美少女に振り回され幼馴染みには猛アタックされ普通じゃない。無期限スキル付きは思ったよりもチート。
あらすじ
陰キャ(もしくはボッチ)が、学年の美少女に「なぜか」からまれ、それにあわてた幼馴染みが、突然アピールを開始するけど、不自然なくらいに主人公は ひくつで、鈍感であ~る。
本編
「あんたなんか、だい、だい、大っ嫌いなんだから」
そう言って、毎日のように、下駄箱の中の上履きを隠したり。
休み時間を狙って筆箱の中に、消しゴムのカスを散乱させたりする。
そう、この少女は西園寺 怜香(さいおんじ れいか)と言う。
そして、・・・・・・おっと、俺としたことが、なんてこったい。
肝心の自分の名前を言い忘れるとは。
申し遅れました。
俺の名前は、一文字 雷生(いちもんじ らいせい)。
いわずと知れた童貞少年である。
※
この学園、私立『聖(せんと)アンダンテプオレシア』に入学してからというもの、雷生は、この幼馴染み、怜香のオイタ(いたずら)にさいなまれる。
始まりはいつも雨。
そんな感じです、はい。
俺の名前は、一文字(いちもんじ) 雷生(らいせい)。16歳。いたって普通の男子高校生さ。
何が普通かだって!
「チ、チ、チ」
その質問はナンセンスってなもんさ。
だって普通な人間にとってこれといった特出した才能なんてないんだもの。
笑っちゃうよね。
お門違いさ。
勉強普通。
スポーツ普通。
容姿普通。
他には、・・・・・・普通。
俺は陰キャな人間を目指して生活をしている。
どれくらい陰キャかって?
成績・・・・・・は大学入試に関係するから頑張っているが、朝はクラスの誰よりも早い時間に登校を済ませ、空気と同化して本を読む。
クラスで会話する友達は、二、三人。こう言っちゃあー、なんだが、しゃべる奴はクラスのイケメンとかじゃなく、日常の一コマにいるようなただの平凡だ。
・・・・・・と、こんな感じに普通の生活をしているわけだが。
おっとそうだ。話がそれるところだった。それはそうと、みんな聞いてくれよ。
・・・・・・俺には秘密があって、俳優をしている。
ある日。
仕事でクラスいち、いや学校いち、日本いち、世界いち、宇宙いちの美少女がナンパされているところを助けてから、俺の陰キャ生活が、一変してしまったんだ。
俳優の仕事といっても、エキストラ。
よく主役が、飲食店でごはんを食べている席の隣りの席や真向かいの席にいる人。
主役が公園で待ち合わせをしているときに、犬の散歩やジョギングをしている人、・・・・・・そう、あれ。
給料は1回3000円。
1回というのは、8時間拘束されても、1時間で終わっても変な話 給料は変わらないのだ。
なぜ、こんなにも時間に幅があるのかというと主役の都合。
女優だとメイク直しとか、泣く子も黙る大御所だと、ただ単に遅刻とか・・・・・。
今日も、俺は待っている。
「これ、何待ち?」
叡覧 鈴音(えいらん すずね)は、新進気鋭のアイドルだ。
・・・・・・と、まあ、ここまでだったらよくある某投稿小説サイトのランキングを騒がしている『幼馴染みざまぁ』の笑い話なのだが。
なんと、彼女は、俺と同じクラス。
彼女は、成績優秀スポーツ万能、クラスいち、いや学年いちの美少女といっても過言ではない。
そんな美少女がまさか女優を目指していたとは!
ということは、群がるハイエナも多い。
今も、休憩中、彼女の周りには電話番号を聞こうと様々な男どもが群がる。
残念ながらマネージャーは近くにいない。
(ちっ、こういうことやられると、帰る時間が遅れるんだよな)
どうせ同じ3000円なのだから、1時間で終わる方が良い。
俺は、缶ジュースを持って近付き、ハイエナたちに向かってぶちまけた。もちろんわざとだ。
「ええ加減にせい」「気をつけろや、ガキ」「いてまうぞ、おんどれ」
と、言った言葉に頭を下げながら、ハイエナたちは巣へと散った。
「あ、あの~ありがとうございます」
「気にしなくていい。早く撮影を終わらしたかっただけだ」
※
そして、撮影は無事に終わった。
「待って。私を助けてくれた白馬の王子さま」
「人違いだ」
廊下を歩いていたら、声をかけられたので素知らぬ顔で、そう答えた。
内心ドキドキもの。
後ろの方では、残念そうにしている鈴音。そして、野次馬たちの怒声。
「そんな・・・・・・。あの鈴音のお誘いを断るなんてあり得ないよね」
「あいついったいなんなんだ?」
「てか、何者?」
「ああ見えて、さぞ名のあるコンツェルンの御曹司とか」
とか、そんな感じで。
皆の者。勘違いしないでほしい。俺は、ただ『陰キャ』で、いたいだけなのだ。
それにしても・・・・・・、
(まさかばれたのか?)
(学校では黒縁メガネをかけ、黒髪ウィッグをつけているから、ばれる要素なんて1ミリたりともないはずなのに?)
(なぜだ!)
(このままでは、『陰キャ』から、美少女に声をかけられている『最高の主人公キャ』にレベルアップしてしまう!!)
「♪ティロリロリーン~♪」
そのとき、レベルが上がったことを知らせる音楽が辺りに、・・・・・・まだ鳴り響かなかった。
「待って。私を助けてくれた白馬の王子さま~」
うっ、まだいたのか、あいつ。
「人違いだ~」
「待って~」
※
今日も雷生は、美少女からの追求をひたすら断り続ける。
「待って。私を助けてくれた白馬の王子さま~」
「人違いだ~」
陰キャな俺は、屋上で昼食を済ませ、食後の時間を、本を読みながら過ごしていた。
本は良い。心が洗われる。そして何より時が経つのが早く感じる。
ページも中程に差し掛かった頃、突然声をかけられた。
鈴音だった。
「何を読まれているのですか?」
上目遣いにのぞかれた。
「?!見るな。俺も。本も」
「何でですか?教えてください。本のことも。あなたのことも」
俺は、戸惑いながらもその場を足早に去る。
それにしても・・・・・・、
(まさかばれたのか?)
(学校では黒縁メガネをかけ、黒髪ウィッグをつけているから、ばれる要素なんて1ミリたりともないはずなのに?)
(なぜだ!)
(このままでは、『陰キャ』から、美少女に声をかけられている『最高の主人公キャ』にレベルアップしてしまう!!)
「ティロリロリーン」
そのとき、レベルが上がったことを知らせる音楽が辺りに、・・・・・・まだ鳴り響かなかった。
「待って。私を助けてくれた白馬の王子さま~」
うっ、まだいたのか、あいつ。
「人違いだ~」
※
今日も雷生は、美少女からの追求をひたすら断り続ける。
「待って。私を助けてくれた白馬の王子さま~」
「人違いだ~」
「ふー」
(今日も俺の暗たんないち日が終わりを遂げた)
これでいい。何もかも。逆に何も起きなくていい。
俺は、陰キャなのだから。
そう勇みこんで校門から外への道へと足を踏み出したその時?!
