区長予定候補者からの回答
○橋本やすこ
●自己紹介
私は、北区に移り住んで45年。4人の男児を育ててまいりましたが、当時(1980〜1990位が学齢期)から不登校が話題に上がり始めていたため、関心を持って「東京シューレ」の見学、代表だった奥地圭子先生の講演会視聴、著作物の購読、不登校のハシリであった友人宅への訪問支援などをしながら、不登校というものの捉え方などを学び、分かったつもりになっていました。
ところが、子育ても少しずつベテラン?になり、もう怖いものは無いわと自信を持ち始めた頃に、四男の不登校が始まりました。喘息に苦しみ、朝の登校時に咳き込んだりして辛そうな四男を、遅刻同行登校したり、ゆっくり過ごさせたりしながら、初めは何とか登校させようとしていたような気がします。
登校班のお兄ちゃんたちが、学校に向かう坂道をランドセルを持ってくれたり、おんぶしてくれたりして助けてくれていました。
お休みが続くようになり、知識として「不登校は悪いことではなく、その子の気持ちを受け止めてゆっくり休ませて…」と理解していたつもりの私も、少し焦りを覚えた時期。母と子で手をつないで坂道を上りながら、顔色がみるみる青ざめていく子どもの様子に、思わず「しばらくお休み、する?」と言った途端、「僕、不登校します!」と宣言した四男の晴れやかな顔。忘れられません。
その後、学校の異なる子ども劇場の仲間の子どもたちが相次いで不登校になり、5〜6人の母たちで、月に一度時間を作って、大人と子どもの社会科見学を始めました。築地の市場見学、山登りやハイキング、博物館や遊園地にも行きました。子ども劇場という居場所があり、共に活動する仲間がいてくれたことが、大きな支えでした。
劇団を作って上演したり、キャンプに行ったり、活動は続けられました。
子どもたちは、いつの間にか各自のペースで自ら選んで、学校に戻る子、自由の森学園に入学する子、シューレに通い始める子…と分かれながら育って行きました。
今あの時の子どもたちは、照明家、居酒屋店長、外国で自活する人、女優…と、多彩に活躍する立派な大人になっています。親たちの想像を超えるこの子たちの成長ぶりには、学ぶところが大きかったです。つくづく、私たち大人は無力であり、子どもたちのエネルギーや知恵こそが、自らを活かす原動力だったのだと思い知らされました。
●政策について
さて、長くなりましたが、不登校対策の政策について、考えを述べさせて頂きます。
基本的に、今は「教育機会確保法」という法律の元にあり、子どもたちは「学校以外で学ぶ権利」を保障されています。休息を取る権利も同様。不登校は、恥ずかしいことでもなければ、心配することもないはずなのです。
私は、教育費の無償化、学校にかかる経費の削減を公約に上げています。不登校のお子さんたちが学校以外で学ぶ道を選択された場合、当然そこにかかる経費も区からの補助又は一部補助となります。学校内のフリースクールの事例も存じておりますが、学校外にも多様な居場所が必要かと存じます。
家で過ごしたいお子さんたちには、ホームスクールの提案や、カスミソウのような自主グループへの居場所開設支援、相談窓口や講師派遣なども考えられますね。
お一人、又は家族だけで悩まないで、多様な方法で子どもたちを解放出来るフリースクール、グループ等のご紹介、ネットワーク、加えて最新の事例紹介や学習会の開催等を提案して行きたいと考えております。
子どもたちの気持ちや、選択の自由を保障できる区政を、「国連子どもの権利条約」並びに「北区子ども(の権利)条例(目下策定に向け準備中)」に基いて、皆さんとご一緒に実現して行けたらと存じます。この区長選区議選を通じても、さまざまなご意見をお聞きしていく機会を作りますので、どうかご参加よろしくお願いします。皆さんのお集まりに呼んで頂ければ、直接対話しに伺いますので、ご遠慮なくお申し出くださいますよう。
まとまらない回答で、失礼いたしました。
追記 「ホップステップジャンプ」には、うちの四男も、勧められて数回通いましたが、「あそこに行くくらいなら学校に行くよ」と言っていました。そもそも学校の在り方に疑問を呈している子どもに、学校と同じ価値観で迫られてもねー。という理由でした。
不登校という形で、自分の考えを大人社会や学校の在り方に突きつけてくれている子どもたちの勇気を讃え、そこから学んで私たちは既存の価値観や体制を見直さなければならないのだと思います。お子さんたちを誇りに、希望への道を探ってまいりましょう。
橋本やすこ
○こまざき美紀
カスミソウさんとはずっと連携して議会活動をしてきました。
一緒に戸田の取り組みも視察に行かせて頂きました。
そういった意味でも、私が区長になった際には、不登校支援には本腰を入れて
対策・対応をして参りたいと思います。
例えば、戸田と世田谷を参考にした以下のような案が考えられます。
1)各学校に不登校、登校しぶりだけでなく、その他なんらかの事情で通常クラスで過ごすのが難しいお子さんの居場所として、各学校に一教室部屋を設ける。
2)メタバースを取り入れた学習・相談支援をNPO法人と連携しながら行う。
3)適応指導教室の指導員に支援の専門家を増やし、NPO法人等の支援の専門知識を有する団体と連携しながら、子どもたちの学習の知識習得だけでなく、個性や特技を生かし、社会で活躍できるような支援体制を整える。可能性を開花させ、楽しんで通える場所に。
こうしたことが考えつきますが、区長になった際は、一方的に政策を作るのではなく、不登校当事者のご家庭の皆さんからのヒアリング・対話会などを通じて「共に」政策を創っていきたいと思います。
こまざき美紀
○花川よそうた
児童・生徒の不登校の要因は、学校内での問題(いじめ、友だちや先生との関係など)、家庭内での問題(家族関係、生活リズム、経済状況など)、児童・生徒自身の問題(心や身体の健康状態など)などの様々な要因が考えられると思っております。
また、不登校児童・生徒の中には、①学校には行けるが教室には入れない子、②学校には行けないが家から外に出られる子、③家から外に出られない子など、不登校の態様も様々であるといえます。
そのため、不登校の児童・生徒に対しては、個々の状況を把握したうえで、個々に応じた適切な支援を行う必要があり、ハード・ソフトの両面からの整備を行なっていく必要があると考えております。
そこで、私は、不登校児童・生徒への支援として、引き続き、以下の取組みを検討し、できるところから速やかに取り組んでまいります。
①不登校児童・生徒の校内の居場所の確保と校内別室指導支援員配置による支援体制の整備
②不登校児童・生徒の校外の居場所の整備(児童館の活用など)
③適応指導教室(ホップ・ステップ・ジャンプ教室)拡充と支援体制・支援内容の充実
④不登校児童・生徒や保護者への支援体制(スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなど)の拡充
⑤不登校児童・生徒に対するオンラインによる学習・相談支援の充実
⑥不登校児童・生徒への支援を行なっている民間団体等と連携した支援の充実
花川よそうた
3月23日送付、4月10日締切、返信到着順。
やまだ加奈子予定候補の回答は、届き次第お知らせします。