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君との未来の作り方。




皆さん、はじめまして
僕の名前は楠本〇〇
高校3年生
関西で生まれ育った僕ですが
父親の転勤により
大都会東京に引っ越し
坂道高校に転校する事になりました。


これは、そんなごく普通の転校生の僕の
ごく普通では無いものがたり




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




〇〇∶行ってきます

母∶気をつけてね

ガチャ



〇〇∶はぁ…ついに転校初日か
   

僕は憂鬱な気持ちで今から数ヶ月間だけの
通学路を歩く

決してコミュ症では無いし
関西で生まれ育っただけのノリの良さは
あると自負しているが、流石に高3途中で転校して
クラスに馴染める自信など無い


今日からの学び舎が見えてきた


〇〇∶まぁ、数ヶ月だけやし
   なんとかなるやろ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



坂道高校 3年2組 教室



ガラガラガラ


先生∶みんな、席につけー
     はい、おはよう
     え〜いきなりだか今日からこのクラスに
     転校生が来ることになりました。
     いいぞ、入れ

ガラガラガラ


先生∶今日から転校してきた楠本〇〇くんだ
     みんな、仲良くしてやってくれ
     じゃあ、楠本くん軽く挨拶を

〇〇∶あ、はい
   楠本〇〇です
   短い間ですが、よろしくお願いします。


パチパチパチ

教室内に拍手が起こる


先生∶楠本くんの席はあそこの空いてる席だ

〇〇∶分かりました

〇〇は空いてる席に向かう

??∶〇〇君、よろしく!!

〇〇の席の右隣の男子生徒が明るく挨拶してくる


??∶俺、坂本健斗
   あだ名はけんちゃんで!!

〇〇∶よ、よろしく

健斗∶👍

〇〇∶(俗に言う陽キャやな)


先生∶じゃあ、一時間目始めるぞ
     教科書33ページから


その後、平均的な学力の〇〇はいつも通り
授業を受け
昼休みを迎えた


キーンコーンカーンコーン


健斗∶〇〇君は昼飯弁当?購買?

〇〇∶え、購買やけど

健斗∶じゃあ、俺が案内してあげるよ

〇〇∶ありがとう


〇〇と健斗は購買へ向かった


??∶やっとお弁当や!お腹空いたわ〜


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


健斗∶どう?そのパン最高でしょ?

〇〇∶たしかに、美味いなぁ

健斗∶購買の焼きそばパンは最強昼飯だからな!

〇〇∶教えてくれて、ありがとう

健斗∶👍


??∶なぁ、もしかして関西出身なん?

〇〇∶え?


〇〇の左隣の女子生徒がいきなり話かけてきた


??∶いや、さっきから関西弁が出てるから
   関西出身なんかな〜と思って

〇〇∶大阪出身やけど

??∶ほんまに!?


その女子生徒は嬉しそうな表情で言葉を続ける


??∶私も関西やねん!私は兵庫なんやけど
   こっち来て初めて関西出身の人に会うたわ!


??∶私、五百城茉央!
   よろしくな!

〇〇∶うん、よろしく

茉央∶そうや!購買のコロッケパンも
   うまいおき!やからオススメやで

〇〇∶うまいおき?

茉央∶あっ/// 今のは忘れてええで

〇〇∶(これは忘れてあげるのがこの子の為だな)

茉央∶あっ!昼休み終わってまう
   急いで食べんと!

〇〇∶(なんか、忙しい子やけど面白いな)




先生∶はい、じゃあみんな気をつけて帰れよ


健斗∶じゃあ、〇〇君また明日!

〇〇∶うん 



茉央∶なぁ、〇〇君
   〇〇君の家どのへんなん?

〇〇∶え?2丁目の方やけど

茉央∶私もそっちやから一緒に帰らへん?

〇〇∶うん、いいよ

茉央∶じゃあ、行こう〜




茉央∶〇〇君は部活とか入らへんの?

〇〇∶流石に今から入るのは変じゃない?

茉央∶確かになぁ〜

〇〇∶五百城さんは部活とかは?