「一緒に帰ってよろしいでしょうか?」
鈴音だった。
放課後、校門の前で待ちぶせされた。
「撮影現場で私を助けてくれた人ですよね?」
「ち、違う」
「どうしてそこまで否定するの?」
腕をつかまれた。
「離せ、離せよ」
「いや。本当のことを言ってくれるまで私、離さないから」
俺は、無理矢理 鈴音の腕を振りほどいた。勢いで鈴音はその場でしりもちをついた。
「いた~い。ちょっと何するのよ!」
「ごめん。そんなつもりじゃなかったんだ」
俺は、近付き手を差し出した。
(?!)
瞬殺だった。
俺の黒縁めがねと黒髪ウィッグがはぎ取られた。
「やりー。私ね。合気道 初段なの。ちかん防止対策」
この際どうでもいい。ついにバレてしまったのだ。俺の正体が!!
「やっぱりね。私の思った通りだ。あのときはありがとね♪一文字雷生くん。私は、叡覧鈴音。よろしくね」
そう言って、俺の腕を組んでくる。
そして、その時、視線を感じてその方向を見ると、西園寺怜香の姿が。
彼女は驚きのあまり、その場にバックを落としてしまった。
それにしても・・・・・・、
(ついにばれた)
(学校では黒縁メガネをかけ、黒髪ウィッグをつけていたというのに)
(くやしい!)
(このままでは、『陰キャ』から、美少女に声をかけられている『最高の主人公キャ』にレベルアップしてしまう!!)
「ティロリロリーン」
そのとき、レベルが上がったことを知らせる音楽が辺りに、・・・・・・ついに鳴り響いた。
「レベルアップ!攻撃力、・・・・・・その他かつあい・・・・・・それぞれの数値が上がりました」
「私を助けてくれた白馬の王子さま」
抱きつかれた。
「人違いだ~」
西園寺怜香は、俺をなぜかけいべつの眼差しで見ている。
※
今日、雷生は、美少女からの追求に、・・・・・・捕獲完了。
俺の名前は、一文字(いちもんじ) 雷生(らいせい)。16歳。
ネットサーフィンとオンラインゲームが趣味の高校生の俺には、クールでちょっぴり口の悪い(でもそこがまためっちゃ、かわいい!)幼馴染みがいる。
その名も西園寺 怜香(さいおんじ れいか)。
お、今日も現れた。噂をすれば影、という奴だ。
「おはよう」
「・・・・・・」
「うるさいわね。聞こえてるわよ。この小汚ないオス豚。早くなさい」
「オス豚って・・・・・・」
「何?なにか文句があるのかしら。お前は私の家来なの。家来が姫に逆らうことは許されないのよ。さあ、ひざまづきなさい」
怜香は、腰に腕をあて、片足を前に出し、あごをななめ45度に上げて、挑発ポーズをつくる。
俺は、ひざまづいた。
「なめなさい」
彼女が、ローファーを差し出す。
俺は、ペロリ、となめる。
「それでいいのよ。いい子ね。従順な家来よ。オホホホホホー」
彼女の高笑いがその場にこだました。
俺は、自転車に彼女を乗せて学校に向けて走り出す。
俺の毎日の日課。これは彼女から課せられた使命なのだ。
怜香は令嬢で、才色兼備という言葉がよく似合う。
そんな俺が、彼女と知り合い、・・・・・・というだけでも奇跡なのだが、俺と怜香との時間はあくまで校門まで。
彼女は令嬢であるし、「学校で振る舞う令嬢キャ」というものがある。
俺は、俺で、「陰キャ」というものがある。そんな二人が接点を持ってはいけないのである。
だから誰よりも早くの登校。
俺は、本を読み、彼女は、スポーツ万能のポジションをキープするため、部活動の朝練にいそしむのだ。
と、まあ、こんな感じ。
「私は満開の花なの。そして私の周りの者たちは、私を際立たせるために、存在するの」
「Yes.」
「私が欲しい、と言えば、お父様もお母様も、はいはい、よしよし、と買ってくれる。この世に私の手に入らないものなんてひとつも、ないの」
「Yes.」
校門に着いた。
俺が差し出した手を、パチンとはねのけ、自力で自転車を降りる。
いつもの段取りである。
しかし、これをやらねば、彼女は納得をしない。
だから、はねのけられると、わかっていてもする。
家来の役割は三つ。
毎朝マシンガンのように繰り返される彼女のグチに、ただYesとうなずくこと。
決してNo
と、言ってはいけない。
Noというとき。それは自転車送り迎えの使命から解任されることを意味する。
俺の名前は、一文字(いちもんじ) 雷生(らいせい)。16歳。
ネットサーフィンとオンラインゲームが趣味の高校生の俺には、クールでちょっぴり口の悪い(でもそこがまためっちゃ、かわいい!)幼馴染みがいる。
その名も西園寺 怜香(さいおんじ れいか)。
お、今日も現れた。噂をすれば影、という奴だ。
「おはよう」
「・・・・・・」
もちろん返事はない。いつものことである。
自転車の荷台に怜香が足を乗せた。
俺は、それを確認すると、ポケットからハンカチを出して靴磨きを始める。
「しっかりやるのよ。私の家来」
磨き終えた靴を、怜香が、脱いで落とした。
もちろんわざとだ。
「あら。ごめん遊ばせ。足がすべってしまったわ」
俺は、靴を拾い、怜香に履かせる。
再び、彼女は荷台に足を乗せた。
俺は、それを確認すると、ポケットからハンカチを出して靴磨きを始める。
「それでいいのよ。いい子ね。従順な家来よ。オホホホホホー」
彼女の高笑いがその場にこだました。
家来の役割は三つ。
彼女の靴を磨くこと。
その手が俺の前に差し出された。色白でひとつない透き通った白い肌。
俺は、その手を見ながら生唾を飲んだ。
「何してるの?早くなさい。家来」
俺は、その言葉にうながされるまま、彼女の手に口づけをした。
「それで?何か言うことはないのかしら」
「はい。お姫様。あなたは誰よりもお美しく、こ、こ・・・・・・」
かんだ。
そして、・・・・・・「バチーン」ひっぱたかれた。
痛い。
その手が俺の前に差し出された。
そうこの場合、やり直しである。
彼女の手に口づけをした。
「それで?何か言うことはないのかしら」
「はい。お姫様。あなたは誰よりもお美しくこの世であなた様にかなうものなど、到底見当たりません」
「よろしい。苦しゅうない。おもてを上げーい」
彼女のこうまんちきな顔がそこにはあった。
うっ。でもやっぱかわいい。
「いい子ね。従順な家来よ。オホホホホホー」
彼女の高笑いがその場にこだました。
家来の役割は三つ。
彼女の手に口づけをすること。
「あんたなんか、だい、だい、大っ嫌いなんだから」
そう言って、毎日のように、下駄箱の中の上履きを隠したり。
休み時間を狙って筆箱の中に、消しゴムのカスを散乱させたりする。
そう、この少女は西園寺怜香と言う。
学園内で、俺は、「怜香に嫌われている陰キャ」という設定になっている。
基本、会話することはないのだが、どうしても会ってしまったとか、関わってしまったとか、そういう例外の場合、
「あんたなんか、だい、だい、大っ嫌いなんだから」
と、怜香から言われることで彼女から、俺は、嫌われているのだと、他者に認識させるのだ。
休み時間が終わり、席に戻って筆箱を開けたら、中から消ゴムのカスが散乱した。
「あんたなんか、だい、だい、大っ嫌いなんだから」
怜香がそう言った。
俺は、幼馴染みの怜香が好きだ。声に出してもう一度言う。・・・・・・「大好きだ」
中学の時、俺は片想いの最中で、いつか告白して絶対に幸せにすると心に決めていたけど、恥ずかしさと緊張から行動できず、あやふやなまま、日々が過ぎた。
それは突然のことだった。
高校に入学してから、怜香は突然 性格が変わった。
今でこそ、姫と家来の関係だけど、中学までは、そんなことはなかったのだ。
「私は姫。あんたは家来よ」
突然、彼女はそう言った。
彼女の父は学園に莫大な寄付をしていて学園は彼女の父に頭が上がらない。俺も逆らえば、学園にはいられない。
それから、家来に役割を課す姫へと変化した。
以上が、幼馴染みの怜香と俺、雷生との姫と家来のなりゆきである。
そして、話は、鈴音に俺の正体がバレてしまった日にと、戻る。
いつぞやの校門での鈴音との一件があって以来、幼馴染みの様子がおかしい。
何だか、幼馴染みの様子がおかしくなった。
「雷生。良かったら、お昼、私と一緒に屋上で食べない?」
な、なんと。
開いた口が塞がらなかったことはいうまでもない。
「今日ね。お弁当作ってきたの。私のお手製よ。良かったら食べて」
な、なんと、お弁当を作ってくれた。あの俺に靴磨きをさせたり、手に口づけをさせたり、俺を家来扱いさせていた、あの怜香が、だぞ、諸君!
