Perfect Days
2023年 日本
この映画を見るまでルー・リードのPerfect Dayがこんな
美しい詩だと知りませんでした。でもそれ以上に美しい
のは、ラストのニーナ・シモンのFeeling Good
早朝、竹箒で道路を掃く音で眼ざめ
空を見上げ、自販機の缶コーヒーを買い、掃除用具を乗せた軽自動車に乗り込む
向かうのは都内の公衆トイレ、清掃作業
カーステレオで聞くカセットテープは、アニマルズ、パティー・スミス、キンクス、オーティス・レディング。
昼食は、神社の境内のベンチでサンドイッチと牛乳
モノクロフィルムで、木々を撮影
仕事の後は、自転車で銭湯、居酒屋で酎ハイ
夜の読書は、フォークナー、幸田文
音楽の趣味は、アッパー60の元ロック少年
本のセレクトは、単なる読者家レヴェルではなくインテリの領域
(パトリシア・ハイスミスは?だけど)
ラストシーンの涙は、ニーナ・シモンのFeeling Goodを聴いての
涙だと思います、それまでの人生とのオーバーラップで。
空を飛ぶ鳥たち、俺がどんな気持ちか、わかる?
照りつける太陽よ、俺の気持ちわかる?
やさしくそよぐ風にも知って欲しい
夜が明けて、新しい一日が始まる、俺は俺の人生を生きる
本当にいい気分だ
(途中略)
星たちよ、輝くその時に、俺の気持ちがわかるはず
松の香りよ、俺の気持ちがわかるだろ
そう、自由をやっと掴んだんだ、そしてこの気持ちをかみしめる
夜が明けて、新しい一日が始まる、俺は俺の人生を生きる
ずっとこの瞬間を待ってたんだ (Feeling Good)
最後に
ヴィム・ヴェンダースの表現する夜景、夜の光は幻想的で独特の
世界観を内包している。