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東証「株主の議決権行使に係る環境整備に関する2023年6月総会の状況及び今後の動向について」のポイント ー ここだけは押さえましょう!

株主の議決権行使に係る環境整備に関する2023年6月総会の状況及び今後の動向について

明日は休日です。休日はウォーキングをするようにしているのですが、明日は世田谷にある等々力渓谷公園まで足を運ぼうかと考えています。片道1時間少しかかるため遠いのですが、天気が良ければチャレンジする予定です。

さて、11月22日に東証が上場企業会社に「株主の議決権行使に係る環境整備に関する2023年6月総会の状況及び今後の動向について」を通知しております。

招集通知の早期開示、株主宛発送書類の状況、英文招集通知(本文及び株主総会参考書類のみ)の提供、英文招集通知(事業報告及び計算書類を含む全て)の提供、個人投資家向け電子投票の利用などの企業へのアンケートの集計結果を纏めたものになります。
内容はいずれも驚くようなことではないのですが、来年の株主総会に向けて個人投資家の方にも有用と思われる点のみをいくつかピックアップしたいと思います。

ポイント ① ー 招集通知の早期開示

この点については、次の記載があります。

➢ 招集通知のTDnetによる開示を総会開催日の28日前までに行った会社は、全体 的に微増ながら、24日~27日前までを含めると早期化は着実に進展
➢ 時価総額別にみると、時価総額の大きい会社ほど早期に開示する傾向がみられ、 5,000億円以上の会社では 64.0% 、1,000億円以上5,000億円未満の会社にお いても 39.0% が28日前までに開示

株主としては、株主総会で質問をすることを考えると招集通知の早期発送をして欲しいというところだと思います。株式時価総額の大きさに関係なく、招集通知の早期発送などは会社のやる気の問題ですから、株主総会で早期発送を要請するのは合理的かと思います。

ポイント ② ー 英文招集通知の提供

次の記述になります。

➢ プライム市場において、英文招集通知(事業報告及び計算書類を含む全て)を 提供する会社は 27.3% と増加
➢ 時価総額別にみると、5,000億円以上の会社で 68.2% となる一方、1,000億円 以上5,000億円未満の会社で 28.2% 、250億円以上1,000億円未満の会社で 16.5% と差が大きく、機関投資家の意向も踏まえ、今後の進展を期待

英文開示が不十分ですと海外投資家の目にとまりにくいですね。私も時価総額120億円の某投資先企業に英文開示をしつこく求めています。「外国人株主比率が小さいから英文開示をしない」という会社の姿勢はNGであり、「英文開示をしないから海外機関投資家が株を買ってくれない。ゆえに株価が上昇しないのでは?」という趣旨の質問を株主総会で議長に投げかけることをお勧めします。

ポイント③ ー 有価証券報告書の総会前提出

これは機関投資家の要望が強い話題ですね。けど、現状、かなり少ないです。次の記述です。

➢ 全社のうち、有価証券報告書を株主総会開催日の前営業日までに提出した会社 は 1.5%(33社)、今後の実施を検討している会社をあわせると7.6%(172 社)で昨年の 5.0%(117社)から増加
➢ 株主総会開催日当日及び翌営業日に提出した会社は93.7%(2,125社)

総会前に有報が開示されると株主としては、株主総会の議案の賛否の材料が増えることになり喜ばしいことですが、企業の負担は激増ですね。総会前に開示している企業もわずかにあるようですが、まだまだ少数です。これを企業に求めても、今のところ改善は難しいかも知れませんが、まあ、言い続けることは大事ではあります。

ざっと以上になります。この手の情報をはじめて知ったという方は、一度しっかりと読んで、必要な情報は頭に入れておくと良いかと思います。