【新型アルセウス解説】リファインアルセウス
こんにちはカツサンドです。
今回はCL横浜に向けて調整したデッキの解説記事となります。
内容は有料としておりますので、ご購入検討お願いいたします。
無料部分ではデッキ作成の背景とデッキコンセプトの解説
有料部分ではデッキリストおよびデッキの回し方の解説をしております。
デッキ作成の背景
環境考察
デッキ選択およびデッキ作成をするにあたって、まずは白熱のアルカナ発売後の環境考察からはじめます。Tier表は次のように考えてます。
パルキアV STARが言わずもがなでTOP Tier。
デッキパワー・安定感申し分なく、先攻取れば不利対面も特に関係なく大体勝ち。ロストアビス環境からパルキアV STARの1強は変わらずで、ミュウとレジギガスの立ち位置が良くなってきた印象です。
Tier2以下は上振れたときのパワーはあるが、若干安定性に欠けたり、動きがもっさりする印象がありこの位置に。CLでのDay1抜けを考えたときに積極的に握る選択をするのは難しい感じもします。
Tier3のアルセウスそらをとぶピカチュウはWCSで躍進を遂げましたがBO3かつカードプールが異なるかつメタ要素が強いので、日本ではこのあたりが妥当かと思います。
デッキ選択の仕方
以上の環境考察から、CL横浜へ持っていく最適なデッキ選択をしていきます。デッキ選択は基本的には次のような考え方で実施しています。
優先して検討する順番としては、B>C>Aです。
TOP Tierに対して勝てる&他の対面でも勝率が見込める=握り得(勝ちデッキ)です。ここを最優先で探していきたい。
CはTOP Tierが複数ある場合に考慮する項目です。TOP Tierが複数ありシェア率を分け合っている場合、どこかの対面を割り切ってデッキを選択することがあります。そのためパルキア1強の今回は割愛、流石に捨てるの無理。
最後に妥協択としてTOP Tierを使っていきます。妥協択とは言うものの、メタが通用しなさそうであれば確実にTOP Tierを握るべきです。
TOP Tierのデッキは新しいアーキタイプでない限り履修済みのはず。既にCL出場に耐えうるレベルであることを前提とすると、そこまで練習に時間をかける必要はないと考えてますが、例外としてシェア率が非常に高くメタデッキが通用しない場合は、ひたすらミラーを練習すべきです。
以上より、最初にBに該当するデッキを探していきます。
目指すコンセプト
パルキアVSTARをターゲットにするにあたって、WCSでのシマダダイチ選手、イシヤマリョウタ選手の構築を参考に対策を検討しました。
サンダースによる妨害は裏工作ラインのピンポイントメタとしてしか運用されていないため断念。WCSと比べてパルキア(+裏工作アルセウス)以外とのマッチも多く想定されるため、ピンポイントメタカードの採用は難しいです。
次に雷タイプのポケモンVMAX(そらをとぶピカチュウVMAX)はパルキアだけでなく、レジギガスやLTBといった非エクデッキへの役割遂行能力が高く、環境へマッチしている印象もありますが、ギラティナVSTARやキュレムVMAXなどの超火力デッキに対して弱いため要検討。また進化前のピカチュウVがHP200しかないのも不安要素。
雪道+マリィによる手札事故誘発は裏工作系統のみならず、ロストギミックやミュウVMAXといった様々な対面で有効であり環境的にも強いムーブの1つです。最近のデッキを回す手段として、《かがやくゲッコウガ》のかくしふだや《キュワワーのはなえらび》が多用されており手札にリソースを抱えてゲームを進行することが多いです。そのような場面にマリィは刺さります。必要札を山底に沈めているため、デッキトップの当たりの確率も低くなります。
これに加えて、環境デッキにおける博士の研究などドロサポの採用も減っており、上記のようなシステムポケモンによるリソース管理に重きが置かれている状態のため、雪道+マリィは今の環境において解決する手段が少ないコンボであることが読み取れます。
以上より、雪道+マリィのコンボが非常に有効的な環境ということを踏まえて、今回はこのコンセプトをメインにデッキを構築していきます。
デッキコンセプト
雪道マリィで手札事故を誘発させるというコンセプトが決まったので、《アルセウスVSTAR》をメインにデッキを組み立てます。アルセウスがメインなのは雪道マリィを決める要求値が圧倒的に低いためです、スターバース強すぎる。
