Tableau Tips特集(パラメーター編)

この記事は、分析ツールであるTableauで分かりにくい部分をピックアップしてご紹介することを目的としています。今回のテーマは、パラメーターについてです。
計算フィールドとの違いが分かりにくいかと思いますが、分析しやすくするためにパラメーターの利用は不可欠です。パラメーターはどんなものなのかをご説明し、パラメーターの具体例をご紹介いたします。

パラメーターとは?

分析中に利用する様々な設定値を簡単に一度に変更できる機能です。
特定の値でフィルターを掛けたり、リファレンスラインを引いたり、計算フィールド内で使用したりとよく使われるものです。
同じ値を様々な箇所で使用する場合や設定する値を分析中に何度も変更する場合は、パラメーター機能が非常に役立ちます。
今回はパラメーターの作成と代表的な利用事例をご紹介します。

パラメーターの使う場面にについて

ここからはパラメーターをどんな時に使用するのかがイメージできる様にご説明いたします。パラメーターは、ダッシュボードやビジュアライゼーションに動的なインタラクションを追加するための便利なツールです。
以下がパラメーターを主に利用するシーンになります。

①    指標の切り替え:パラメーターを使うことで、ユーザーがダッシュボード上で表示する指標を動的に切り替えることができます。例えば、売上、利益、コストなどの異なる指標を一つのグラフで切り替えて表示することが可能です。

②    フィルタリング:パラメーターを使って、特定の条件に基づいてデータをフィルタリングすることができます。例えば、売上が一定の閾値を超えるデータのみを表示するように設定することができます。

③    リファレンスラインの動的表示:パラメーターを使って、グラフ上のリファレンスラインを動的に変更することができます。これにより、ユーザーは異なる基準値を簡単に比較することができます。

④    トップNフィルター:パラメーターを使って、トップNのデータを動的に表示することができます。例えば、売上トップ10の商品を表示するなどが挙げられます。

これらの機能を活用することで、Tableauのダッシュボードはよりインタラクティブで柔軟なものになります。

パラメーターの利用で躓きやすいポイント

Tableauのパラメーターを利用する際に、つまずきやすいポイントはいくつかあります。以下に主なものを挙げます。

①    パラメーターの単独使用:パラメーターは単独では機能しません。計算フィールドやフィルターと組み合わせて初めて効果を発揮します。パラメーターを作成しただけでは何も変わらないため、どのように活用するかを考える必要があります1。
②    データ型の不一致:パラメーターのデータ型(数値、文字列、日付など)が、使用するフィールドのデータ型と一致していないと、正しく機能しません。データ型の確認と一致が重要です。
③    パラメーターの更新:パラメーターの値を変更しても、ダッシュボードやビジュアライゼーションが自動的に更新されない場合があります。これを防ぐためには、パラメーターを使用する計算フィールドやフィルターが正しく設定されているか確認する必要があります。
④    複雑な計算式:パラメーターを使った計算フィールドが複雑になると、エラーが発生しやすくなります。計算式をシンプルに保ち、段階的にテストすることが重要です1。
⑤    ユーザーインターフェースの理解:パラメーターの設定や使用方法が直感的でない場合があり、特に初心者にとっては理解が難しいことがあります。公式ドキュメントやチュートリアルを参考にすることが役立ちます。

これらのポイントを押さえておくことで、Tableauのパラメーターをより効果的に活用できるようになります。

パラメーターの設定方法について

それではサンプルスーパーストアのデータを用いてご説明します。
以下は都道府県ごとの売上棒グラフを表示しています。
=============
列:地域、都道府県
行:合計(売上)
マーク欄の色:売上目標達成基準
=============


“売上目標達成基準”として設定した500万円を達成した都道府県にはオレンジ色、未達成の都道府県には青で表示されるようになっています。

それでは“売上目標達成基準“は、どの様に設定するのか見ていきましょう。
計算フィールドで売上が500万円以上かどうかを判定する基準は、500万円に固定されています。分析をする中でこの固定された500万円から様々な金額に変えて分析したいことはよく起こる話かと思います。
しかしながら、分析で基準値を変えたい度に設定変更するのではとても大変になります。


この様な場合には、売上目標基準値をパラメーターとして定義しておくと非常に利便性が高いです。

パラメーターの作成方法について

サイドバーのデータタブで下記の赤枠内の▼のボタンを押します。


選択すると上から順に、“計算フィールドの作成“、”パラメーターの作成”が表示されるので、パラメーターの作成を選択します。


パラメーターの作成を選択するとパラメーターの設定画面に遷移します。


上記の画面が表示されたら、各項目に以下の内容を設定していきます。
=============
名前:売上目標達成基準値
データ型:整数
現在の値:5,000,000
表示形式:自動
許容値:すべて
=============

入力が完了したらOKボタンを押して、データタブの一番下に表示されたら設定完了です。


それではここで作成したパラメーターを先ほどの計算フィールドに組み込んで利用してみましょう。


先ほどの計算フィールドを編集画面から開き、500万円が入っていた部分を先ほど作成したパラメーターと入れ替えます。パラメーターを計算フィールドに記載すると紫色で表示されますので、うまく設定できているかの確認に使用してみてください。


パラメーターの設定が完了しましたが、このままでは何もVizに変化がありません。


Vizに変化が出るようにパラメーターの設定値を変更してみましょう。
作成したパラメーター上で右クリックし、パラメーターの表示を選択します。


選択するとVizの右側に“売上目標達成基準値”が表示されます。
設定されている500万円を300万円に変更してみます。


基準値を300万円に変更すると、変更に連動して上記の様にVizが変化しました。この様に簡単に“目標達成基準値“を変更する事ができます。

リファレンスラインの追加

“売上目標達成基準値“を分かりやすくするために、リファレンスタブのリファレンスラインを設定してみます。


リファレンスラインをVizに移動させ、テーブルを選択します。
選択後、“リファレンスライン、バンド、またはボックスの編集”が表示されます。


表示がされたら、値とラベルを設定していきます。
以下の様に設定してみます。
===========
値:売上目標達成基準値
ラベル:値
===========


リファレンスラインを設定すると売上目標達成基準値が分かりやすくなりました。
この様に単に色分けではなく、リファレンスラインを変容する事でより分かりやすくなります。


パラメーターの使い方についてはここまでになります。いかがでしたでしょうか?是非、パラメーターを活用してViz作成をしてみてください。

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