来年のダート3冠路線を考察する
こちらのnoteでは、来年のダート3冠路線で出番があるであろう注目馬を何頭かピックアップしてお話をさせて頂こうというように思っております。
おおよその部分は無料で公開させて頂きますが、取り上げさせて頂いたクラブ馬についての考察は「不特定多数の方々の閲覧が予想されるだけに」「有料公開」という方式を取らせて頂きます。
また、今後の予想に直結してしまいそうな部分もあるというバックグラウンドも考慮しての公開方式となりますので、ご理解頂ければと思います。
是非ご興味のある方はご覧頂ければと思います。
※考察については主に「馬場適性」からの考察となり、筆者の主観を含むものとなっております。
考察内容についてのクレーム等は一切お受けしませんのでそれらを考慮の上でご覧くださいませ。
(ご質問等はお受けします、ご気軽にどうぞ)
ダート3冠路線とは?
まず、根本的な部分からお話させて頂きます。
ダート3冠とは、ダート路線のレース体系の整備をおこなうべく「地方競馬が主体となって2024年度から創設された」新たなレース体系であります。
・1冠目 : 羽田盃(大井1800m)
優先出走権獲得条件
ブルーバードカップの優勝馬
雲取賞&京浜盃
→中央馬5着以内の上位2頭&地方所属馬上位2頭
スターバーストカップ(準重賞)の優勝馬
クラシックトライアルの優勝馬
・2冠目 : 東京ダービー(大井2000m)
優先出走権獲得条件
羽田盃
→5着以内の中央所属馬上位3頭&上位3頭の地方馬
ユニコーンステークス
→2着以内の中央所属馬&地方所属馬各々1頭
クラウンカップ優勝馬
東京湾カップ優勝馬
・3冠目 : ジャパンダートクラシック
(大井2000m)
優先出走権獲得条件
不来方賞の優勝馬
レパードステークスの優勝馬
黒潮盃の1、2着馬
初年度となった2024年度の結果を振り返ると
・1冠目 : 羽田盃 (4/24 大井1800m)
1着:4、アマンテビアンコ (1人気)
2着:1、アンモシエラ (4人気)
3着:5、フロインフォッサル (8人気)
アマンテビアンコ→前走 : 雲取賞2着
アンモシエラ→前走 : 京浜盃2着
フロインフォッサル→前走 : 雲取賞5着
・2冠目 : 東京ダービー (6/5 大井2000m)
1着: 14、ラムジェット (1人気)
2着: 10、サトノエピック (2人気)
3着: 7、アンモシエラ (3人気)
ラムジェット→前走 : ユニコーンステークス1着
サトノエピック→前走 : ユニコーンステークス2着
アンモシエラ→前走 : 羽田盃2着
・3冠目 : ジャパンダートクラシック
(10/2 大井2000m)
1着: 1、フォーエバーヤング (1人気)
2着: 10、ミッキーファイト (3人気)
3着: 12、サンライズジパング (4人気)
フォーエバーヤング
→前走 : ケンタッキーダービー 3着
ミッキーファイト
→前走 : レパードステークス 1着
サンライズジパング
→前走 : 不来方賞 1着
2024年度の結果を振り返ると、3冠が進むに連れてメンバーレベルがどんどんとUPしているのが特徴で基本的にはJRA所属馬の台頭が目立ちます。
よって、レースの予想に入る上ではまず「中央馬」の適性把握を適切に行うことが必要となります。今回は「10頭」ピックアップしてみました。
なお、ダート3冠に向けての「現時点」での評価を「★5段階」で表現しています。※ 最後に記載済。
ナチュラルライズ
新馬戦の札幌1700m戦でマークした1:45:7という時計は、ユニコーンステークス勝ちの実績のあるオープン馬のペリエールが2022年8月27日の新馬戦でマークした時計と同タイムの勝ち時計です。後続に1.0秒という着差が付くのも当然です。競馬内容としては、前半は前にしっかりと馬を置いて、まともにキックバックを受ける形でも顕著に嫌がるような面もなく、行儀の良い競馬でした。少し頭を上げるシーンもありましたが、新馬戦ということを踏まえると十分に許容範囲内です。3コーナー過ぎから内の空いたスペースを突いて2番手まで上がると、そこからは上手く外に切り返して逃げたベルベルコンパスを交わしきりました。