次にシステムとなるポケモンを決めていきます。
裏工作ラインはアルセウスとの相性はいいですが、マリィとの相性はイマイチです。そもそもパルキアの裏工作を止めようとしているデッキコンセプトなのに、自分も裏工作を使うのは思想が一貫してないので没です。自分も事故る可能性大です。
次にはたらくまえばのビーダルですが、マリィとの相性は比較的良いです。ただ、エネルギーやサポートが手札に詰まるとドローが出来なかったり、そもそもビーダルで攻撃が出来ないのでサブアタッカーを準備する必要が出てきます。アルセウス+ビーダルでサブアタッカーとなると、やはりそらをとぶピカチュウVMAXが適していそうとなり、前述の理由から要検討。
やりくり、とりひき、リファインの手札を1枚捨てて2枚引くチームは、マリィとの相性はそこまで悪くないです。マリィの後に不要札を入れ替えながら2ドロー出来ますし、自分相手ともに動けなくなった場合でもドロー枚数を稼げるので解決札を引く可能性が相手よりも高くなると推測できます。
これまではチラチーノ、レパルダスともに攻撃性能が貧弱であることからアルセウスと組み合わせるのが難しかったですが※1、リファインのサーナイトはマジカルショットがアクアバレットとほとんど同一性能のため採用に値します。(※1サイド2-2-2でゲームが進行してしまうため)
以上より、次の4点をデッキコンセプトとして
『アルセウス+リファイン』でデッキを構築していきました。
ここまではデッキを構築する前の事前検討の段階です。
ここから実際にデッキを組んで改良を重ねる過程で革新的な1枚を発見します。これによってデッキがかなり締まった印象となりました。
デッキリスト
デッキリスト
今回構築したデッキリストは以下の通りです。
キーカードと裏工作アルセウスとの差別化
デッキの基本的な部分は裏工作アルセウスと同じです。
ここで注目して欲しいのが、ラルトスの進化ラインです。リファインのキルリアまでは前述した通りですが、最終的な進化先には《エルレイド》を採用しています。このエルレイドこそが革新的な1枚となります。
キルリアがエルレイドに進化出来るの完全に盲点でした。
アルカナシャインのサーナイトは事前検討の段階で候補に上がっていたのですが、攻撃技が弱かったため没としていました。
しかし、このエルレイド、特性も攻撃技も全てサーナイトを凌ぐ性能をしています。特に特性のバディキャッチは毎ターンサポートをサーチ可能とかなりの壊れ性能。裏工作の方がトレーナーズ全てを持って来れるためサーチ能力としては優れていますが、アルセウスのデッキは何かしらのサポートをサーチ出来ればゲームになるので能力としては申し分ないです。
さらに裏工作と異なり、場にいるだけで毎ターンサーチ可能なことから相手の手札干渉の影響を受けず(自分のマリィも)、好きなサポートを常に使用することが出来ます。この部分に関しては裏工作の完全上位互換です。
攻撃技も優秀です。超無無のため基本的にはダブルターボエネルギーを必要としますが、それ込みでも140ダメージを出せるため、レジギガスを除いたレジ系統やかがやくゲッコウガを倒すことが出来ます。ここもアクアバレットのインテレオンと明確に差別化できるポイントです。
自身の特性でキバナでサーチして超エネ加速+ダブルターボを手張りで即攻撃が可能と能力が自己完結しており、さらに技の追加効果でダブルターボをベンチのアルセウスに移すことで次の攻撃もスムーズに行うことが出来ます。
今回このデッキと差別化の対象となるのは裏工作アルセウスです。
序盤における盤面の安定性と全体を通したプレイの自由度に関しては裏工作アルセウスに分がありますが、エルレイドが立って以降は裏工作アルセウスと同等の動きが可能です。
・チェレンの気配りを使いながら相手サイドを着実に攻める
・ツツジを絡めながら捲りの展開を作る
といった裏工作アルセウスの基本の動きはサポートの働きが大きく、エルレイドでもその役割を担うことが出来ます。またツツジなどの手札干渉に強く、回収ネットで再利用する必要がないためプレイ方針が立てやすい、ロングゲームに強いといった側面もあります。
採用カード解説
ポケモン・トレーナーズ・エネルギーの3つに分けて、特筆すべき事項のみ解説します。リスト解説って基本的に中身が無い割に文字数稼いでくるので嫌いですが、一応調整中に考えていたことをメモ程度に残しておきます。