茉央∶中学の時は剣道やっとたけど
   高校は帰宅部エースや


〇〇∶(なんか、普通に帰ってるけど
    冷静に考えたら結構レアな展開な気が)


転校初日にたまたま隣の席の女子
それもめちゃくちゃ可愛い
さらに向こうから誘われて
その状況に気付いた〇〇の心拍数は
急上昇していた


茉央∶ん?どないしたん?
   
〇〇∶え、いや、別に

茉央∶なんやそれ、なんかあったん?


茉央は〇〇の顔を覗き込む


〇〇∶だ、だ、だ、大丈夫

茉央∶大丈夫ちゃうやん(笑)

茉央∶なんか、悩んでるなら
   相談してや

〇〇∶いや、大丈夫やから
   気にしなくて良いよ

茉央∶ふ〜ん
   まぁいいや、でもなんかあったら
   茉央と〇〇君の仲やねんから
   なんでも相談してや

〇〇∶仲って、まだそんな深い関係じゃない気が…

茉央∶まぁ、確かに出会って数時間やけど
   なんか〇〇君とは気が合う気がするんよなぁ
   なんとなくやけどな!!

〇〇∶なんとなく…

茉央∶だから、なんでも相談してや
   茉央が解決したる!!

〇〇∶ありがとう(笑)


〇〇∶あっ、僕こっちだから
   じゃあ、また明日

茉央∶う、うん
   また、明日な




分かれ道で二人は別れる






〇〇∶(緊張した…)



茉央∶(もっと〇〇君の事、知りたいなぁ)







ガチャ

〇〇∶ただいま〜


母∶おかえり、どうだった新しい高校は?

〇〇∶まぁ、普通かな

母∶普通が一番よ(笑)



父∶おぅ!おかえり〇〇
  ニュース見たか?大山残留やで!!
  俺はドラフトの時からこいつは4番やと
  思うとってん!流石大山やで!!



ハイテンションな父をスルーして
二階へと向かう




??∶〇〇おかえり〜


〇〇∶ただいま、姉ちゃん


??∶なんか、機嫌良さそうやな?

〇〇∶え?

??∶なんか、ニヤニヤしてる

〇〇∶そんな事無いって

??∶隠しても姉ちゃんには分かるで〜

姉の遥香、誰もが認める美貌だが
アニメオタクでプラモデルを作り
可愛い女の子が大好き
自称(中身はオジサン)


遥香∶もしかして、転校した高校の
   マドンナと運命的な出会いをして
   良い感じになるも、学校一のイケメンに
   その子を取られそうになり
   諦めそうになるが、親友の言葉に
   目を覚まし、その子に告白して
   めでたく結ばれる
   みたいな事があったの?

〇〇∶長い…

遥香∶でも、そのぐらい良い事あった顔してるで

〇〇∶初日でそんな展開ありへんて

遥香∶なーんだ、違うのか
   つまらないな…

〇〇∶つまんなくて、すいませんね



〇〇∶(まだ、プロローグって感じだよ)


遥香の妄想癖に呆れながらも
淡い期待を覚える〇〇だった





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー









健斗∶〇〇君、おはよう!

〇〇∶おはよう、坂本君

健斗∶もう!いつまで坂本って呼ぶ気? 
   けんちゃんで良いって!
   転校してきて一週間経つんだから

〇〇∶分かった、じゃあけんちゃんで

健斗∶👍



茉央∶おっぱよ〜


〇〇∶おはよう


健斗∶茉央ちゃんおはよう!!


茉央∶はぁ…1時間目数学やから嫌やわ〜


〇〇∶え?今日数学あったけ?


健斗∶あるよ


〇〇∶けんちゃん、まじ?


健斗∶うん(笑)


〇〇∶数学の教科書無い…


茉央∶おっちょこちょいやな〜
   

健斗∶仕方ないから教科書見せてあげるよ 
   机くっつけよ







茉央∶ちょっと待てい!
   

〇〇∶?


茉央∶しゃーないから、茉央が見せてあげても
   ええよ?

〇〇∶でも、けんちゃんが…

茉央∶人の善意は受け取るもんやで!