その負かしたベルベルコンパスは、次走の未勝利戦を後続で5馬身差を付けて快勝しているように、ナチュラルライズの新馬戦のメンバーレベルの高さを感じられます。その中でデビュー戦とは思えぬような好センスのレース運びを見せたのは今後の活躍を期待せざるを得ない内容でした。続くローテーションとしては、10月14日のプラタナス賞を予定されていましたが、右前肢フレグモーネで直前で回避することになってしまいました。幸いにも経度であったことから、4ヶ月という短期間で戦線復帰。休み明けで状態上昇途上での出走となった2走前のカトレア賞は「初の軽いダート」、「初の左回り」、「初の芝スタート」と未知数な部分が多かったことから、戦前には懐疑的に見ていたのですが、全てクリアして快勝しました。ただ、左回りに替わったことで直線では右に逃げる素振りがあったことは前走の全日本2歳優駿出走においての不安材料でありました。その全日本2歳優駿では、陣営はチークピーシーズを装着することで修正しさせようと試みましたが、左回り2走目「慣れ」も現れずにミリアットラヴから0.5秒差の5着と敗れてしまいます。メンバーレベルを考えてもこれはかなりショックな敗戦でした。また、ゲート周りに危うさを見せたのも今後においての新たな課題点となりました。ただ、前走時の懸念材料として川崎の重いダートをこなせるのかどうかを挙げていましたが、その点についてはクリアしたと見て良さそうです。これは、他地方重賞未出走馬相手で見るとアドバンテージとなります。前走で見限られがちに思いますが、右回りに替わる3冠路線では巻き返しを期待したくなる馬です。
総評
課題点としてはゲート周りの対応と折り合い面。
前走の敗因で凄く力が劣っているように見えがちではありますが、右回りに戻る3冠路線では意外と弱点としては少ない馬です。ただ、「弱点が致命的敗因になり得る馬」である印象は否めません。フィジカル面での成長よりも気性面の成長に期待したく、ここから陣営がどう立て直すかに注目。
5段階評価 : ★★★★ (現時点)
ナルカミ
まだ新馬戦の1戦のみですが、その新馬戦のパフォーマンスが時計面、ビジョン面から見ても破格のものでありました。まず、5ハロン通過62.6秒というのは新馬戦としてはそこそこ流れており、そのペースを作り出したのが勝ち馬のナルカミ。レース後の坂井瑠星騎手が「この馬のペースで運んで…」とのコメントを出していたように、ナチュラルスピードの違いからハナに立つような競馬となり、終いまでしっかりと伸ばしての圧勝で新馬勝ち。走破時計の1:51:2という時計は「破格」の数字ですが、上がりの36.3秒という数字はさらにインパクトがあるものであります。間違いなく新馬戦のパフォーマンスは「今年No.1」のものであったと断言して良いでしょう。同日&同条件で行われた3歳以上1勝クラス戦での、勝ち馬ルシュヴァルドールの走破時計1:51:6、上がり37.3秒と比較してみても、どちらにおいてもナルカミの方が時計面では上です。このことから如何にナルカミのパフォーマンスが優れていたかが分かるでしょう。当然ながらダート3冠路線を意識したくなる器の馬であることは間違いありません。ただ、それと同時に「未知数なことも多い」だけにこなすべき壁も多数であります。その筆頭としては、地方の重いダートに対しての対応力です。京都の軽いダートを舞台に、これだけの時計をマークする馬ですから間違いなく軽いダートの適性は高いと思えるだけに、地方の重いダートへの対応は大きな課題となります。この点については、年始の中京戦に出てくるようですので、そこで真価が問われるかなと現時点では思っております。次に、控える形への対応、キックバックの我慢がどれほど効くのかという点です。ナチュラルスピードの違いからハナを切るような競馬になりましたが、これほどの上がりでまとめてしまったように本質的には1列引いての競馬が今後のレースパターンとなると推測しています。そのことにより、新馬戦では経験出来なかった「馬群に揉まれる形」や「キックバックを受ける形」でどのような素行になるのかは、今後必ずチェックすべきポイントであります。これらの2点をクリアする、むしろ重いダート替わりを味方にするようであればそれこそ「世界が見えてくる馬」と思います。年始の中京1勝クラス戦でのパフォーマンスをチェックしましょう。
