DXあんとれ 備忘録 No.4
<過去分>
⑩アントレプレナーシップ
「変わっていくことは変わらないことよりもリスクは小さい」
事業において基本的に「変わらない事」はありません。更に現代において変わるスピードはどんどん加速しています。
企業が変わるという事を具体的に挙げれば、コア事業(主な収益源となる事業)がいつまでもコア事業でいられるわけでないということ。次のコア事業を育てないと企業は衰退し死んでしまいます。
そうなったら、変わる事を前提として業務に取り組む必要があります。つまり、現事業が好調なうちに新事業を育てていくということです。
そうやって企業が変革を起こすために必要な考え方が「アントレプレナーシップ(企業家精神・起業家精神)」です。
企業にとって必要なものであるということは、経営者特有の考えではなく我々会社員にも必要な考えなんです。
⑪選択と集中
「将来的に伸びる事業に投資し、伸びない事業には投資しない」
これがいわゆる間違った選択と集中。
どう間違えているかと言えば、「将来伸びる事業が何かわからない」という考えが抜けているという点。
「わからないのならば選択なんてできないじゃないか」と思うかもしれませんが、間違っているのは選択する行為ではなく選択する時期。何もしない段階ではわからないかもしれないけど、事業に着手して時間が立てばだんだんわかってくる。
だめだこりゃな事業、もうちょっと様子を見たい事業、これはいけるんじゃないという事業等、ある程度見えてきた段階で選択しリソースを集中させるのが本来の趣旨です。
その選択の前提として「可能性のある事業は可能な限り全部やるほうがいい」ということ。ここで生きてくるのがアジャイル的手法、全部をがっつりやるのは人も時間も資金もリソースが足りない、だから小さくやることが重要。
選択と集中という概念は何となく知っていましたが、正しく実行するためにどうすればいいのかという点までは理解しておらず、というよりも「知っている」段階で止まっていました。
ここでアジャイルが出てくるのでアジャイルを理解していないと選択と集中も正しく実行できないということですね。
⑫イノベーション
技術革新的なイメージで語られがちですが、もはや技術的に新しいだけではイノベーションは起こらない社会になっております。
いくら技術的に新しくてもそれが社会全体にとって有益でなければイノベーションは起きません。
逆に技術的には以前からあったとしても新しい活用法を見つけることによってイノベーションを起こすことも可能なのです。
その状況の中で、イノベーションを起こすためには技術者以外の立場も重要になってきております。
技術的に何が作れるのか?からではなく、社会的に何が有益なのか必要なのか?から考えていく事も必要です。(プロダクトアウトとマーケットインの考え方に似ています)
我々がイノベーションを起こすときに大事なものは何なのか。まず先入観を捨てることです。
ロジカルシンキングやEBPMを起点としては、イノベーションを起こせません。むしろ阻害する要因とも言えます。先入観を捨てた自由な発想の先にこそイノベーションがあります。
ロジカルシンキングが必要になるのはその後、ただの自由な発想だけでは形にすることは難しいので、それ対する検証手段としてロジカルシンキングが必要となってきます。
⑬ティール組織
組織の在り方は5つに分類できます。どれが優れているというものではなく、状況次第でどの組織がやりやすいかという分類です。
ティール組織…最もフラットな集団。プロフェッショナル集団。
グリーン組織…フラットな集団、フラットな中で一応トップはいる
オレンジ組織…個も重視する集団。外資系企業。
アンバー組織…厳格な上意下達集団。軍隊、銀行もたぶんここ。
レッド組織 …個の集団、トップの力(能力)で支配。
どれが優れているというものではないといいつつも、ティール組織は自由度が高く、変化の激しい変革の時代においては一番動きやすいということです。
ただプロフェッショナルでない集団がティール組織を目指すと烏合の衆になります。
プロフェッショナルとは組織の目標達成の為に自分が何の役割であるべきか、何をやるべきかを理解しています。全員がプロフェッショナルならケースバイケースで自分がどう動くべきかを判断します。
ティール組織の一例であるオルフェウス管弦楽団の原則
1.その仕事をしている人に権限を持たせる
2.製品品質に自己責任を負わせる
3.役割を明確にする
4.平等なチームワークを育てる
5.リーダーシップを固定させない
6.話の聞き方、話し方を学ぶ
7.職務へのひたむきな献身
全ての組織が目指せるものではないのでしょうが、個人としてはティール型の組織に属せるだけのプロフェッショナル性を目指す事は必要でしょう。
⑭マーケティング
「どれだけ良いものを作っても使われない機能はただのゴミ」
「むしろ時間とお金をかけただけマイナス」
キツイ言葉でしょうがそれが真実。実際に使ってもらって初めて次に進むことができます。その良いものを届ける手段の一つがマーケティング。
勘違いしてはいけない部分が、商品を売る為・認知させる為のテクニックという訳ではないということです。短期的にはテクニック的な方法をとって実績を上げることもできますが、長期的に見れば必ず顧客を失う事となりマイナスでしかないです。
Don’t be evil ~邪悪になるな~
わざわざ、こう書くのは悪意をもってマーケティングを行えば顧客の行動をコントロールすることもできるから。
ただ、綺麗ごとを掲げそれを愚直に実行していくことが信頼を生む。そしてそれが一番長期的な収益につながるのです。
⑮仕事ができるということ
「仕事ができる」とはどういうことか?
顧客の思う「こういうのあったら良いよね」をぱっと提供できる人。つまり顧客のニーズに応える事ができるということ。
顧客のニーズに応えるためには何が必要か?
「抽象的なニーズ」を「具体的なタスク」へと分解できる能力。
分解できる能力 = 思考能力
「頑張っているのに成果が出ない人」
「誰もさぼってないのに成果が出ない組織」
多分それ思考停止しています。
まるで溺れている人のようです。
必死に手足を動かしているのに体は水に沈んでいく。
「このままじゃ溺れる」と思ってよりいっそう手足を動かしても逆効果。
そんな時は泳ごうとせずに、まず落ち着いて水に浮かぼうとすること。
仕事に溺れているときに必死に作業を進めようとしても進みません。必要なのは作業ではなく思考。作業を止めて考えましょう。
考えるという言葉もまだ抽象的なので、言い換えると「目の前の事象を分解しましょう」。
概念的な話になってきましたが、仕事ができる人はいつも目の前の事象を細かなタスクに分解しています。
だから、できる人の指示は簡潔で明確なのです。
凡人との違いはその分解力。そこを意識し実践するだけでも彼らに近づける気がします。
さあ、みなさん「考えて仕事する」を改め、「分解して仕事」をしましょう。