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nothingness

身勝手になれる人が得する

そんな風にみえてきて
仕事中に瞬きをしては
いやいや違う、違うと
心を仕切り直す日が増えた

今に始まった病気ではない
幾度これに振り回され
現場が疲弊してきたことか

身勝手は最初っから
今も変わらずにいる

すぐ診てもらえないから
症状をかくして受診する
そういう心あたりもあって
自身で確信的なものもあって
込み合う待合室に
紛れ込む身勝手なひと

解熱剤で熱が一時的に
下がっていて受付では
しれっと適当な理由を話し
診察室でいきなり
陽性だと自覚あるから
検査と薬を希望する

一瞬にして
この空間全体が
危険区域になり
待合室にいた全てのひとに
リスクを招いて
果てはクラスターへの
引き金となるかもしれない

職員にも大量にでれば
現場はまわらなくなり
入院患者さんや
色々なひとがまわらなくなる

クラスターをださないように
ガードしてるっていうのに
だしたら叩くのだろうに
自分本位なひとの行動で
あっけなくガードは破られる
(もちろん、それだけが原因とは限らないけれど)

今のそれに限らず
病院にいく=患う人がいる
だからインフルエンザも
そこでうつったりしてきたし
他だってそう

病院にいく=安全ではない

安易な受診は
思わぬものをうつされる場合は
いかなる時もあるわけで
それら全てを防げてはいない

もちろん自身が
誰かにうつす可能性もある

忘れてしまってる
身勝手なひとたち

医療従事者が菌を
運ばないように
気をつけているけれど
100%運んでいないとは言えない

みえないんだし

だから気をつけてるわけで
そこを横入りみたいにして
自分さえ安心して早く
治療してほしいからと
虚偽の内容で現れて
実は‥といわれても遅い

インフルエンザだって
可能性があれば別室に案内だし
ちゃんと言ってくれたら
然るべき対応をするわけで

少なくとも
自分の足で来れるくらいなら
事前に電話連絡していただきたい

わたしたちが
パニックにならなくても
他の方々はどうしても
それに対しては怯えているから
パニックになる

インフルエンザだって
対応するスタッフは
半分かかってしまうと
覚悟して1日関わったりする

関わるひとを最小限にして
現場を明日のために保つ

実際、万全期して対応しても
予防接種していても
私もインフルエンザには
かかってしまう

かからない人もいるし
かかる人はワンシーズンで
型ちがいで三回かかったりする

インフルエンザだって怖い
拗らせたら1番に
気管支にくるから
気管支炎、肺炎がちらつく

なにかに限らず
病気というものは
身近に溢れていて
なかには不確かな情報や
不透明さで異質さを
増しているものもある

正しい情報も必要だけれど
正しく備えることに
そろそろ視線をかえたい

そうなったとき
自身がどう行動するか
なにを買い置きしておくか

風邪をひいたら
飲料水や食べれそうな物を
数日買いにいけないから
ちょっと買いだめたりする

それらと同じように

自身も守りながら
他人も守らないとと
ちょっと意識したら
色々なことに対して
行動は自ずと変わらないかな

身勝手なひとの数十分が
誰かの治療の遅れとなり

一秒でもはやく診てほしい
そんな人の苦しみが悔しい
悔しくて涙が溢れる帰り道

みんな救えるとかじゃなくて
平等になるべく
看たいなとシンプルに思うだけ

みんな早くみてほしいし
必要な薬があるから
ちゃんと受診して
採血したりして
からだをみている人もいる

いかなくていいなら
薬だけでいいなら楽だし
互いに無用な危険にも
さらされないけれど
みないと分からないから

身勝手なひとが
支払った何割かが
誰かの苦しみをカバーしない

医療が逼迫するのは
医療を受けるひとにも
考えて行動してもらえたら
負の連鎖は少しは減るのかな

わたしは
医療の代表でもないし
単なるひとりの人間で
仕事が看護師なだけで
感じたこと全て正しくはないし
自身の感情も入っている

感情だけでは何も変わらない
だけれど感情をなくして
寄り添えない看護師には
なりたくはない

看護師にはというより
そういう人間になりたくない

感情を奪われないように
見失わないように
毎日みえない虚無感を
背中にのっけて
いいようのない心がある

空はこんなにも晴れ渡り
わたしが見上げる空は
どんよりしていないのに
どんよりと見上げる 

好きな空がイエスと
言っていると心に伝えながら
正解な毎日などわからないから
そんな風に答え合わせして

あの人が明日元気で
ありますように
必要な点滴に
ちゃんとこれますように

あの人が
辛いことを抱え込まずに
病院に話しにこれますように

「お大事になさってください」
心をこめて今日も
あしたも言っていけるように
心が枯れないようにいたい

空を見上げる力さえなくなったら
きっとわたしの仕事ぶりは
最低な姿だ

最低なわたしを
みたくないから
背中にのっかる
鬱陶しい虚無感を
手ではらって

それさえも
感じないといけないと
見てきたけれど
みたうえで
はらってやりたい

わたしを不細工にするもの
見えないところに













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