総評
初戦が京都の「軽いダート」での好パフォーマンスであることから、地方の「重いダート」でどのようにまとめるかが1つポイントとなりそうです。年始に中京の1勝クラス戦に出走するようなので、砂質は異なりますが「重いダート」に舞台が替わることで、どのようなパフォーマンスレベルにどのような変化が起こるかに注目してみましょう。また、控える形による「揉まれる競馬」、「キックバックを受ける形での競馬」でどのような挙動を見せるかも3冠に向けてのポイントとなります。
5段階評価 : ★★★★★ (現時点)
シンビリーブ
キャリア2戦ながら既に「海外遠征の経験がある」本馬であります。新馬戦は新潟の1800m戦で、メンバーレベルとしては、レイナデアルシーラやクラリネットソナタといった「評判馬」が揃った1戦であったことからまずまずでありました。そこでシンビリーブは力の違いを見せての5馬身差の圧勝とこちらも注目したくなるようなパフォーマンスを披露しました。レース内容としては、内枠からマカニがかなり主張してくるような競馬となり、5ハロン通過は62.0秒とこの時期の新馬戦を考えるとかなりのハイペースでレースが推移しました。よって、勝ったシンビリーブの上がりも39.0秒とそこまで目立つものではありませんでしたが、好位の2番手追走と「展開苦」になりながらも、展開が向いた2着以下の上位入線馬を子供扱いしたレース内容は高く評価したくなるものでありました。2着馬のダカラフェスティヴこそ勝ち上がりが未だに叶っていませんが、3着のクラリネットソナタ、4着のチムニートップス、5着のレイナデアルシーラの3頭が既に勝利を挙げるなど「優秀な新馬戦」であったことは間違いありません。特に、チムニートップスは今回のnoteでも取り上げるか悩んだレベルの馬でありました。そんな好パフォーマンスを披露した新馬戦の後の2戦目は、矢作厩舎らしくBCジュベナイルを選択。僅かキャリア1戦のみの2歳馬を海外遠征させる矢作先生の判断もなかなかだったとは思いますが、シンビリーブ自身はゲートからあまり進みが良くなく最下位の10着に敗れてしまいました。レース全体としては、1番人気に支持されていたブリーダーズフューチュリティ勝ち馬のイーストアベニューがスタートで躓いて出遅れるなど「波乱の幕開け」となり、ハナを切ったシチズンブルが2番手のゲーミングらを引きつけながらの絶妙な逃げを打ち、そのまま逃げ切り勝ちを決めました。2番手のゲーミングが2着を確保したように「前残り」の競馬になってしまったことからシンビリーブとしては厳しいレース展開となってしまいました。ただ、レース後の武豊騎手も「見せ場はあった」とコメントしていたように外から上がって行く構えを見せられたことは、この馬の能力の高さからでしょう。遠征競馬ということもありましたから、この馬も国内に戻っての巻き返しには期待したくなります。新馬戦では「重いダート」を経験しているように、3冠に向けて馬場への対応は一定数クリアしそうであることは推測が出来るだけに、あとは「右回りコース」をどのように対応して見せるかでしょう。あまり上がりが速くなっても良くないタイプに見えるだけに、地方の馬場での巻き返しには期待したくなります。また、今月の中旬に帰厩してきたことからも、もしかすると先ほどのナルカミと同レースに出走するのではないかと勝手に思っています。
総評
初戦の新潟の「重いダート」でのパフォーマンスは「展開苦」であったバックグラウンドを考えてもハイレベルのパフォーマンスであったと評価します。2戦目にBCジュベナイルを使ったローテからも矢作先生のこの馬への期待度も高いように思えるだけに、帰国して立て直された効果が出ているようであれば侮れない馬であると見ています。個人的にはあまりダート3冠という話題になってこの馬の名前を見かけないのが不思議で仕方ありません。「右回り」、「地方特有の重いダート」への対応が叶うようならチャンスは大きい馬です。
