クシュタール社のセブン&アイHDへの買収提案 - セブン&アイがMBOも検討。MBOは買収提案への対抗策になります
セブン&アイがMBOも検討
本日の報道でセブン&アイが創業家と伊藤忠商事が出資し総額9兆円規模のMBO(マネジメント・バイ・アウト)を検討しているということでしたが、次のとおりセブン&アイがプレスリリースを公表しました。
https://www.7andi.com/library/dbps_data/_material_/localhost/ja/release_pdf/2024_1113_ir01.pdf
特別委員会が副社長の伊藤順朗氏と伊藤氏が関係する会社の伊藤興業株式会社から買収に関する法的拘束力のない非公表の提案を受領しているようですね。提案を受けており、是非について検討しているということです。現時点ではMBOを受け入れるという結論には至っていないですね。外部公表ベースでは。
仮に報道のとおりとした場合、クシュタール社がセブン&アイに同意がないま買収(同意なき買収)に踏み切った場合の対抗策としてMBOで株式を非上場化するということですかね。非上場化によりセブン&アイの株式は市場で買えないわけですので、MBOを受け入れるとクシュタール社の買収の防衛策にもなりうるということだと思います。
報道によれば9兆円規模のMBOということで、クシュタール社の7兆円規模の買収額を上回るようです。MBOの場合にも創業家サイドはTOBを実施することになるわけですので、シンプルに考えるとMBOに応じる株主は多くなる気がします。
今後、セブン&アイの特別委員会は検討が済んだ段階で公表すると思いますので、また動きがあれば紹介いたします。
(ご参考)MBOの際の視点【過去記事】
少し前にMBOの際の留意事項、特に個人投資家はどう見ればよいかを記事に書いております。報道される今回のMBO価格を前提に考えた場合、セブン&アイのケースでは関係はないと思いますが、MBOとなった場合の視点の初歩的なことを記載していますので、再掲いたします。記事のタイトルは以下です。
◆MOBにおけるTOB価格の見方 ー 株価算定が複数の手法でなされているか個人投資家の方は確認しましょう
◆MBO(マネジメント・バイ・アウト)のポイントは? ー 個人投資家が見るべき事項
ご関心のある個人投資家の方は、ご覧頂ければと思います。