健斗∶茉央ちゃんに見せてもらって(笑)

〇〇∶う、うん

茉央∶じゃあ、机くっつけるで  



〇〇と茉央は机をくっつけて授業を受ける事に





茉央∶なぁ、〇〇君はこの問題分かる?

〇〇∶なんとなく

茉央∶茉央はさっぱりやわ

〇〇∶(笑)

茉央∶バカにしたでしょ!!

〇〇∶ごめんごめん



先生∶そこ!うるさいぞ!


〇〇茉央∶すいません…




茉央∶〇〇君のせいで怒られたやん


〇〇∶五百城さんの声が大きいから


茉央∶〇〇君の方が



ヴゥゥん

先生の咳払いが響く



〇〇茉央∶…






流石にこれ以上喋れないので
静かに授業を受けていると




カキカキ


茉央がノートに


「質問してもいい?」



カキカキ


「うん、なに?」


カキカキ


「いつから坂本君をけんちゃんって呼んでるん?」


カキカキ


「きょう」


カキカキ


「じゃあ、私も茉央呼びが良い」

カキカキ


「ちょっと難しいかも」


カキカキ


「なんで?」


カキカキ


「恥ずかしい」


カキカキ


「茉央呼びが良い」


カキカキ

「なんで?」


カキカキ

「その方が距離縮まるやん」


カキカキ

「分かった、努力するよ(笑)」


カキカキ


「♡」






〇〇∶(急にハートは可愛すぎるよ///)




先生∶じゃあ、ノート提出してください



〇〇∶え?ヤバっ


茉央∶大丈夫や!消したらええねん!


〇〇∶流石に間に合わんて


茉央∶じゃあ、仕方ない




くしゃくしゃ〜



茉央∶これでバレへんな



その笑顔に〇〇の心拍数は再び急上昇するのだった







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





〇〇が転校して一週間

〇〇と茉央の距離感は少しずつ?近づいていた





茉央∶〇〇君、帰ろう〜

〇〇∶うん


その大きな要因は転校してきてから毎日
一緒に帰っている事が大きいだろう
たまたま家が近い事もあり
もはや習慣化してきている
と言っても〇〇の心情はまだまだ慣れていないみたいだが…




茉央∶なぁ、今日からコンビニで
   新しいスイーツが発売してるらしいから
   帰りに寄らへん?

〇〇∶いいよ


茉央∶じゃあ、行くで〜


??∶茉央〜


茉央∶?

茉央∶あっ奈央!あれ、部活は?

奈央∶今日休みなんだ〜
   ん?その子が例の転校生?

茉央∶うん、楠本〇〇君


〇〇∶え〜と?


茉央∶この子は冨里奈央ちゃん
   私の親友や!



奈央∶冨里奈央だよ〜


〇〇∶楠本〇〇です、よろしくお願いします

奈央∶よろしくね〜

〇〇∶なんか、すごいふわふわしてるね(笑)

奈央∶ふわふわ?奈央はもちもちだよ〜

〇〇∶もちもち?

奈央∶ほっぺがもちもちなんだ〜


奈央∶触ってみる〜?

〇〇∶えっ

奈央∶もちもち〜

〇〇∶遠慮しておくね(笑)

奈央∶分かった〜

茉央∶今日部活無いなら奈央も一緒に帰ろう?
   〇〇君も大丈夫?

〇〇∶もちろん

奈央∶ありがとう〜











〇〇∶へぇ~冨里さんはバトミントン部なんだ

茉央∶結構強いねんで

奈央∶へへへ〜

奈央∶あっ私こっちだから〜
   じゃあね、また明日〜

茉央∶うん、また明日な










茉央∶奈央っておもしろいやろ?

〇〇∶うん(笑)
  

茉央∶茉央がこっち来てから初めて
   友達になった子やねん

〇〇∶大切な友達だね

茉央∶うん!






茉央∶なぁ、あの時どう思った?

〇〇∶え?

茉央∶奈央がほっぺた触る?って聞いてきたとき

〇〇∶どうって…

茉央∶ほんまは、触りたかっんやろ?