5段階評価 : ★★★★ (現時点)
メルキオル
デビューから2戦は芝を使われましたが、それぞれ1.5秒間差11着(京都芝1400m)、2.3秒差の5着(新潟芝1400m)と結果が出ない状況が続きました。ただ、ナダル産駒ということもあり、ダートに転向した3戦目でパフォーマンスレベルが一変。中京1800mの舞台で走破時計1:53:4、上がり36.6秒ともに優秀な数字ですし、これは文句無くダート替わりがプラスに働いたと判断が出来ます。2戦目には東京1600mのプラタナス賞を選択。戦前の注目点としては、ナチュラルライズVSメルキオルという2頭の戦いではありましたが、ナチュラルライズが出走取消になってしまったことにより、単勝1.4倍とメルキオルが圧倒的な支持を集められる形になりました。レースとしては、3ハロン36.6秒とかなりのスローペースをハナを切る形から作り出し、ヨーイドンの瞬発力勝負で上がり35.8秒もの決め手を使い、後続に0.8秒差、着差にすると5馬身差と圧巻のパフォーマンスを披露して連勝を決めました。この2戦からビジョンとしてのインパクトはこの世代でトップレベルのものがあるでしょう。ただ、このダートでの2戦とも「ハナを切る形での競馬しかしていない」ことから控える形への対応は大きなポイントとなってくるでしょう。新馬戦、2戦目は芝の条件下であったものの、ハナを切らない形での競馬で全く競馬が出せなかったところを見ても、控える形に対応出来ないのではと少し懐疑的な目で現時点では見ていますが…。また、このダートでの2戦で中京の「重いダート」東京の「軽いダート」共に一定数の対応を見せたのは高く評価することが出来ます。勿論、どちらの条件下がメルキオルにとってベストなのかは、これから探っていく必要性がありますが、個人的にはこの2戦の内容で評価しているのはダート転向初戦の「未勝利戦」の内容の方であるので、「重いダート」の方に高い適性があるのではと見ています。よって、この目論見が正しいのであれば、ダート3冠に向けての有力候補になるのは間違いないでしょう。しかし、この馬は先ほど紹介したクァンタムウェーブと松永幹夫厩舎で同厩舎なだけに使い分けという可能性が出てきてしまうのは気になります。実際に、メルキオルの次走予定はジュニアカップと、松永調教師はクァンタムウェーブの方をダート3冠に送り込もうとしていることからも少し評価としては一歩引いた評価とはなってしまいます。ただ、素質は高い馬ではあります。
総評
「重いダート」の中京コースでのパフォーマンスが秀逸だったことから、「地方の重いダート」への対応力を見せそうという推測が可能で、順調に進められるのであれば間違いなく楽しみな1頭ではあります。ただ、同厩舎にクァンタムウェーブという素質馬が居ることが運の尽きでしょうか。使い分けでこちらが芝マイルのジュニアカップを次走で使われる予定になっています。また、今後は控える形でどのような競馬をするのかには注目していきたいところです。ただし、ダート3冠に向けてどうかという点では少し1枚落ちてしまいます。
5段階評価 : ★★★
ここからがクラブ馬ゾーンとなります。
取り上げさせて頂いた馬たちは以下となります。
・ジャナドリア(サンデー 2246字)
・クァンタムウェーブ(キャロット 1170文字)
・ロードラビリンス(ロード 1274文字)
・クレーキング(シルク 1297文字)
・グランドプラージュ(G1 1053文字)
・カナルビーグル(キャロット 1170文字)
まとめ(現時点の3冠ロードの序列 1148文字)
クラブ名の横にある数字が以下の部分で記載させて頂いている私の見解の「文字数」となります。
ご利用の際はこれら全てに同意の上で宜しくお願い致します。これら各馬全て期待馬となります。
ではこの名前を挙げた順番に触れていきます。
(特にこれら順番に関して意図はありません)
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