かわいい花柄の巾着袋から取り出す弁当箱。
中には、赤いウインナーと玉子焼きと唐揚げ。そして、おにぎりが2つ。うまそうである。
「私ね、あなたのために愛情こめて精一杯作ったんだからね。もう、感謝しなきゃダメだぞ」
ガッ、ハッ。
言わずと知れたこと。俺は、昇天した。鼻血ブー、である。
「ねえ。あ~んしてあげようか」
「え、いいの。本当に」
「うん。だってあなたのために愛情こめて作ったんだもの」
「うん」
「はい。あ~ん」
俺の口の中でタコさんウインナーはおどりを始めた。
神様仏様。この幸運に感謝いたします。
俺は、そうやってなぜかわからぬ幼馴染みのひょうへんぶりを心の底から喜んだ。
「ねえ。今日 学校終わったらカラオケ行かない?」
始まりはいつもの雨、とかそんなことをプロローグで言っていた自分が、まるで嘘のように感じる。
今日も怜香の愛情弁当を食べて、横で俺の顔を上目遣いにながめる彼女に俺は、そう言われたのだ。
「うん。いいよ」
「良かった。やりーぃ」
その場で立ち上がって、怜香は、ハイジャンプした。その衝撃で、スカートが舞ってショーツが見えた。
白だった。
彼女は気づいていなかったので俺もあえて、「パンツ」とは、ツッコまなかった。
※
前回の続き
その場で立ち上がって、怜香は、ハイジャンプした。その衝撃で、スカートが舞ってショーツが見えた。
白だった。
彼女は気づいていなかったので俺もあえて、「パンツ」とは、ツッコまなかった。
※
そして、今回のお話。
カラオケボックスで、怜香は、『定番のジャパニーズポップス』を歌う。俺は、わからないながらも適当な合いの手を入れた。
「どうだった?私の歌唱力」
彼女がわざわざ俺の横に座る。肩とひざが当たる。彼女のさらさらなロングヘアーの髪からリンスのいい匂いがした。
俺は、緊張して顔が真っ赤になる。
そうして、頭が真っ白になって彼女の話など、まるで頭に入ってこない。
「おいしいクレープ屋さんがあるんだ」
そう言われて、怜香とお目当てのクレープ屋で並んだ。すでに女の子達がいっぱい並んでいて俺は、驚いた。
「ねえ、クレープは食べたことある?」
「いや、あるような・・・ないような・・・・・・」
「いやだ、もうっ!ちょっとーどっちなのよ」
ひじで、俺のわきを小突いて、「もうっ」。
「ねえ、雷生。今度の中間テストの勉強、はかどってる」
「まあ、ぼちぼちでんな」
「いやだ、もうっ!ちょっとーどっちなのよ」
ひじで、俺のわきを小突いて、「もうっ」・・・・・・2回目。
このように、並んでいる最中、彼女は俺に話しかけながら、さりげなくボディタッチをされるようになった。
※
前回の、続き。
「いやだ、もうっ!ちょっとーどっちなのよ」
ひじで、俺のわきを小突いて、「もうっ」・・・・・・2回目。
このように、並んでいる最中、彼女は俺に話しかけながら、さりげなくボディタッチをされるようになった。
※
そして、今回のお話。
聞いたことがある。男性からのボディータッチはセクハラだけど、女子からのボディータッチは、好意のある証拠なのだと。
「よっしゃー」
俺は、心の中で、ガッツポーズを作った。
家に帰った俺は、日課である大好きなオンラインゲームとネットサーフィンを封印し、怜香のことを考える。
・・・・・・こんにちまでの、怜香の一連の行動の意味を。
あのひょうへんぶりは、いったいなんだろうか?
まるで人が変わったようではないか。いったい彼女に何があったというのだろうか?
その時、玄関から誰か帰ってきて階段を上がり、そのまま俺の部屋の前を素通りして、隣の部屋のドアが、バタンと、しまった。
俺の妹である。
ったく。中学生になってから「心(こころ)」は、俺に「ただいま」の挨拶どころか、日常の会話すらしなくなった。以前は、「おにいちゃん、おにいちゃん」と金魚のふん、みたいについてきていたというのに。
思春期の難しい年頃の反抗期という奴だろうか。・・・・・・あっ!!そうか。俺は、合点がいく。
怜香も反抗期だったのだ。今、ここにきてようやく雪が融けたのだ。
早く心も融ければいいのに。そう思って俺は、机に突っ伏した。
前回の続き
家に帰った俺は、日課である大好きなオンラインゲームとネットサーフィンを封印し、怜香のことを考える。
・・・・・・こんにちまでの、怜香の一連の行動の意味を。
あのひょうへんぶりは、いったいなんだろうか?
まるで人が変わったようではないか。いったい彼女に何があったというのだろうか?
