ときには、取材について語りたい
note初心者です。必死で何か書かなきゃと思っています。随分とフォローしていただきありがとうございます。
自分語りオジさんは嫌われると、子どもにも言われます。
ときには仕事術についてお話しできればと思います。
お付き合いください。
新聞記者から会報誌のライターとなって最もしんどいのが取材依頼。コロナ以降、難易度が何十倍にも上がって毎回泣いている。いや、ベテラン記者でも気が重いと思う。心構えとしては、一にも二にも「つながりが大事」だ。
その1:まずは、誰かとつながる
その2:つながりを大事にする
その3:つながりを使う
その4:堂々と表玄関から行こうじゃないか。
コロナ禍で本当に泣いた
2021年に取材した企業・団体様(敬称略)
12月号AOKI
11月号ファンケル
10月号西武ライオンズ
9月号船橋屋
8月号ワークマン
7月号プロントコーポレーション
6月号タカラトミー
5月号日本郵便
4月号不二家
3月号琴平バス
2月号佐川印刷
1月号アキュラホーム
以前、会社で発行している会報誌でケース・スタディーというインタビューコーナーがあった。企業や団体の広報やPRでユニークな発信を毎月取り上げるというものだ。コロナ禍の2021年、取材する側としては本当に厳しい1年だった。企業の多くが在宅勤務を取り入れたこともあり、取材窓口になかなかつながらない。
代表電話でむなしく「在宅勤務になっております」と録音された音声が繰り返される。
コロナ禍だからこそ企業はユニークな広報やPRを仕掛けていた。SNSの強化、逆風下での新事業、リブランディング、取材者として「何とかして話が聞きたい」と思うものばかり。そりゃー話を聞いてみたくなるよ。
まずは、誰かとつながる
21年の12件のうち、伝手をたどったものはそのうち9件にもなる。「かつて取材した」「関連会社に取材した」「うちの子がバイトをしている」。とにかくその企業と私が「つながっている」ことをまず取材を依頼するうえで伝えた。
当然、「はじめまして」もある。それでも私は「最近、近所のお店で買い物しまして。変化に驚きました」と、話を切り出したこともあった。
取材先が企業なら、商品を使った、お店に行ったなど、どこか接点があるはず。
ファーストコンタクトは通常メールか電話だろう。コロナも少し落ち着いて?出社する広報も増えているだろう。担当者を企業のプレスリリースから探してもいいし、思い切って「ご担当者様を教えてください」と代表電話に突撃してもいい。心持ちとして、8割ダメもとでいきましょう。
質問状で押す
取材依頼の際に用意しておくことがある。
質問状だ。問いは8~10個ほどいるだろう。
ある作家さんへのインタビューを狙っているとしよう。もちろんその作家の著作はほぼ読んでいる状態だ。本にはたくさんの付箋が張られている。メディア露出についても把握済み。過去記事にはマーカーがあちこち引かれてある。これは取材前の準備として当然のことだ。「不勉強なメディアが多い」という苦情も最近よく耳に入る。こういうところがメディア不信を招いているのだ。
【自己紹介とつかみ】
はじめまして。ライターの○○と申します。これまで○○を手掛けてきました。
『○○』『○○』をあらためて読み返しました。暑苦しくて申し訳ございません。お聞きしたいことを整理しましたが、ボリュームが出てしまいました。
答えづらい質問は飛ばして構いません。
お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
【質問事項】
●『○○』の狙いについて(見出しを立てる)
前作と雰囲気が違い『○○』では社会的なテーマを扱っています。表紙は女の子の大きな瞳が描かれています。何か理由がありそうです。大きな瞳に吸い寄せられてしまいました。お伺いします。この少女の表情と『○○』のテーマである「いじめ」につきまして、まず教えていただけますでしょうか?
こんな感じで自分の思入れも合わせて質問状を作成していく。とっちらかっていいクエスチョンとはいえないかもしれない。こんな感じで10項目も続くのだ。読む側もしんどい。体力も気力もいる。人によっては「鬱陶しいわ」とはねつけられる可能性だってある。
しかしながら、取材依頼とはいえ、この段階で取材は既に始まっているのだ。取材者が大メディアに所属しているならいいが、徒手空拳で臨むならこれもやむを得ない。
取材では聞き役に徹したい
矛盾しているようだが、取材中は可能な限り聞き役に徹したい。間違っていけないのは、あれもこれも聞こう、聞かなきゃと考えることだろう。問う人ばかりになってはいけない、聞く人になろう。
もちろん質問はするのだが、相手に話をしてもらう。ときどき話があらぬ方に飛びそれがあまり面白くなかったなら、元に戻すといった具合に交通整理だけすればいい。この交通整理がインタビューの一番の難所だと思う。このコツをぜひ数をこなしてつかんでほしい。
聞き忘れはその場で聞かなくてもいいのだ。後でメールや電話で聞こう。でも2点くらいが限度だろう。
上手くいった取材、そうでない取材
「いやぁ、よくお互いよくしゃべりましたな」という取材は、結局のところ上手くいかなかった取材。インタビュアーも必死になって話についていったが、自分語りしてどうする。相手にしゃべり倒させぐったりさせないと。「取り留めもない話をたくさんしてしまい」なんて疲れた顔で言ってきたらいい原稿の期待大だ。あなたにうんざりしているのではない。話し疲れたのだ。きっと取材中で気づかなかったけれど、文字を起こしてみたらまだどこにも話していない「お宝」があるかもしれない。
つまり、相手が取材を通して何かに気づいたり、言葉にうまくできなあと思ってもらえるのが一番いい取材だと思う。
堂々と表玄関から行こうじゃないか。
こういうインタビューを何回も繰り返し場数を踏んでいけば、取材後に「自分のことなのに感動した」なんて言われるかもしれない。その1本こそが、あなたの「実績」であり、次の仕事を生む。
この「実績」を引っ提げ、今度は闇雲に身の周りに「つながり」を見出さなくても、今度こそ堂々と玄関をノックして取材を獲得しようじゃないか。
取材は受ける側のタイミングの問題でもある。良い提案やプレゼンができたとしても実現に至らないことなどザラだ。断られても断られても提案する図々しさと、どうしたら取材に漕ぎつけられるのかアイデアがいる仕事だ。他の仕事とそう変わらない、地味なもんだ。
実際にどのような形で提案しているか? 何かライターとしての仕事について質問があればコメント欄、メッセージ何でもいただければ可能な限り回答したいと思います。お待ちしています。
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