〇〇∶いや…

茉央∶正直に言って良いよ

〇〇∶ちょっとは…

茉央∶やっぱり!触りたかったんや


〇〇∶(なんで、怒ってるんやろ?
    全く怖くはないけど…)




茉央∶そんなに触りたかったなら
   茉央のほっぺ触って良いで

〇〇∶はい?

茉央∶茉央のほっぺをむにゅーって
   しても良いで

〇〇∶いや…

茉央∶人の善意は受け取るもんやで!

〇〇∶はい…(善意??)

〇〇∶失礼します




茉央∶ふにゅ


茉央∶じょお?

〇〇∶もちもちです


〇〇は茉央のほっぺから手を離す



〇〇∶ありがとうございました?

茉央∶ええよ

〇〇∶でも、なんで触らせたかったの?(笑)

茉央∶う〜ん
   よく分からんけど
   奈央に負けたくなかってん

〇〇∶なんの勝負?

茉央∶それは………


茉央∶女心を勉強しぃや!!!


茉央∶じゃあ、また明日!


少し顔を赤らめた茉央は足早に帰っていった




〇〇∶女心か…



〇〇∶分からん!!!!!




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それから、数週間前が経ち
〇〇もクラスに馴染めるようになってきた
〇〇と茉央はというと…




茉央∶〇〇君おっぱよ〜

〇〇∶茉央ちゃん、おはよう

茉央∶昨日のドラマ見た?

〇〇∶見てないなぁ

茉央∶あのドラマ見てないなんて
   人生8割損してんで!

〇〇∶損失デカすぎん?(笑)






〇〇∶茉央ちゃんの弁当今日も美味しそうやな

茉央∶なに?食べたいん?

〇〇∶さすがにそれは

茉央∶ええよ、はいアーン

〇〇∶いや、自分で

茉央∶人の善意は!

〇〇∶分かったって、パクッ

茉央∶美味しいやろ?この卵焼き
   茉央が作ってん

〇〇∶めっちゃ美味い
   茉央ちゃんは良い奥さんになれるね

茉央∶なんか照れるな///





〇〇∶茉央ちゃん、帰ろう

茉央∶うん!今日は駅前のカフェ行くで〜

〇〇∶最近、寄り道しすぎちゃう?

茉央∶勉強頑張ったご褒美や!

〇〇∶今日、授業中寝てたよね?

茉央∶なっ!そんなん言う男はモテへんで!

〇〇∶言わなくても、モテないけど(笑)

茉央∶確かにな(笑)





〇〇と茉央の距離はさらに縮まり
クラス内では二人は付き合っているのでは?
という噂さえ流れるようになっていた
そんなある日



〇〇∶茉央ちゃん、帰ろう

茉央∶ごめん!先生に呼び出されてるから
   一緒に帰られへんねん

〇〇∶呼び出しってどんな悪いことを…

茉央∶ちゃうわ!ちょっと用事頼まれてるだけや!

〇〇∶分かってるって(笑)
   じゃあ、また明日な 

茉央∶うん、明日は一緒に帰れるから!


〇〇は茉央と別れ
久しぶりに一人で家路に就く


〇〇∶(なんか、寂しいな…)

??∶〇〇く〜ん

〇〇∶?

〇〇∶冨里さん

奈央∶あれ?茉央と一緒じゃないの?

〇〇∶今日は違うんだ

奈央∶そうなんだ〜

奈央∶ねぇ、いつ茉央に告白するの〜?

〇〇∶えっ!?

奈央∶好きなのバレバレだよ〜

〇〇∶///

奈央∶そうだ!〇〇君に良いこと教えてあげる

〇〇∶良いこと?

奈央∶実はね、坂道高校の近くに地元の人も
   あんまり知らないパワースポットが
   あるんだよ〜

〇〇∶パワースポット?

奈央∶うん!そこで好きな人に告白したら
   絶対成功するんだって〜

奈央∶だから、茉央誘って
   行ってみたら?
   
