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「稼ぐ力」の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会 - 第4回会議(12/19)の議論ポイント
第4回会議の議題
本日の日経新聞の1面にMBOの際のルール厳守の記事がありました。MBOするにしても容易ではないということですね。この点も後日、noteで記事を書きたいと思います。
さて、本日はコーポレートガバナンス研究会の第4回会議のポイントについてご紹介をいたします。第4回会議が昨年12月19日に開催されています。既に会議資料などをご覧になっている方も多いかも知れませんが、以下が事務局資料になります。例によって議事録は次回の第5回会議で公表されるのだと思います。
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/earning_power/pdf/004_03_00.pdf
今回の会議の議題は以下になります。
■コーポレートガバナンス(CG)の取組について
(1) CEO ・経営陣の自発的なCGの取組の促進
(2) 自社に最適なCGの実現に向けた支援
➀ CG の取組の進め方
②「稼ぐ力」を強化する上で、特に重要となるCG体制・仕組み
③ 自社におけるCG の在り方の検討ポイント
■会社法改正
コーポレートガバナンスの取り組みについて事務局資料に色々と記載されていますが、一言でいいますと、日本企業のコーポレートガバナンスが形式的な取組みに終わっている企業が多く、自社に最適なコーポレートガバナンスの実現に向け、コーポレートガバナンスの在り方を企業自ら議論し、取締役会とCEO・経営陣の役割分担を明確化した上で、 それぞれの役割に応じた実効的なCG体制・仕組みを構築することを目指すということのようです。
このあたりは事務局資料のP17に次の記載があります。
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会社法改正の方向性
これまでの会議でも議論されてきました会社法改正ですが、ポイントが事務局資料に次のとおり整理されています。全体が整理されており、分かりやすいと思います。
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個人的には実質株主の情報開示制度、株主提案権、機関設計制度あたりが興味がありますが、このあたりも事務局資料に簡潔に整理されています。
実質株主の情報開示制度
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実質株主とは株主名簿には記載されませんが、議決権行使の指図権を有する株主のことをいいます。
現状は会社が実質株主を判明することは難しく、多くの企業は年2回(3月末、9月末)に外部業者を起用して実質株主判明調査をしているところかと思います。それが、会社が名義株主などに対して問い合わせをした場合には回答を義務付ける制度に向かうようですね。
これが出来るようになると実質株主判明調査を行う業者の商売に影響ありそうです。もっとも海外の実質株主判明は難しいので、この分野で業者の存在は引き続き必要な気はします。けど、海外の実質株主判明は海外の業者に再委託していることも多く、ここの精度を高めることは結構難しいところではあります。
株主提案制度
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株主提案制度は、現状は300個以上の議決権を有する株主であれば行使できます。1議決権100株の場合、30,000株を保有していれば提案が可能ということなります。例えば株価が300円の会社であれば900万円です。個人で1銘柄900万円を投じる方もいると思いますし、また株主提案は共同提案も可能ですので、日本では株主提案はしやすい状況かと思います。これが濫用的提案にも繋がっているとの批判もあり、議決権300個は廃止するような方向で議論がされているところです。
機関設計制度
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指名委員会等設置会社において、指名・報酬委員会の決定について最終権限を取締役会に帰属させるか否かが問題となっていますが、この点は意見が分かれているようですね。現状、指名・報酬委員会の決定を取締役会は覆せませんが、社外取の数が増加した現状においても、このような権限のままにしておいてよいかどうかということです。
以上、簡単ではありますが第4回会議のポイント解説になります。詳細は事務局資料をお読み頂ければと思います。