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親友の彼氏を好きになれない_3

音信不通だったRから、Instagramでメッセージが届きました。

メッセージの内容はこんな感じでした。

・LINEから男を消せと言われて削除した。男が加入しているグループも退会している。
・連絡先を残したいと言ったところ、家から追い出され、荷物を玄関から投げ出された。
・抜き打ちでLINEをチェックされており、SNSでしか連絡が取れない。
・暴言もひどく、文字にするのも憚られるほどのことを言われている。
・このメッセージも見られると相当やばいので、後で消去する。
・喧嘩していないときはとてもやさしい。

Rの彼氏は典型的なモラハラ彼氏だったのです。もともと幸の薄い顔をしているRですが、ここまでくると心配になってきます。とはいえ僕から何かできることもなく、身の危険を感じたら近くの家族に相談するように、とだけ伝え、メッセージを終えたのでした。


そこから3か月ほど経ったころ、またRからメッセージが届きました。今度、東京出張があるから飲みに行こう、というお誘いでした。恐る恐る、彼氏はどうなったのか尋ねると、ちゃんと別れたから大丈夫と。続けて、別れるまでのエピソードを聞かせてやるから覚悟しておけと。

そうしてつい先日、約2年ぶりにRと会ってきました。創作天ぷらが楽しめるおしゃれな居酒屋で、元カレとの泥沼エピソードを披露してくれました。あまりにも悲惨すぎるというか、おぞましすぎて、隣で飲んでいたカップルは引いていたと思います。最終的には両者の家族まで巻き込んだ大騒動の末、晴れてお付き合いを解消し、Rにとっては久方ぶりの自由な時間を楽しんでいるようです。その体験談をぜひnoteで書いてくれと頼んだのですが、もう思い出すのも嫌だと断られました。

元カレからの罵詈雑言の中で、僕に対しての言葉があったそうです。
「30歳にもなって結婚もせず、大学時代の女友達と連絡を取っているなんて考えられない。一緒に旅行して何もなかったなんてあり得ない、ぜったいそいつはRをエロい目で見ているし、あわよくば男女の関係になろうとしている。そいつと付き合う女の気が知れない。そいつはどうかしている。」と。

人の価値観はそれぞれですから、僕とRの関係をありえないと思うことも仕方ないと思います。言われた言葉に腹は立ちますが、否定もできません。彼と同じ立場になった時、同じ気持ちになるのかもしれません。ただ、ひとつ断言できるのは、僕は人の友達を汚い言葉で罵るようなことはしない、ということです。その点において、僕は彼のことを理解できませんし、一言でいえば嫌いなのです。

この話(パート0)を書き始めたころは、Rと彼がお付き合いをしていた最中だったので、「親友の彼氏が好きになれない」という生半可なタイトルをつけました。今改めてタイトルを付けるとすれば、「親友の元彼氏(モラハラうんこ野郎)が大嫌いです」にすると思います。


思ったより長くなってしまいましたが、この話はこれでおしまいです。面白いオチが用意できず、すみませんでした。僕の文章はシリーズにするとダレる、というのがよく分かりました。修行して出直します。


追伸
Rはまたマッチングアプリを始めました。彼女に幸あれ。

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