その時、玄関から誰か帰ってきて階段を上がり、そのまま俺の部屋の前を素通りして、隣の部屋のドアが、バタンと、しまった。
俺の妹である。
ったく。中学生になってから「心(こころ)」は、俺に
「ただいま」
の挨拶どころか、日常の会話すらしなくなった。
以前は、
「おにいちゃん、おにいちゃん」
と金魚のふん、みたいについてきていたというのに。
思春期の難しい年頃の反抗期という奴だろうか。
・・・・・・あっ!!そうか。
俺は、合点がいく。
怜香も反抗期だったのだ。
今、ここにきてようやく雪が融けたのだ。
早く心も融ければいいのに。
そう思って俺は、机に突っ伏した。
※
そして、今回
雷生は、勘違いしやすく、思い込みの激しい性格。
このとき、雷生は、反抗期のせいだ、本気でそう思っていたのである。
※
※※※※※※※
隠していてもしょうがないので、俺は、鈴音に正体を暴露した。
特に驚きもうなずきも、たいした感動もなかったけれど、ただ一言、
「やっぱり。」
私の眼に狂いはなかったです」
※
ホレられるというのは、なんだかんだいって
悪い気はしない。
ただ、鈴音には
「俳優の仕事をしているということだけは、誰にも言わないでくれ」
と、念をおしておいた。
あくまで「陰キャ」なのだ。この俺は、そのポリシーだけは貫いておきたい。
「雷生は、私の物なんだからね。勝手にとったりしたら、もう許さないんだからね、もう。プンプン」
ここにきて、重大な問題が発生した。
怜香のアプローチが、ここにきてとんでもなくハードなこと。
特に、鈴音からの、「抱きつき攻撃」があったときなどは、ことさら、その言葉に攻撃性と、ラブイチャ言葉にすごみがます。
朝、怜香と登校してきたら、校門の前で鈴音に会い、
「おはよう」
と、出会い頭、言ったかと思ったら、そのままなりふり構わず俺に抱きついてきた。
鈴音。・・・・・・正直うれしいけど(うれしいん、かい!)、今、この状況はまずいよ。
「待っておりましたわ。雷生さま。わたくし心の底からお慕い申し上げております」
「いや、うれしいけど?今はまずい」
と言って、鈴音のスーパーハグから逃れようと必死!
「雷生は、私の物なんだからね。勝手にとったりしたら、もう許さないんだからね、もう。プンプン」
※※※※※※※※※※
前回の続き
朝、怜香と登校してきたら、校門の前で鈴音に会い、
「おはよう」
と、出会い頭、言ったかと思ったら、そのままなりふり構わず俺に抱きついてきた。
鈴音。・・・・・・正直うれしいけど(うれしいん、かい!)、今、この状況はまずいよ。
「待っておりましたわ。雷生さま。わたくし心の底からお慕い申し上げております」
「いや、うれしいけど?今はまずい」
と言って、鈴音のスーパーハグから逃れようと必死!
※※※※※※※※※※
そして、今回。
「なぜ逃げますの」
「いや、逃げるとかじゃなく(いや、もし、隣に怜香がいなければ、いつまででも、本当、こうしていたい」
「そうか、そうですのね。雷生さまはわたくしのことがお嫌いなんですね」
と、泣き出す始末。
「違う、違うから」
と、いい子いい子していると、鈴音は喜ぶが、少し離れたところから、こわ~い視線が、鬼の形相で俺のことを睨み付けている。
無論、怜香だ。
前回の続き
※※※※※※※
ここにきて、重大な問題が発生した。
怜香のアプローチが、ここにきてとんでもなくハードなこと。
特に、鈴音からの、「抱きつき攻撃」があったときなどは、ことさら、その言葉に攻撃性と、ラブイチャ言葉にすごみがます。
朝、怜香と登校してきたら、校門の前で鈴音に会い、
「おはよう」
と、出会い頭、言ったかと思ったら、そのままなりふり構わず俺に抱きついてきた。
鈴音。・・・・・・正直うれしいけど(うれしいん、かい!)、今、この状況はまずいよ。
「待っておりましたわ。雷生さま。わたくし心の底からお慕い申し上げております」
「いや、うれしいけど?今はまずい」
と言って、鈴音のスーパーハグから逃れようと必死!
「なぜ逃げますの」
「いや、逃げるとかじゃなく(いや、もし、隣に怜香がいなければ、いつまででも、本当、こうしていたい」
「そうか、そうですのね。雷生さまはわたくしのことがお嫌いなんですね」
と、泣き出す始末。
「違う、違うから」
と、いい子いい子していると、鈴音は喜ぶが、少し離れたところから、こわ~い視線が、鬼の形相で俺のことを睨み付けている。
無論、怜香だ。
※※※※※※※※※※
そして、今回。
そして、しばらくしてからこう言ったのだ。
「雷生は、私の物なんだからね。勝手にとったりしたら、もう許さないんだからね、もう。プンプン」
キ、キター(゜∀゜ 三 ゜∀゜)
「幼馴染みめ。俺が美少女と話始めたら嫉妬のあまり、邪魔してきやがった!」
「ボディーアタック」
鈴音の激しいタックルをかましてきた。そこに巨乳ぷるんぷるん、という付加価値をくっつけて。
今、俺は、授業を終えて、次の休憩時間までのあいだ、誰もいない視聴覚室で、孤独をたんのうする陰キャを演じていた。
関わらなくていい。
目立たなくていい。
平凡無事にいられれば、それでいい。
それこそ陰キャの心得何だから。
バタンっ。
前回の続き
※※※※※※※※※※※※※※※※
今、俺は、授業を終えて、次の休憩時間までのあいだ、誰もいない視聴覚室で、孤独をたんのうする陰キャを演じていた。
関わらなくていい。
目立たなくていい。
平凡無事にいられれば、それでいい。
それこそ陰キャの心得何だから。
バタンっ。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
そして、今回。
すごい音がして、ドアが開いた。
と、同時に、鈴音がとてつもない勢いで入ってきて、俺を見つけるなり、
「ボディーアタック」
と、言って、きたのだ。
(そのまま抱き締めちゃえば、いいじゃん!!)
神の声が聞こえた。
あくまで神の声。
俺の声ではない。
前回の続き
※※※※※※※※※※※※
鈴音がとてつもない勢いで入ってきて、俺を見つけるなり、
「ボディーアタック」
と、言って、きたのだ。
(そのまま抱き締めちゃえば、いいじゃん!!)