〇〇∶う、うん…

奈央∶頑張ってね!応援してるよ〜







〇〇∶(本当に成功するのかな…)

〇〇∶(でも、茉央ちゃんとの関係が進むなら)

〇〇∶(信じてみるのもアリかな)





その夜


ピコンッ

茉央∶〇〇君からラインや

〇〇ライン∶いきなりやけど
      日曜日空いてる?

茉央ライン∶ほんまいきなりやな(笑)
      空いてんで〜

〇〇ライン∶じゃあ、日曜日
      ちょっと付き合って

茉央ライン∶〇〇君からのお誘いなんて
      初めてやな〜
      もちろんOKやで! 

〇〇ライン∶じゃあ、日曜よろしく!!

茉央ライン∶👌

茉央∶(日曜楽しみやな) 





そして、迎えた
日曜日。



〇〇∶そろそろ行くか

遥香∶〇〇どこ行くん?

〇〇∶ちょっと友達と遊んでくる

遥香∶友達?
   ほんまは、転校初日に出会ったマドンナと
   いい感じになったけど、あと一歩
   踏み出せずにいた時、マドンナの友達の
   助言で告白を決意し今から待ち合わせ場所に
   向かうとか?

〇〇∶…

遥香∶え、マジ?

〇〇∶初めて姉ちゃんの妄想癖を尊敬したわ

〇〇∶じゃあ、行ってきます

ガチャ

遥香∶頑張れ〇〇!
   でも、私の妄想の通りなら
   告白寸前で思わぬ障害が現れて
   告白出来ずじまいなんよな…




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




茉央∶〇〇君!お待たせ!待った?

〇〇∶ううん、今来たところ

茉央∶学校以外で会うん
   なんか変やな

〇〇∶確かに

茉央∶どう?

〇〇∶え?

茉央∶服やん!分かるやろ!!


〇〇∶か、可愛いよ

茉央∶ありがとう///

〇〇∶(聞いておいて、照れるんや(笑))

茉央∶なぁ、今日はどこ行くん?

〇〇∶まぁ、それは追々分かるとして
   とりあえずなんか食べる?
 
茉央∶そうやな!


それから、〇〇と茉央はランチを楽しみ
ショッピングモールをぶらぶらしたりと
デート?を楽しんだ


茉央∶なぁ、そろそろ〇〇君が行きたいとこ
   連れてってよ

〇〇∶う、うん

〇〇∶(緊張してきた…) 




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


茉央∶高校の近くにこんな所あんねや〜

〇〇∶実は僕も初めてなんやけど…

茉央∶え、そうなん?

〇〇∶うん

茉央∶じゃあ、なんでここに茉央を
   つれてきてくれたん?

〇〇∶えっと…なんかパワースポットらしくて

茉央∶パワースポット…






茉央∶もしかして、あのこと知ってるん?






〇〇∶え?あのこと?

茉央∶もしかして知らん?

〇〇∶ごめん、分かんない

茉央∶じゃあ、いいねん
   気にせんといて

〇〇∶いや、気になるって

茉央∶大した事じゃないし

〇〇∶…

〇〇∶僕と茉央ちゃんの仲だろ!
   なんでも相談するって
   言ったやん!
   
茉央∶〇〇君…

茉央∶笑わんと聞いてな

〇〇∶うん

茉央∶茉央、実はな乃木坂46のオーディション
   受けてんねん

〇〇∶の、乃木坂のオーディション?

茉央∶乃木坂46知らん?

〇〇∶いや、知ってるけど…
   
茉央∶でな、今最終審査まで来てて

〇〇∶最終審査…
   ってじゃああとひとつで合格って事?

茉央∶うん…

茉央∶でも、誰にも言ってなくて
   
〇〇∶なんで?

茉央∶なんとなくで受けてもうたし
   私がアイドルなんて笑われそうで…

〇〇∶そんな事ないって!

  

茉央∶〇〇君は優しいなぁ


〇〇∶優しさじゃないし…  
   茉央ちゃん可愛いから
   アイドル向いてると思う

茉央∶ありがとう///

茉央∶でもな、正直怖いねん…

〇〇∶怖い?

