ビッグマック指数


結局、インフレは良いのか悪いのか。デフレは良いのか悪いのか。いろんな経済学者や有識者が意見があっても絶対的な答えなどは出ないままであり、「急激なインフレ・デフレは良くない」「世界的にインフレなのに、日本だけがデフレなのは良くない」みたいな無難な結論に着地することになる。
インフレ・デフレは「以前はこうだった」「外国に比べるとこうだな」というような相対的な視点から生まれるものであり、それに対応した所得の増減などの対策があるのであれば問題ないものだ。あくまで一般論だけど。米国に限れば、米国は中央銀行が利上げしているが日本銀行は低金利のままなので円安ということになる。理屈としては。いわゆるアベノミクスの極端な円安政策の弊害であるという結論に落ちつきそうだが、はたしていかに。

「ビックマック指数」という言葉が出てきた時、そう!これって大事とすぐに思った。ビックマックを各国での値段を比較することにより為替レートの妥当な水準を割り出すものだ。各国の経済力を測るための指数で、世界中にあるマクドナルドは同一品質であり、ビックマック1個の価格を比較することで得られる絶対的な経済指数と言ってしまってもよいと思う。なぜなら、この指数は庶民に根差した貨幣価値であり、貿易などの輸出入を中心とした国全体の経済指数ではないから。巨額な数字の折れ線グラフを見せられてピンとこない数字をはじき出されるよりは、ビックマックから感じられる経済指数の方がよっぽど身近でありリアルである。

2024年7月の「ビックマック指数」では、日本(390円)は上から41番目。53ヵ国の比較なので下から数えた方が早い。上位はスイス、アメリカ、ユーロ圏で、さらには中国、韓国、ベトナムよりも下なのだ。2000年では日本は上から5番目だったことを考えるといかに安くなったかがわかる。

物価は「経済の体温計」といわれるように、国民の生活に密接する非常に大切な物差しだ。そして、この肌感覚は大事であり、GNPなどの国が発表する経済指数は参考程度に頭に入れるくらいでちょうどよいと思っている。だって、中国やアメリカ(トランプ大統領)が発表する数字なんて信用できないね。バカ正直にそのままの数字を公式に発表するくらいなら、自国に少しでも有利になるような数字を公表するんじゃないのかな。通貨の信用度というのは世界経済に大きな影響力を与えるのだから、そんなマネーゲームの手先の数字よりも、一般市民の感覚の経済指数の方がよほど大事であり、ビックマック指数はその地図になりえると思うのだ。

僕の中学の大先輩のお二人、西尾幹二に捧げた保阪正康のよる回顧録。
西尾さんもキレキレな論客だったけど、最後の方は寂しい感じだったのですね。
保阪さんには半藤一利さんみたいなポストで、頑張って作家を続けていただきたいです。

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