神の声が聞こえた。
あくまで神の声。
俺の声ではない。
そして、今回
※※※※※※※※※※※※※※
「やっぱりここでしたのね。わたくし。あなた様の行動は手に取るようにわかりますの。何でしょう?自分でも把握しえないこの、高鳴る感情は?」
ひとりで考えて、納得するな。
と、ツッッコミを入れられなかった。
前回の続き
※※※※※※※※※※※
「やっぱりここでしたのね。わたくし。あなた様の行動は手に取るようにわかりますの。何でしょう?自分でも把握しえないこの、高鳴る感情は?」
ひとりで考えて、納得するな。
と、ツッッコミを入れられなかった。
※※※※※※※※
そして、今回。
鈴音・・・・・・この子。こんなに激しく自分の感情をむき出しにする子だったんだ。
あまりに、パワフルでオープンな性格に俺は、動揺を隠せないでいた。
人間わからんもんである(^_^)
「よし、待ち合わせ場所を決めよう」
鈴音と怜香と俺の3人がはちあわせてしまうから修羅場になる。
だったら、3人にならなければ良いのだ。
そう思ったら、今までのモヤモヤが、何だか嘘のように、霧が晴れたみたいになった。
なんて簡単なことだったんだと、あらためて、自分が缶詰のようになっていたことを恥じる。
まるで、缶切りを手に入れた気分になる。
よし。
そうとなれば、話は早い。
さっそく手に入れた缶切りを手に入れて、缶詰を開ける。
前回の続き
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「よし、待ち合わせ場所を決めよう」
鈴音と怜香と俺の3人がはちあわせてしまうから修羅場になる。
だったら、3人にならなければ良いのだ。
そう思ったら、今までのモヤモヤが、何だか嘘のように、霧が晴れたみたいになった。
なんて簡単なことだったんだと、あらためて、自分が缶詰のようになっていたことを恥じる。
まるで、缶切りを手に入れた気分になる。
よし。
そうとなれば、話は早い。
さっそく手に入れた缶切りを手に入れて、缶詰を開ける。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
そして、今回。
その手段はこれ。
そう。
落ち合う場所である。
鈴音とは、体育館裏。
怜香とは、放課後の教室ということで話はつけた。
これにて、
私立『聖(せんと)アンダンテプオレシア学園』
に、おける「第三次世界大戦の開幕」は、何とか回避できた。
人類の平和は、無事に守られたのである。
あ~あ、良かった、マル
「雷生。良かったら、お昼、私と一緒に屋上で食べない?」
な、なんと。
開いた口が塞がらなかったことはいうまでもない。
「今日ね。お弁当作ってきたの。私のお手製よ。良かったら食べて」
な、なんと、お弁当を作ってくれた。
あの俺に靴磨きをさせたり、手に口づけをさせたり、俺を家来扱いさせていた、あの怜香が、だぞ、諸君!
かわいい花柄の巾着袋から取り出す弁当箱。
中には、赤いウインナーと玉子焼きと唐揚げ。そして、おにぎりが2つ。
前回の続き。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
な、なんと、お弁当を作ってくれた。あの俺に靴磨きをさせたり、手に口づけをさせたり、俺を家来扱いさせていた、あの怜香が、だぞ、諸君!
かわいい花柄の巾着袋から取り出す弁当箱。
中には、赤いウインナーと玉子焼きと唐揚げ。そして、おにぎりが2つ。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
そして、今回。
うまそうである。
「私ね、あなたのために愛情こめて精一杯作ったんだからね。もう、感謝しなきゃダメだぞ」
ガッ、ハッ。
言わずと知れたこと。
俺は、昇天した。
鼻血ブー、である。
前回の続き
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「私ね、あなたのために愛情こめて精一杯作ったんだからね。もう、感謝しなきゃダメだぞ」
ガッ、ハッ。
言わずと知れたこと。俺は、昇天した。鼻血ブー、である。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
そして、今回。
「ねえ。あ~んしてあげようか」
「え、いいの。本当に」
「うん。だってあなたのために愛情こめて作ったんだもの」
「うん」
「はい。あ~ん」
俺の口の中でタコさんウインナーはおどりを始めた。
神様仏様。
この幸運に感謝いたします。
俺は、そうやってなぜかわからぬ幼馴染みのひょうへんぶりを心の底から喜んだ。
zu・・・zuzuzuzu・・・zuzuzuz・・・
ハーッ?!
夢か。
夢なら覚めなくてもいい夢だった。
俺の名前は、一文字(いちもんじ) 雷生(らいせい)。
16歳。
ネットサーフィンとオンラインゲームが趣味の高校生の俺には、クールでちょっぴり口の悪い(でもそこがまためっちゃ、かわいい!)幼馴染みがいる。
その名も西園寺 怜香(さいおんじ れいか)。
俺は、片想い中で、いつか告白して絶対に幸せにすると心に決めていたが、恥ずかしさから行動に移せず、日々、悶々(もんもん)としていた。
何せ、陰キャですから、陰キャだけに。
目立つ行動はご法度(ごはっと)。
そんなある日のこと・・・・・・、奇跡は突然起きた。
それは、まるで突然降りだす夕立のように。
捨てる神あれば、拾う神あり、とはまさにこれ。
いつぞやの校門での鈴音との一件があって、幼馴染みの様子がおかしい。
以来何だか、幼馴染みの様子がおかしくなった。
それはそれで嬉しいけど、陰キャを貫く俺としての心境は何だかんだ複雑。
・・・・・・そして、今夜。
某サイトで、
『幼馴染みの存在と、その娘(こ)と結ばれるハッピーエンドなんて、・・・・・・現実的にあり得ないよね』
といった、「幼馴染み否定疑惑」が浮上した。
そんなお題で、某サイトが炎上しているのを目の当たりにする。
「そんなことは、断じてない!いや、あってはならんのだ~!!」
感情に蹴飛ばされるまま、そばにあったティッシュを上に投げたものの、フワフワと、宙をさまようだけで、逆にいらだちはおさまらず。
「まーまー」
と、自分をなぐさめ、そのまま俺は、幼馴染みの「SNS」を読んだ。(もちろん俺の名前はハンドルネームで、怜香にとって俺は、いち読者に過ぎない)
「あのねのね。
『幼馴染みと、イチャイチャするなんてあり得ないよね。ヤバくない!そんなこと馬鹿げてる。』
先日バスの中で、学生二人がそんなことを声を大にしてしゃべっていました。・・・・・・でもね。私は、そうは思わないんだな、これが。」
そうか。
前回の続き
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某サイトで、
『幼馴染みの存在と、その娘(こ)と結ばれるハッピーエンドなんて、・・・・・・現実的にあり得ないよね』
といった、「幼馴染み否定疑惑」が浮上した。
そんなお題で、某サイトが炎上しているのを目の当たりにする。
「そんなことは、断じてない!いや、あってはならんのだ~!!」
感情に蹴飛ばされるまま、そばにあったティッシュを上に投げたものの、フワフワと、宙をさまようだけで、逆にいらだちはおさまらず。
「まーまー」
と、自分をなぐさめ、そのまま俺は、幼馴染みの「SNS」を読んだ。(もちろん俺の名前はハンドルネームで、怜香にとって俺は、いち読者に過ぎない)
「あのねのね。
『幼馴染みと、イチャイチャするなんてあり得ないよね。ヤバくない!そんなこと馬鹿げてる。』
先日バスの中で、学生二人がそんなことを声を大にしてしゃべっていました。・・・・・・でもね。私は、そうは思わないんだな、これが。」