茉央∶だって、ここまで残るなんて
   考えても無かったし
   もし、合格したら乃木坂やで!?
   オーディション受けてて言うのは
   おかしいけど、私にアイドルなんて出来ひん
   それに、合格したら〇〇君とも…
   

〇〇∶茉央ちゃん…

茉央∶だからな、最終審査は
   辞退しようか迷っ

〇〇∶出来るか、出来ないかじゃない
   やるか、やらないかだ
   それが好きな事なら尚更な

茉央∶え?

〇〇∶〇〇の名言や!!

〇〇∶少なからずアイドルが好きやから
   応募したんでしょ?
   じゃあ、やりきらなダメ!!
   絶対後悔する
   今日ここに来た理由は…他にあったけど
   ここでパワー貰って
   最終審査受けよう!!
   茉央ちゃんなら絶対受かる
   僕が保証する!!

茉央∶〇〇君…
   分かった!私やってみる!
   ありがとうな、〇〇君 

〇〇∶ううん

茉央∶でも、さっきのは〇〇君の名言やなくて
   どうせ、マンガとかの名言やろ?(笑)

〇〇∶バレてる

茉央∶でも、響いたわ
   大事にするな


〇〇∶アイドルという夢の舞台へ駆け上がれ!!











茉央∶今日はほんま楽しかったわ
   ありがとうな!

〇〇∶こっちこそ

茉央∶じゃあ、また明日な

〇〇∶うん


〇〇は一人家路に就く



〇〇∶僕、なにやってんねんやろ

〇〇∶アイドルになる事の背中なんて押したら
   付き合う事が遠のくのに

〇〇∶柄にもなくお人好しな事したな…


寒空の中、〇〇は
大きな切なさ、悔しさと
ほんのちょっとの満足感を胸に
歩き慣れた道に歩を進めていった




それから数週間後



茉央∶〇〇君!!
   茉央、受かってもうた!!

〇〇∶本当!?おめでとう!!

茉央∶〇〇君のおかげや!
   ほんまありがとうな

〇〇∶いや、茉央ちゃんの力だから
   僕はなにもしてない


茉央∶でな、茉央がアイドルになる事が
   これから発表されるやん
   だからな、今までみたいに
   一緒に帰っ

〇〇∶分かってる
   これでも、常識はあるから

茉央∶ごめんな…

茉央∶で、でも
   ラインとかは大丈夫やからな
   
〇〇∶でも

茉央∶〇〇君と茉央は友達やねんから!
   ラインぐらいはな…

茉央∶だって、寂しいやん…

〇〇∶分かった
   ただの友達やからな!

茉央∶うん…





その数週間後に茉央は乃木坂5期生として発表され
そこから、二人は学校で話すことは
少なくなったが、数日に一回ほど
ラインなどで話す関係になっていった






そこから、月日は流れ
二人は高校卒業
茉央はアイドル人生が本格的に
〇〇は大学生としての生活がスタートした









茉央∶やる気!元気!五百城!
   サンシャイーン!ボコッ
   五・百・城!
茉央 美月∶イェーイ!! 
     ジャスティス!!




設楽∶タチウオをギュッと持って

茉央∶ごめんなさい



〇〇∶茉央ちゃん、頑張ってるな

〇〇∶最近、茉央ちゃんから連絡ないな…
   そんな暇ないか








茉央∶はぁ〜今日も疲れたわ
   私ってあんなに走り幅跳び
   得意やったんや

茉央∶最近、〇〇君に連絡出来てないな…
   連絡したいけど、〇〇君も忙しいやろうし
   迷惑かな…




お互いの気持ちは近いのに
徐々に距離は離れていき
連絡する事も無くなっていった





茉央が乃木坂に加入して3年目に入った11月
そのニュースは突然飛び込んで来た



乃木坂46五百城茉央
ファースト写真集発売!!



