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【日記】京都と花と小説と ⑤ライブ参戦と「めくるめくカフェめぐり!その壱」

ライブざんまい、カフェざんまい?

 桜の季節もとっくに終わり、今は杜若や菖蒲が見ごろだ。それどころか、もうすぐ紫陽花の季節である(2024年5月執筆)。

 3月下旬に京都へユニコーンがやってきた!高校生のときからファンだし、民生くんも聴いてるし行くしかないでしょ。今回初参戦である。学生のときはお金なかったし、大人になってからもそれどころではなかったから。

ユニコーン in 京都ロームシアター

 4月にはサックスの上野耕平くんが平安神宮にきて、夜桜コンサートの最終日を飾った。押尾コータロー氏とのコラボという贅沢な組み合わせ!
 しかし、ステージが遠いは人が多いはで、上野くんも押尾氏も、楽器の音色は聴こえど姿が全然見えない。仕方なくその場にしゃがみ、栖鳳池の面にゆらゆらと逆さに映る小さな彼らふたりを見つめ、春空に響き渡る演奏に耳をかたむけた。

上野耕平くんは右端、押尾コータロー氏はその左

 さて、前回書いたSさんと相変わらず交流があるけども、わたしは三月のうさぎみたいに狂っていて、友だちがもっとたくさんほしくなった。
 それで、また友だち募集の記事を探し、Jさんという女性と知り合った。Jさんはわたしより三歳ほど歳上だ。

 Jさんと「カフェに行きましょう」という話になった。とにかく、こういうシチュエーションではカフェが正解である。
 それで、Jさんのハンドルネームにちなんで、烏丸御池のパフェとフロートと紅茶の店「Cafe Cherish」へ、行くことにした。

Cafe Cherishの店内は童話の国のよう

 人気があると言うので早めにバスに乗る。裁判所前で降りて御所から下がり、十分ほど歩く。Jさんに店に着いたとLINEすると、自分も向かいますとのこと。すでに近辺にきていてぶらぶらしていたそうだ。

 並んでいると、あとからきた女子グループが先に店のドアを開ける。のぞいた顔がドアのすき間から引っ込み、満席というひそひそ声が。
 次の瞬間に客がちょうど出てきて、女子グループはするするっと店内へ入ってゆく。先を越された!彼女たちは待ち合いの椅子に腰かけている。わたしは歯がみしながら、外で椅子が空くのを待った。

不思議の国へようこそ!
シンデレラの舞踏会

 十分ほどでまた客が出てきて、空いた待ち合いの椅子に腰かける。その後、五分ほどで店員に呼ばれ席へ案内された。
 Jさんはその二、三分後にやってきた。ずっと四条烏丸の方を散歩していたそうだ。桜がきれいな公園があったので、そこにいたと言った。それで遅かったのか。わたしは早めにきたし、別に責めないけどね。

 早速ふたりでメニューと睨めっこする。童話の主人公の名前のついた魅力的なパフェとフロートが多すぎる…。
 迷った末にJさんは「ハートマカロンと苺アイスのパフェ」、わたしは「マーメイド・クリスタル・ラグーンパフェ」に決めた。スマホでオーダーして、Jさんとお互いに改めて自己紹介した。

 なんと、Jさんはニュージーランド在住で、旅行で京都にきているらしい。1週間前に東京に飛行機で着き、大阪へ行ってから京都にきたそうだ。実家が大阪だけどすでにないのだと言った。そして、また四、五日で今度は伊勢にゆくらしい。会社を早期退職しているので、あちこち転々と気ままに旅するのが趣味だそうだ。

左「マーメイド・クリスタル・ラグーンパフェ」、右「ハートマカロンと苺のアイスパフェ」

 ニュージーランドのことを聞いているうちに、パフェが到着。なに、この夢のような可愛さ!ふたりでパフェの写真撮影会が始まる。
 ひとしきり写真を撮ったら、パフェをつつくことに。珊瑚と人魚の尾ひれはチョコだ、貝殻はウエハースだ、アイスの下のゼリーは海のようだ、などといちいちその凝ったパーツに感心する。
 そんな感じでわたしはパフェに夢中だけど、Jさんはぽつりぽつりと自分のことを語りながら食べている。こういうのあまり食べたことないんです、とあまりの乙女チックさに尻込みしているようだった。

亀の親子

 Jさんと話をするうちに、お互い似たもの同士であることがわかる。悩み事なども似ていて、甘美なカフェを前に慰め合う。食べ終わってからも、しばらくカフェで話していたが、この辺を観光したいというJさんの希望で、京都御苑でも、と案内することになった。

 広い京都御苑の道の砂利をざくざく踏みしめながら、Jさんに桜の見どころなどを教えてあげる。平野神社や平安神宮もいいですよ、などと言うわたしの話をJさんは、なるほど、としきりに頷きつつ聞いている。

 そろそろ体調が心配になってきたわたしは、最後に九條池に架かる橋の上にJさんを連れて行った。橋からは九條邸や“池の弁天さん”こと、厳島神社が見える。アオサギが神社の近くにオブジェのように立っている。反対側を見ると、亀の親子が泳いでいた。お母さんが泳ぎを教えているように見えた。

 亀の親子を見ながら、わたしは離れて暮らす娘のことが頭に過ぎった。
 きっとJさんも、ニュージーランドの息子さんのことに想いを馳せたに違いない。

ニュージーランドのオーロラ

 その後、旅を終えたJさんからオーロラの写真が送られてきた。神秘的で息を呑む美しさである。
 それからわたしたちは連絡を取っていない。まあ、そんなものである。

今日の1曲♪
クロスロード/ユニコーン


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