そうか。
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そして、今回。
彼女は読んだのだ。
某サイトを。
「だからか。」
怜香が、幼馴染みに関する、ぼやきを「sns」に投稿したことがきっかけで、不器用な俺と幼馴染みとの距離が縮まる。
俺は、納得がいく。
てっきり学校いちの美少女、鈴音の登場で、俺に対するジェラシーの爆弾に、導火線がついて、大爆発したのだと思っていた。
しかし実際は、違った。
原因の全ては、某サイト。
幼馴染みの態度が変わったことへの謎が解決したと、俺は、この時、本気でそう思っていた。
ザーザーと音がして、窓を見れば雨が降りだした。
俺は、突然不安になって、ビクビクしていたら、突然ドアがノックされた。
「ヒ、ヒャアー」
俺は、思わず大きな声で叫んだ。
「あー、ビックリした。どうしたの?お兄ちゃん。突然、大きな声を出して。」
「何だ。心(こころ)か。どうした?」
「どうしたじゃないわよ。お母さんがご飯できたわよって。早く下りてきなさいって、さ。」
「ああ。わかった。今すぐ行く。」
「もう早くしてよ。私、お腹ペコペコなんだから。」
そう言って去った妹が、何だかとても、いとおしく思えた、今日この頃。
「2人の淡い思い出 青春の1ページ?! デート編」
クールでちょっぴり口の悪い(でもそこがまためっちゃ、かわいい!)幼馴染みがいる。
その名も西園寺 怜香(さいおんじ れいか)。
お、今日も現れた。
噂をすれば影、という奴だ。
「おはよう」
「・・・・・・」
「うるさいわね。聞こえてるわよ。この小汚ないオス豚。早くなさい」
「オス豚って・・・・・・」
「何?なにか文句があるのかしら。お前は私の家来なの。家来が姫に逆らうことは許されないのよ。さあ、ひざまづきなさい」
怜香は、腰に腕をあて、片足を前に出し、あごをななめ45度に上げて、挑発ポーズをつくる。
俺は、ひざまづいた。
「なめなさい」
彼女が、ローファーを差し出す。
俺は、ペロリ、となめる。
「それでいいのよ。いい子ね。従順な家来よ。オホホホホホー」
彼女の高笑いがその場にこだました。
と、いつもなら始まる彼女とのひともんちゃくは、もはやもうない。
美少女。成績優秀スポーツ万能。叡覧鈴音(えいらん すずね)との、イチャイチャぶりを見せつけられてから、彼女 怜香の反応は180度変わった。
イマトなれば、何もかも皆なつかしい思い出だ。
「デートしよっ」
そう言い出したのは、怜香からだった。
俺は、内心ドギマギしながらも、
「あっ、うんっ」
と返した。
平常心をよそおったつもりだけれど、
「何、顔、真っ赤にしてんの?」
と、言われ、彼女には、どうやらバレバレだ
ったようだ。
事の始まりはこうだ。
クールでちょっぴり口の悪い(でもそこがまためっちゃ、かわいい!)幼馴染みがいる。
その名も西園寺 怜香(さいおんじ れいか)。
「それでいいのよ。いい子ね。従順な家来よ。オホホホホホー」
彼女の高笑いがその場にこだました。
と、いつもなら始まる彼女とのひともんちゃくは、もはやもうない。
美少女。成績優秀スポーツ万能。叡覧鈴音(えいらん すずね)との、イチャイチャぶりを見せつけられてから、彼女 怜香の反応は180度変わった。
「デートしよっ」
そう言い出したのは、怜香からだった。
俺は、内心ドギマギしながらも、
「あっ、うんっ」
と返した。
平常心をよそおったつもりだけれど、
「何、顔、真っ赤にしてんの?」
と、言われ、彼女には、どうやらバレバレだったようだ。
事の始まりはこうだ。
「あと、1年で私たち卒業じゃない。その前に、あなたと思い出作りがしたいの。ねえ、いいでしょ?」
「うん。悪い話じゃない。」
とは、間違っても口に出しては言わず、
「まあ、いいよ、そういうことなら」
と、俺は、当然のように、えらそうに言った。
それを聞いていた彼女の顔がなぜか、悲しそうに見えた。
いや、気のせいだろう。
放課後の教室。
無論、他には誰もいない。
俺と怜香の二人きり。
窓から差し込む夕日が、怜香の顔を照らし、そのせいだろうか。
一段と彼女が、美しく見えた。
「よっしゃー。くっせつ17年。あわよくば今日こそは童貞をすてるぞ。脱!童貞。脱!恋愛経験〇。アイ ラブ エブリシングー!!・・・・・・急げ、早くしないと遅刻するーー!」
と雑踏のなかを勢いよく駆け出したこの男。
本作の主人公である。
勢いよく走っていた足を突然とめる。
周囲の町並みを見渡す。そして、
「ってあれ?どこだ。ここ?ん。あっ、西口と東口、まちがえた」
本作の主人公である。(多分・・・・・・(^-^;))
政令指定都市の有名駅の繁華街の東口。
時刻は夕方にさしかっているにもかかわらず、気温は日中とかわらず、雑踏の中の風景は蒸し暑さをかもしだしている。
その東口の大手ショッピングセンター正面玄関入り口前には、十代の女子高生が
「きゃぴきゃぴ」
と一体何の話をしているのか話の脈絡はつかめないが、
「まじ?」「やばい」「うけるんだけど」
といった単語はかろうじて聞き取れる。
また、耳にスマートフォンをあて声の調子を半音あげてしゃべっているスーツすがたのサラリーマン。
白や黒の薄手のブラウスにスカートの姿や、リクルートスーツのOL《オーエル》がスマートフォンを見ながら、人差し指を横にスライドさせている。
それぞれ何人かがちらばっている。
その前を、いかつそうな男性のキャッチがところせましとあるきまわっては、二人連れ以上の通行人に
「居酒屋いかかですか」
とこえをかけている。
そんな中へ一文字《いちもんじ》雷生《らいせい》―(17)―がスマートフォンを片手に持ちながら、きょろきょろと視線を左右に動かしている。
「目印は、黒髪のロングヘアにところどころまばらに茶色がかっている。それに多分スカートルックで。手にはスマートフォン」
雷生、周囲みまわして。
・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・う~ん。いないな」
そう思って、SNS《エスエヌエス》―(ソーシャルネットワーキングサービス)―で連絡をとろうとした矢先、
雑踏のなかから、某アイドル似の目のくりっとした女の子が、
「あのー」
とあきらかに雷生のほうに近づいてくる。
雷生は思わず心のなかで
「かわいい」
と叫ぶ。きたーw(゜∀゜ 三 ゜∀゜)
西園寺《さいおんじ》 怜香《れいか》―(17)―である。
が、雷生におもむろにちかづき声をかける。
「雷生」
『あっ。怜香。待った?』
「うん。ちょっとね。でも良かった。無事に会えたから」
怜香は雷生の姿、形に注視した。
片手に黒いかばい。眼鏡かけてて短髪。フレッシュな姿がそこにはあった。
まだあか抜けていない、それが逆に雷生の人柄とマッチして良く似合っていた。
怜香の姿を見て、雷生はこう続ける。
いや。あらためて遅れてごめん。それにしても・・・・・・雷生は心のなかの胸のおもいを一旦、きった。
そして今度は、口に出してきちんと言った。そのまま雷生は、そのおもいをごまかし、かくすように、こほんと、空咳をしてから、
「私服姿って普段とイメージ変わるね。最初誰かと思っちゃったよ」
と、誰かは分かっていたけどお世辞にも似た冗談をいいながら雷生はこう思うのである。制服姿もいいけれど、私服姿もなんともたまらんっつうの!もちろん口には出さないが。
「そういう雷生だって、全然イメージ変わる」
『そうかな・・・・・・』
と、いいながら、雷生は自身の、腕周りや体全体を見回す。もしかしてなにかおかしなところあるのかな。
いや、髪もセットしてきたしな。しいていうならピンクのシャツ・・・・・・いや、もしかして体臭?