〇〇∶まじか…スゲーな

〇〇∶タイトルは「未来の作り方」

〇〇∶未来か…






翌年、1月21日


ピンポーン

〇〇∶はーい

宅急便∶お届け者です

〇〇∶ありがとうございます




〇〇∶これが、茉央ちゃんの写真集

〇〇∶やっぱ、楽天ブックスにして正解やな



〇〇は写真集をゆっくり開いていく


〇〇∶茉央ちゃんらしい笑顔やな

〇〇∶相変わらずスタイルエグいな

〇〇∶放課後よくカフェ行ってたな

〇〇∶まぁ、サイズはな
   なにとは言わんけど


そこには、ポルトガルで色んな表情を見せる
茉央の姿があった
そんな写真集も最後のページを残すのみ


〇〇∶ここって…


そこには、見覚えのある場所に
切なげな表情の茉央が写っていた


〇〇∶…





記者∶五百城さん、この写真集で
   一番思い出深いページはどれですか?

茉央∶全てのページが思い出ですけど
   個人的には一番最後のページです
   今回はポルトガルで撮影させて
   頂いたんですけど、このページだけは
   私のワガママで東京で撮らせて頂きました

記者∶それは、なぜですか?

茉央∶この場所は私がアイドルになる
   決心をさせてくれた場所なんです
   正確にはある人がその場所で
   背中を押してくれたから
   今、私はここにいます

記者∶そうなんですね、しかし五百城さんの表情が
   なにか切なく、悲しさを感じます
   これにはどんな意図があるのでしょうか?

茉央∶未来の作り方
   このタイトルにはアイドルとしての未来
   そして、一人の女性としての未来
   色んな意味を含んでいます
   この最後のページだけは
   ファンの方というよりある人への
   私なりの感謝そして本音を表しています。
   ちょっと分かりにくいですよね(笑) 

記者∶いえ、気持ちはすごく伝わりました  
   ありがとうございました。       





〇〇∶茉央ちゃんの本音…






ピコンッ


茉央∶!!

茉央∶………





「僕の本音が言えるなら
 違う未来を作りたかった」





茉央∶あほ//







乃木坂46  52枚目シングルセンターは五百城茉央

五百城はこのシングルの活動をもって卒業を発表

卒業コンサートは京セラドーム大阪で開催される







ピコンッ

茉央ライン∶ニュース見た?

〇〇ライン∶うん、今までお疲れ様

茉央ライン∶ありがとう
      卒業コンサート見に来てや

〇〇ライン∶行きたいけど、当たるかな?

茉央ライン∶なに言うてんねん
      招待するに決まってるやん

〇〇ライン∶いや、でも
      流石に僕が関係者席に行くのは…

茉央ライン∶人の善意は受け取るもんや!

〇〇∶分かったよ、ありがたく招待されるわ

茉央ライン∶それで、ええねん👌










まおちゃーん!!!
きっきー!!!
今までありがとうーーー




咲月∶茉央と出会えて本当に良かった(泣)

いろは∶さつまいろは永遠だからね!!

茉央∶当たり前や!




茉央∶4期生さん、5期の皆、6期7期の皆
   1、2、3期生のOGの皆さん
   そして、ファンの皆さん
   今まで本当にありがとうございました!!



♪じゃあねって何故
 切ないんだろう〜
 また明日
 君に会えるのに〜




〇〇∶………グスッ







〇〇∶(緊張してきた…)



〇〇∶ふぅー




コンコン


空いてんで〜


ガチャ



目真っ赤やん(笑)



そっちこそ




で?どうやったライブ?



最高だった
だって無料で見えたからな



最低や!!



冗談冗談
本当に感動した
今までお疲れ様


最後のアイドル姿を
見てもらえて良かったわ
でもな、一つ引っかかてんねん


ん?


だって、限られた
招待席を
「ただの友達」に使ってしまったからな
もったいなかったかな〜って


え?


だから、「ただの友達」
じゃなくしてくれたら
今日のチケット代は
奢ったるわ


なにそれ(笑)
はぁ…仕方ないな



茉央ちゃん
いや
茉央
これからは僕と一緒に
未来を作ってくれますか?














はい!






#五百城茉央
#未来の作り方
#妄ツイ
#乃木坂46




































      
      



























 
  

   
 
   



   
    
 


















   





 
      
     







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