◾️ポケモン
【エルレイド】
サイド落ちするとゲームにならなくなるため2枚採用。
アルカナシャイン及びリファインのサーナイトはエルレイドに優っている部分がないため今回は不採用。闘タイプのエルレイドはアルセウスが増えたり、ムゲンダイナが増えた場合には検討案件。
【キルリア】
ベンチに同時に立てても2枚程度のため3枚採用。
【ラルトス】
メモリースキップ(HP60)とテレポートブレイク(HP70)が候補だが、メモリースキップを採用。エネルギーが枯れて入れ替えができない相手にLOが狙える可能性があり、見た目テレポートブレイクよりも勝ちに直結しそうなため。HP70であればお守り込みでげっこうしゅりけんを耐えるので、お守り2枚採用の場合や負け筋を消す方針であればそちらの採用を検討。
【ヤレユータン】
WCS から評価を上げているカード。マリィとの相性も良く、チェレンで手札に返ってきてしまった基本エネルギーを山札に戻すことでトリニティノヴァで再度エネ加速が出来るようになる。
調整当初は採用当落上にいたが、かなりの便利屋なので結構気に入ってます。裏工作アルセウスにヤレユータン入れて雪道マリィすれば良いじゃんっていうのは無しでお願いします。
【マナフィ】
無いと流石に厳しい。最近はロストマインの餌食にされがち。
◾️トレーナーズ
【ボール系統】
1ターン目に絶対にアルセウスVを置きたいのでクイックボール4枚やハイパーボール2枚。裏工作型と比べてレベルボールの価値がそこまで高くないため、レベルボールの数を減らしてハイパーボールを増やしている。
しんかのおこうについても枚数が多い方が良いが、マリィやリファインでドローが回るのを込みで2枚。
ボール系統の枚数比に関しては感覚的な部分が多く、定量的に評価できてないので正しい評価アプローチが欲しいですね。おそらく試行回数を増やしてデータを集めるしかなさそうですが。
【トラッシュ回収系統】
序盤にリファインの捨て先としてピン挿しのサポートを選択も取れるようになるため、ともだちてちょうを採用。ともだちてちょうをサーチする手段がキバナしかないため1枚採用では足らない部分が多々あり、2枚採用で回してみたが序盤に手札へ来たときの弱さが耐えられなかったので1枚採用止まり。
ふつうのつりざおに関しては、《やまびこホーン》+《ボスの指令》の負け筋を消すための1枚。エネルギーが山札に帰るのも強い。パルキアやミュウなどの攻めが強いデッキがTOP Tierにいる環境で、ある程度耐久寄りのデッキを使うのであれば採用必須レベル。てか入れないと捲りが間に合わなくて確負け。
【いれかえ手段】
アルセウス以外のポケモンをバトル場からどかす用。キルリア、エルレイド、ヤレユータンが逃げ2なのでボスで縛られて時間稼がれるとキツい。最初はポケモンいれかえ1枚だけだったが、ふうせんも入れた2枚体制の快適度が違ったため両採用。
【ポケモンの道具】
トリニティノヴァの打点が足らないためこだわりベルトを採用。180+30で使うよりも200+30で使いたい。エルレイドに貼ると140+30でネオラントまで処理範囲になるのはテスト出ます。覚えておきましょう。
おおきなおまもりは現物30がやっぱり大きい。2枚採用でも良いがVガードエネルギーがあるのでとりあえず1枚。アルセウス以外にも貼ることがあるので下図打点ライン参照。
【サポート】
裏工作アルセウスと同じサポート構成ですが、核となるマリィは3枚採用。他のカードは全く調整してないです。というか調整する必要ほとんどない。セイボリーだけ候補かもしれない。
【スタジアム】
デッキのメインテーマである頂への雪道とその他に使えそうなスタジアムで、レジギガスと他の対面でもギリギリ仕事しそうな崩れたスタジアムを採用。スタジアム2枚の構築が多いため頂への雪道を3枚入れたほうが確実のような感じがするが、雪道+マリィを連発している状態で2枚引かれたら相手の引きが強いので割り切り。
◾️エネルギー
ダブルターボエネルギーはスターバースで持ってくるカードランキング1位兼スターバースで持ってきたくないカードランキング1位なので4枚採用。アルセウスだけでなくエルレイドもダブルターボエネルギー必須なので4枚欲しい。逃げエネにも使う。