まいったな。香水の量すくなかったかな。ワンプッシュ。両腕にこすりつけるくらい。ネットのイケてる男のみだしなみSNSのコラム参考にしたんだけどな。
ちきしょうめ。もうぜったいみない。「いいね!」もしない。
自分に自信がない雷生は、怜香の言葉を額面通り受けとれず、意味のない余計な事を考えてしまうのであった。
2人の淡い思い出 青春の1ページ?! デート編 おわり。
2023年 7月某日 東京都では日中八王子市で39.5°cという この世界は終わりではないかと思えるぐらいの猛暑日が続く ある日 事件は起こった。
ここは、 知る人ぞ知る ▪迷▪学園
私立『聖(せんと)アンダンテプオレシア学園』。
前回 この学園に、おける「第三次世界大戦の開幕」は、何とか回避できた。
人類の平和は、無事に守られたのである。
はずであった。しかし また、 勃発したのである。
それは何の前触れもなく 例えば 梅雨に降る雨のように。 例えばそれは 男と女の恋の始まりであるように。
例えばそれが 夕食の献立がカレーライスだと思ったらハンバーグだったという 帰宅してからの突然のおかあさんからのアクシデントのように
例えばそれが自分のこと 慕ってるとばかり思っていた妹が突然彼氏ができて お兄ちゃん お兄ちゃんと慕わなくなってしまう 何とも寂しい きっかけの あの日のように。
例えばそれが クラスの女の子で自分のことを嫌いだと思っていたのに実は好きだったという 突然のサプライズ告白を 受けたり。
そんな日常の当たり前のことのように起きる アクシデントのように始まったのである。
雷生を巡る 美少女と美少女の戦いがこの1つの教室の中で幕を開ける。
西園寺 怜香(さいおんじ れいか)と 叡覧 鈴音(えいらん すずね)。
この2人の対決は避けて通れないだろう。 怜香の表情が 不敵な笑みを浮かべている。 上目遣いになるのは彼女が本気を出す仕草 ポーズ である。 本気になった怜香は何をしでかすかわからない。 相手の表情を伺いながら あの手この手と自分の 出す手を考えているのだ。 さらにたちが悪いことに 両手をほっぺに当てて 膝をついている。 まずい 上目遣いと 体勢は 怜香の 最大の本気モードである。 さらに言えば 片方の上履きを脱いでかかとを見せびらかしているではないか。 かかとに関しては 俺も噂を噂でしか聞いたことはないが 本気 100%とするならば上履き 上履きの 上履きを抜いてかかとを見せた彼女は 120%と言っていいだろう。 まずい このままでは 鈴音が危ない。 鈴音は 銃を持っている。 銃に詳しいものでなければ 鈴音が持っているのは モデルガンの レプリカではないということはわからないだろう。 瞬時にはわからないだろう。 だが 怜香にはわかるのだ。 廊下の雷生は感じ思う。まずい このままでは直接対決は避けられないだろう。 雷生は廊下の窓から2人の行く末を見守るしかないのか いやこのままで 2人の直接対決は下げられない 雷生は何としても 二人の対決を止めたいのだ 雷生は普段から使っている 脳みその 濃縮した 脳みそをさらにフル回転させて頭を使って2人の対決をどうしたら避けることができるかを全身全霊を使って考える。 何せ時間はないのだから。
鈴音の左足の 網タイツ には 呪いが描かれている。 女の子の呪いだ 女の子の表情が 4種類 に分けて 描かれている。 これは 鈴音の お気に入りの ストッキング 編みタイツ これを 履いて 銃の攻撃がうまくいかない場合 足からのハイキックが飛び出る。 これを食らったらひとたまりもない。 一瞬で脳天 クラッシュだろう。
お互い それぞれの間合いに 入っている。 いつでも攻撃可能な距離なのだが 二人の間にある教壇が この2人の攻撃開始の合図をある 意味 ストップさせているのだ。 教壇がなかったら一触即発 どっちがどうなってもわからないような そんな間合いで ある。
怜香は 左足の上履き 鈴音は左足の網タイツ 面白いものだ お互い 形は違えど 同じ足にそれぞれの キーアイテムを装着しているのだから とはいえ 怜香の場合は ただ単に 踵を見せている だけなのだが それが攻撃への臨戦態勢であるというのだから面白いものだ。
表情を見る 怜香の方は 少し 口角 を上げて 半笑い と言ったところだろうか。
はたや 鈴音は と言うと 左頬をつたっている汗が焦りを隠せないといったところだろうか。 それに鈴音は 顔面蒼白といったところまではいかないまでも おでこから目の当たりまで 蒼白 状態になっている。 やはり 怜香を前にしての焦りは隠せない。 怜香 一歩 リードといったところだろうか。 主人公の雷生は とめるべきか どうするか真剣にろうかの窓から2人の様子を眺め 考える。 左手に銃を持つ 鈴音の 逆の手には 奥の手があった。 怜香は気づいているだろうか。 いや 気づいていないだろう。 なぜなら彼女は私の 顔をバカにするように 挑発するように 半笑いで見ているのだから。 銃はオトリだ。 銃よりも私の右手に握るこのちっちゃな 折り鶴のような この 物が 彼女が隙を 見せた瞬間に投げつける。 マジックではないけれど この鶴は私の手から一度離れれば 命を持ったように飛び立ち 狙った獲物を離さない。 今、白だけれど 血を吸って赤くなることから ブラッドレッドと呼ばれる 一級品の魔術道具だ。 鈴音は思う。 蚊に刺される程度のものよ 命までは取らないわ。
鈴音を思った。 怜香を見ながら 思った。 一触即発のこの状況の中で思った。 この 魔術道具には欠点がある。 それは自分の血ではだめだということ 私はここに来る前 強姦に襲われそうになり 危うく すんでのところで 倒した。 その際 私は返り血を浴び 服 は汚れ 左足にも傷を▪▪▪▪▪▪を4つほど おった。そのかすり傷が 呪いの女の子 お気に入りの 私のお気に入りの 鈴音の 網タイツにいいようにグラデーションを起こしてる。 それは お気に入りの女の子として 推しの女の子として。
2人を分かつ 教壇 特殊なコーティング加工がされている。 はたから見れば 一件 何も変わらない 教室によくある教壇でしかないが この特殊コーティング 実は 滅多なことでは壊れないようになっているのだ。 そしてこの中には 一般には公開されていないが特殊な武器 が たくさん入っている。 それは銃であったり ライフル銃であったり ナイフであったり 刀であったり剣であったり ハンマーであったり 斧であったり あわよくば 人を殺傷する能力はいくらでもあるような武器が入っているのだ。 そしてこの情報は 鈴音も怜香も知っている。 知っているからこそ 2人の空気 場の空気 はさらに 殺伐としたものになっているのである。何とも恐ろしい 教壇の秘密である。 もちろん このことを雷生は知らない。いや 知っているはずなどないのである。 知っていれば今すぐ 廊下から 教室に入り 飛び込んで二人の一触即発の空気を止めたであろう。
