マギレコ衣装違いなぎたんの属性変更ってエモいよねって話
以前の記事でなぎたんについて紹介したが、あれはあくまでもなぎたんに対する理解を深めていただくための前置きである。
随分長くなってしまったが、本題について以下に綴っていきたい。
マギレコに登場するすべてのキャラクターにはそれぞれ火・木・水・光・闇・無のいずれかの属性が付与されている。ピカチュウが雷ポケモンとかそういった類のアレである。
上記の属性は、基本的に衣装違いでもノーマル衣装と同じ属性で実装されるのだが、一部例外がある。
その例外に当たる属性変更がめちゃめちゃエモい魔法少女の筆頭としてなぎたんこと和泉十七夜(いずみかなぎ)を挙げたい、というのが今回の記事の趣旨である。
何がエモいのか。
それを述べる前に、属性についてもう少し説明を加えさせていただきたい。
属性別の魔法少女の傾向としては、以下のように整理できる。(※個人の主観による)
光→理想主義。守られるより守りたい派。
水→ちょっと拗らせちゃってる系。拗らせてるだけで闇堕ちまではしていない。
木→性格的な特徴の傾向がない属性。(しかしマミさんとアリナという二大巨頭のおかげでヤベー奴揃いと認識しがち。)
火→面倒見の良い頼れるお姉さん枠。あれこれ悩むより行動して解決する派。脳筋とも言う。
闇→「闇」の解釈はいくつかあるが、その中のいずれか1つに合致すれば闇属性を割り振られているように感じる。
無→基本的にはマギレコ内で「調整屋」と呼ばれる非戦闘員や人外となった魔法少女の属性である。
例としてまどマギキャラに付与された属性を挙げると、まどか→光、さやか→水、マミさん→木、杏子→火、ほむら→闇と「あーなんかわかるわー」的な納得感のある割り振りがなされている。
上記の属性ごとの傾向を踏まえてなぎたんに目を向けてみたい。
なぎたんのノーマル衣装は光属性で実装されている。
東と西が手を取り合い、平和で平等な神浜になることを望みつつ、東の統轄管理者として力不足の魔法少女を守り助け、後輩の魔法少女からの相談にも積極的に応じる。
貧しい家計を自らのバイト代で支えながらも文句一つ言うことなく、魔女化の運命を知った際も「自分が望んで手に入れたものの対価だから」と潔く受け入れる。
自分を律し、高潔で強く美しい、まさに光属性を体現した魔法少女といえる。
そう、表面的には。
前の記事を読んでくださった方は思い出していただけると幸いだが、「神浜市の東と西が手を取り合う」ためになぎたんが採ろうとしている手段は、彼女自身が神浜市に住む人々の共通の敵として立ちはだかり、物理的に破壊し尽くすことである。
崇高に見える目的のためだったとしても、まして自己犠牲を前提としていたとしても、行為と結果のみに焦点を当てれば「ワルプルギスの夜」と何ら違いはない。
また、なぎたんのことを「かっこいい人だね」と評する魔法少女は少なくなかったが、心の底から慕ってくれる少女は実は少ない。
理由は彼女の高潔さと、感情よりも論理を重視する姿勢にある。なぎたんは自らを厳しく律する傾向にあるが、それを無自覚に他の魔法少女にも求めている。
例えば、魔女化の真実を知り、マギウス(魔女化の運命からの解放を謳う組織)への加入を決めた旧知の魔法少女に対して、「魔女化の事実を知らなかったとしても、魔法少女になりその運命を受け入れると決めたのは他ならぬ君自身のはずだ」とか「“その運命を都合が悪いから放棄したい”とは考えが甘すぎるのではないか」とか「手段も真の目的も分からない相手の夢物語に乗せられるなど情けないぞ!」等のド正論をぶつけてしまうのである。
最初に「君は何か悩んでいるのか?自分では君の助けにはなれないのか?」と寄り添う素振りを見せておいてのこの流れは、大切な仲間に道を誤って欲しくない彼女なりの「優しさ」なのだが、多感な中高生の魔法少女がその苦言を受け入れるはずもなく、孤立していく。
現実でも見かけるだろう、優秀だが弱者に寄り添えないために煙たがられてしまうリーダーを。
なぎたんはまさに「優秀なのに人望のないリーダー」そのものだといえる。
そして、悲しいことに彼女は後輩の魔法少女に寄り添いたいと強く思いながらも、自身が他人の心の機微に疎いためそれが叶わないことを理解してしまっている。
さらに言えば、少ないながらもそんな不器用な彼女の優しさを理解して慕ってくれる後輩魔法少女がいることすら気付いていないのだ、他人の心の機微に疎いが故に。
強く美しく、自らを厳しく律しながら後輩の魔法少女を守り助けるリーダーである<光>の面と、目的を達成するためなら自ら壊滅させることも厭わない危うさや、気休めでも自分の本心ではないことを言えない生真面目さ・不器用さから後輩魔法少女の心を救えていないと思い込み、悩み苦しむ<闇>の面を併せ持つ少女がなぎたんの真の姿だと言える。
そう、なぎたんの衣装違いはこれまでに2体実装されているが、両方とも闇属性なのである。
そしてメインストーリーやイベントストーリーを読むかぎり、なぎたんの真の属性はノーマル衣装の光属性ではなく、闇属性だと考えざるを得ない。
ここまで闇堕ち寸前ならば魔女化しても不思議ではない(まあ神浜市はドッペルシステムがあるので魔女化しないのだが)が、まどマギの杏子が、杏子を残して一家心中した家族を目の当たりにしても魔女化しなかったように、強い意思で自らを保っていたのだと思われる。
自覚的か無自覚的かは不明だけど、わずか17歳の少女が溢れんばかりの<闇>を内包しながらも、東のリーダーとして「あらねばならない<光>の姿」でコーティングしていたと考えるとめちゃくちゃエモくないですか?
もっと言えば、感情を制御できず、本来の<闇>に囚われた姿になっても<無属性>にならなかったところがなぎたんの鋼のメンタルが表現されていて非常に尊いのですよ(ノーマルが木属性なのに、「キモチ(魔女ではないけど、まあそんなものだと理解してください)」に精神乗っ取られて衣装違いが無属性で実装された娘がいましてね、ラビさんっていうんですけど)。
マギレコのゲーム的な話をすると、闇属性のなぎたんは2体とも割とピーキーな性能で実装されている。
1体目の「吸血鬼なぎたん」は回避&回復で高難度ミッションで活躍してくれたし、「常闇なぎたん」は単騎運用で、面倒なミララン(相手オートの対人戦)をストレスなくサクッと消化するのに欠かせない(ただしスコアは見込めない)。
欲を言えば、「常闇なぎたん」は3ターン目とかで体力全回復してくれるとよかったなあ、、。
(注:常闇なぎたんは、所持スキルで自分の体力を削って瀕死状態にする代わりに相手を一撃必殺可能な攻撃力を手に入れる)
「いやいや、その攻撃力に加えて体力全回復とかぶっ壊れじゃん」とか言うあなた。
いいんです!推しはぶっ壊れでいいんです!!!
推しは人権性能で実装されるべき。
私からは以上です。
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