初動安定用のキャプチャーエネルギーとおまもり相当のVガードエネルギーを2枚採用。Vガードエネルギーはベルトと一緒に貼れると強い。おまもり+Vガードエネルギーをつけたエルレイドが実質耐久220でカチカチになったりする。やったことないけど。
ここまでで特殊エネルギー7枚。これにプラス基本超エネルギー6枚。1ターン目に必ず手張りをする必要があるのと、トリニティノヴァだけでエネを回す場合にサイド落ち考慮で基本エネが6枚あると良さそうなので多めに採用しています。
◾️調整段階で不採用にしたカード
・かがやくサーナイト(その他かがやくポケモン)
草案の時点では採用していたが、頂への雪道との相性がすこぶる悪いため不採用。ギラティナVSTARのロストインパクトもVガードエネルギーで対応できるため、そこまで活躍できる場面も少なそう。
頂への雪道でゲッコウガやリザードンを止める方が明らかに強い。
・バケッチャ
先攻1ターン目から雪道を貼って相手の動きを止めながら、2ターン目にバケッチャ→アルセウスVSTAR(スターバース)→頂への雪道でアドを稼いでいく動きが出来るが、要求値高いため断念。
ゲーム序盤に必要なコンボは特化構築出ないとキツい。
・霧の水晶
エネルギー多めに採用されているため手張り出来ない場面も少なく、展開したいポケモンの優先度もアルセウス>ラルトスのため不採用。霧の水晶として使うよりもリファインの捨て先の方が多かった。
デッキの回し方
基本的なプレイ指針
全て体面で共通した指針として、
雪道マリィで相手の動きを止めている間に自分の盤面を完成させて押し切る
こちらを目指してプレイしていきたいです。雪道マリィするターンは早ければ早いほど効果的で、先攻2ターン目に《雪道マリィ+トリニティノヴァ》が決まれば大体勝ちです。
また、このデッキの強いポイントとしてはエルレイドのバディキャッチによって相手のツツジを気にせずにサイドをとり進めることが出来るところです。雪道マリィで獲得したアドバンテージを維持しながら息を切らさずに攻め続けることができます。
このデッキの初歩的な部分となりますが、デッキの性質上サイドを6枚取り切るには攻撃を最低6回はしないといけないです(Vポケモンを1パンできれば5回)。そのため6回分の試行回数を獲得するために、相手からの6回の攻撃で負けないようにゲームを展開していく必要が出てきます。
盤面を作って以降はチェレンの気配りでアルセウスをサイクルさせたり、相手の動きを伺いながらマリィやツツジで妨害しながらサイドを詰めていきます。
雪道マリィで相手を止めることをメインとしているため自分から大きなアクションを起こさないといけないことも少なく、ゲーム全体の大きな流れを理解していれば、分岐も少ないためそこまで難しいプレイングは要求されないデッキとなります。相手プレイヤーの視点に立って、何をされたら嫌かを考えてプレイしましょう。
マリィを使うタイミング
このデッキで1番プレイング(どちらかというと大局観かも)が発揮されるのがマリィを使うかどうかの判断です。
上記マリィの特徴を理解した上でカードをプレイする必要がありますが、そんなの知ってるよ当たり前じゃんと言う人が大半かと思います。
しかし実際にプレイする上では、
・相手のデッキリストをある程度把握していること
・相手の前のターンの動きから相手の手札を推測すること
も踏まえる必要があります。
ではパルキア対面を例に挙げてみます。
この状況から相手の手札には、
《ジメレオン》
《インテレオン》+《ふしぎなあめ》
《レベルボール》
《しんかのおこう》
《カイ》
のどれかがあることが推測できます。
相手がプランを立ててプレイしているのでマリィを使って妨害したい場面になります。
例①と比べて動きが少ないです。この状況から相手の手札には
《メッソン(クイックボール・レベルボール)》
《カイ》
《マリィ》
《基本水エネルギー(たっぷりバケツ)》
が無いことが推測できます。
同時に手札にはこのターンに切れない札※2(切らない)を抱えていることも推測できます。
※2 進化ポケモン、こだわりベルト、クロススイッチャー、ボスの指令、メロン、スタジアム
次の相手の番でデッキトップが基本水エネルギー、たっぷりバケツ、カイで無い限りは動きがなさそうなので、ここではマリィを使わない場面になります。
主要マッチアップ解説
ここでは各対面で注意すべきポイントのみを簡単に解説します。