じいちゃんの掘ったトンネル
2019.11.17 掲載
宇和島市 中村健一(49)
新幹線の新大阪~新神戸間にある全長16,250mもの六甲トンネルは完成当時日本最長だったが、崩落や出水事故等で54名の犠牲者が出た。私の祖父もその一人であり私が生まれる前に49歳という若さで他界した。
六甲トンネルの真上には山陽新幹線記念公園があり祖父の名前が彫られた慰霊碑がある。
幼少時代に家族旅行で慰霊碑にお参りしたらしいが、幼すぎて記憶にない。
いつかちゃんとお参りしなければと思いながらも気付けば40歳を超えていた。
六甲山を臨む港町には神戸マラソンという人気高いビッグレースがあるが、運良く当選した私は大会前日に祖父の慰霊碑をお参りした。
「じいちゃん、神戸に呼んでくれてありがとう。」
と合掌した。
このレースで初めてフルマラソンで3時間半を切った私は愛媛マラソンなどを走るアスリート枠を獲得することが出来た。
きっと天国の祖父が背中を押してくれたのだと信じている。
現在の新幹線は携帯電話を充電しながら無料Wi-Fiを利用できるのは当たり前のサービスとなった。
しかしその過去である新幹線の建設工事では、数多くの方が死傷されている。
東京~博多間の建設で、死者370人、けが人約8600人。
こうした方々の犠牲の上に、今の便利さが成り立っているということを、決して忘れてはならない。
(会社員・新聞配達員)
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