約束したことがあった。それは「廃校となった都立高校の敷地と校舎」のひとつを,「第2韓国学校」(これは仮称)のために貸与する計画であった。だが,小池百合子が都知事になると,この案を簡単に反古にした。潰したのである。
つぎのふたつの表を参考にまでみておきたい。都立高校は少子化の影響があって,ドンドンと形容していいくらい多くの廃校が出ていいた。在日の「第2アテネフランス」校のためであれば,小池百合子はきっと喜んで貸与どころか,安価に譲渡する関係で,もう1校を進呈でもするのか? そういった邪推のひとつも必要な様相になっていた。ともかく「お尻の ◎ が,お小さいお人」が1人いた。
「令和6年度 東京都立高等学校等一覧」
⇒ https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/high_school/files/list/r6schoollist.pdf
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