名匠(めいしょう) クリスタルエクスプローラー 。
この世界に生きてきて 彼の名を知らないものは その筋の道なら いないと言われるほどの 職人である。 彼の作る作品は 武器 から家具まで あらゆるものに至る。
彼の作る作品は プレミアがついていて上は何億下でも何百万と言われるほどの価値がつく。 中でも 彼の 晩年の 作品でもある プレミアシリーズ は 15あるうち それは 10件 刀 ナイフ からなるもので プレミア1が一番高い価値を持っていると言われている。 そして この教壇の中には そのプレミアシリーズの一つが眠っているのである この存在を知っている彼女たちは自分の打つ手がなくなれば確実に この教壇の中にあるプレミアシリーズを 取り出し 戦いに使うことは必至だ。
怜香は ここに来る前にある盟約をした。 盟約とはその言葉通り 魔界との契約 魔界の生き物との契約である。 魔界と聞くと言葉は悪いがいわゆる ファンタジーの世界 を想像してほしい。 ファンタジーの世界で生きる 生き物と 契約すること それは 使役と言われる。 お互いの ギブアンドテイクが合えば 双方の願いが一致すれば 盟約が可能なのである。 この度 怜香はインプと盟約を交わした。インプとは 小悪魔である。 体は110cm ぐらい 背中から羽が生えている。 小柄な体からは想像がつかないか いざ戦いとなれば 得意の得意技のナイフを投げて相手を痛めつける。 その殺傷能力 自体は大したことはないが 刃に塗られている 毒が相手の体力を確実に消耗させる。 インプの ナイフで傷つけられたら直ちに病院に行かなければ 致命傷となることは必至である。 今 怜香は 背中のバックの中に そのインプを入れている。 雷生は そのバックのその 怜香の背を バックの中から羽が1枚 飛び出ているのを。その見たこともない異界の生物の羽に 雷生は 得体の知れない 生物への嫌悪感と 自身の背中をほと走る 冷や汗を認めないわけにはいかなかった。確実に恐怖を覚えるのであった。
インプの名前はサバルという 人間にいたずらをするのが大好きで たまに 人間界に降りてきては人間の前に現れ いたずらをする。 でも いたずらが終わるまでは 人間の前に姿を現すわけではない。 そもそも インプはいたずらをするのが好きだけれど人間の前に姿を現すのは好きではない。 インプはそのいたずらを見て楽しむことに快感を生きがいを覚えるのである。 しかしこのいたずら 今回は失敗してしまう。 それは 怜香に対しておこなった いたずら。
サバルは 水たまりを作った人が通る T 字 の手前 あたり その水たまりを踏んだ時に滑るように特殊なコーティングをした水たまりだった。 滑って お尻をしりもちをついて スカートの中からショーツが見えることを楽しむのである。 インプは体が小柄のため 思うようなファッションができない。 だから人間の おしゃれに嫉妬を感じている。 今回で言えば 怜香は女子高生の制服を着ているのだから、うらやましいのである。 しかし怜香は水たまりを踏んでしりもちをついたものの中から見えたのは ショーツではなく ホットパンツであった。 そのことが インプ サバル をびっくりさせ、 興奮した サバルの姿を 怜香に見せつけると言った 始末になってしまったのである。 そして 怜香のすごいところはこの異界の小悪魔を見ても 驚きもせず 冷静に話しかけ いたずらが好きだと言われた サバル に対して もっとたくさんいたずらを見せてあげるわ と交渉もちかけいたずらが大好きな サバルはこの交渉に乗り2人の利害が一致したと言ったところである。 かと言ってそのままインプが 歩いていたら 人目につくことは必至だ。 そこで考えた怜香は自身のリュックサックにサバルを入れるということを思いつき 今に至る。 まさか サバル もこんな 一触即発するはずの現場に 自身が 駆り出されるとは思ってもいなかっただろうが。
鈴音の 持っている銃は 小型のシリンダー銃である。 玉は6発 入る。 女性用に扱いやすくするために 重さは 軽く一般の男性が使うような銃より重さは2/3 ほど軽く 銃先も 短く作られている。 男性の扱う 銃よりも 1/2 ほど 銃口が短い。 そしてこの銃の面白いところは 6発入れる玉 一発一発 それぞれ 効果が違うことだ。 睡眠麻痺 毒 体力消耗 動きの低下 視覚低下効果 聴覚 低下効果 嗅覚 低下効果 といった 作用を弾丸 に込める ことで様々な効果を相手に与えることができるミラクル 銃である。 今 鈴音はその銃を持って相手の動向 息遣いを探っている。 一発目は 睡眠にするか 麻痺にするか彼女は その判断に その聡明な 頭脳で 選択をどうするか決めかねているのである。
雷生は決めた。 今自分が2人の間に飛び込んだところで2人の空気を止めることはできないだろう。 彼女たちはなぜならばもう 臨戦態勢 なのだから。 だとすればできることは 隙をついて どちらかの動きを止めることになるだろうと考える。 彼女、 彼女たちの空気は 誰も止めることはできない。 変な話 校内放送がかかろうが 音楽がかかろうが 周囲の声がうるさくなろうが 第三者が彼女たちに声をかけようが お構いなし 今彼女の目の前には目の前の彼女しか 視界にないのである。 そんな状況で 雷生が声をかけたところで 飛び込んだところで 2人の動きを止めることはできないだろう。 だとすれば彼女の隙を止めることだ。 彼女たちに隙を作ることだ その隙を作ることで 少なくともどちらかの 動きを止めることができる。 今の雷生にできることはそれだけだ。 雷生はすり足で照明の教室の蛍光灯のスイッチの所まで 忍び寄る。 そして 停電するわけではなし 照明のスイッチを何度も切ったり入れたりすることで照明の室内の教室の 明かりを スパークさせたかのように 彼女たちに見せ 一瞬の隙をついて どちらかの動きを止めるのである。 雷生は心を決めた。 そして自由を持って今にも隙 あれば彼女たちに向けてたとうとする。 常にターゲットを定めた。 照明のスイッチを入れたり切ったりする。 何度も何度もり 案の定 彼女たちは その室内の照明の動きにスパークをしたのか と、戸惑いを見せる。 雷生は走り 鈴音に飛びついた。 虚をを突かれた鈴音には 雷生に動きをガードされる。 その光景を見て 怜香は戸惑っている。 ことの異変に気づいた インプ が 怜香のバックから飛び出しその姿を見せる。 インプの姿を目の当たりにしても雷生も 驚かなければ 鈴音も驚かなかった。 というより そんな余裕はなかった。 そして 雷生は叫んだ。
「この勝負 終わり。 俺のために争うのはもうやめてくれ。 こんなことをしてもらう。 嬉しく思う。なんてこともない。 俺は2人とも愛している。2人とも幸せにする」
この言葉を聞いて 2人は争うことをやめた。 ここに 第3次世界大戦 ―私立『聖(せんと)アンダンテプオレシア』学園における戦い―は終止符を 打ったのである。
(完)