2022年12月23日(金)ライブに行った
この日が来たか。
今日はあるバンドの現体制ラストライブの日。
東京へ近づく新幹線の小窓から外を見つめる。
2週間ほど前に、そのバンドからおしらせがあった。
それは、ベースとギターが23日のライブを持って脱退し、残るボーカルとドラムの2人でバンドを続けるというものだった。
驚き、悲しみ、感謝の気持ちでぼうっとした。
理由もなく夜更かしをした次の日にハッとする。
ラストライブ、行かなきゃ。
ライブは友人と行くことになった。
目指すは東京の吉祥寺WARPというライブハウス。
用事があったため途中から乗り込む予定だ。
当日。
用事が終わった途端すぐに友人に連絡をし駅で合流、切符を買い、なんとか乗り継ぎをこなして吉祥寺WARPに到着した頃には、19時30分を過ぎていた。
ちなみにライブの開演は18時30分。
一刻も早く入りたい。
けれども入り口が分からない。
結局手前で15分くらいうろうろしてしまった。
やっとのことで、入り口を見つける。
中はとても賑わっていた。
吉祥寺WARPというライブハウスは入口から半地下になっており、半地下(?)1階は右手に受付と奥に伸びるドリンクカウンター、左手にテーブルと椅子が2組置かれたお洒落なバーのようだった。
受付を済ませ、居場所が分からず浮いていた私たちはとりあえずフロアへ向かおうとバースペースを抜ける。
開けた場所の正面には関係者控室、左手には階段があった。
階段を恐る恐る下り、重たいドアを開けてみるとそこにはフロアが広がっていた。
入ってすぐ、グッズが置かれた机がずらりと並んでおり、前方のステージでは次の出順であろうバンドがリハをしていた。
お客さんもちらほら。
転換中だから上のバーにみんな集まっていたんだな。
20時を過ぎた頃だったので、その日の対バンの5組のうち2組が終わっているようだった。
そこからはゆったりライブを楽しんだ。
ライブは、初めての場所でも不思議といつも来ているような感覚にさせてくれる。
あっという間に4組目が終わっていた。
会場は十分に暖まっていた。
今回の主役である4人が準備を始める。
ああ来たんだな。
いつのまにか会場の人口が増えていた。
ライブは、あまり時間を置かずに始まった。初め、ベースのもえのさんとボーカルのケイナさんの2人がお酒がなんちゃらこうちゃら〜(あまり聞こえず…)って喋ってた。
すんごい、笑顔。
ほんとに今日が現体制ラストライブ?っていうくらいフッ軽な印象を受けたけど、これがこのバンドのホーム:吉祥寺での4人なのかなぁと思ったり。
ステージが照らされる。
変わらず4人の顔は晴れ晴れしていた。
最初の音が楽器だったのか声だったのかは覚えていないけど、私が過去に見たライブの10倍はエンジンがかかったスタートだった。
ケイナさんが『悲しませてしまったのならごめんなさい』(記憶曖昧、意訳ごめんなさい)と話した。
心の中で、まあねぇ…(ぼる塾田辺さん風)と返答。
いや、盛った。
そんなことあるけどないよ。
1曲目。いつもの「Orangeroom」だ。
拳を挙げる。
目頭が熱い。
ステージにいる4人の粒だった光がまとまりフロアに降り注ぐ。
積極的に浴びに行く。
楽しい!
(ここから記憶が薄れ始める。)
2曲目はベースから始まるあの曲。
「地下室の花」だ。
渾身の拍手。
『ありがとう』とケイナさん。
さらに力を込めて拍手をする。
さっき飲んだハイボールがほどよい。
後から気づいたのだがmvの撮影地はここ、吉祥寺WARPだった。
えぐい。
聴けると思わなかった3曲目、「朝焼け」。
何度心が沈んだときに聴いたことか。
途中、前の人の隙間から頭を出し各メンバーを覗き見る。
かっこよ。。
4曲目、大好きな曲。
「再生」
いださんのドラムのずんずん感がたまらん。
マイク越しにケイナさんが真っ直ぐ伝えてくるのも好き。
顔しかめすぎてしわっしわ。
マスクがあって良かった。
視界不良。
5曲目は「ビスケットアイス」だった。
MVが脳裏に浮かんでこれまたしわっしわ。
イントロのしょうへいさんのギター、泣いちゃうよ。
斜め前でノリノリだったニキが突然俯いたと思ったら顔を手で覆って泣き始めた。
私もそれを見てシンクロ泣きした。
ケイナさんの『アンコールはやらないので最後、聴いてください。ここ(吉祥寺WARP)で一番やった(演奏した)曲です。』(これまた記憶曖昧、意訳ごめんなさい)の言葉で最後の曲が始まった。
驚くことに、私はこの時間だけ記憶がすっぽり抜けていた。
全く覚えていなかったのだ。
後から曲を教えてもらい、振り返って聴いてみてもピンと来ない。
不思議。
というか記憶力がゴミだった。
唯一の心残り。
でも覚えてなくても分かる、間違いなく良い。
4人が最後に演奏した曲は「食卓」だった。
ライブが終わった。
終わらないでくれと思っていた。
時を戻そう。
松陰寺を召喚したかった。
けど虚しくも、時間は止まらない。
4人の創り出した余韻が熱のこもった会場に響き、溶けていく。
次の日も用事があったので午前中には出発した。
あっという間だった。
昨日の夜、ライブ見たよな?
そんなことを思いながら小窓に映る都会の景色をぼうっと眺めていると猛烈な睡魔に襲われた。
遠ざかる、意識、記憶、東京………
だいぶ時間が経ってしまったが、記憶を掘り起こしながら今これを書いている。
2022年は私にとってこのバンドの存在が大きかった。
というかこれまでの人生でこんなに追えているバンドはほとんど無い。
理由は書こうと思えばいくらでもかけちゃうので今回は省きます。(^_^)v
もっと早く知れてたらもう少しライブも行けたのかな。
より応援できてたのかな。
とかとか思うところはある。
でも間違いなく私は、目撃した。
吉祥寺での現体制ラストライブ。
行きたくても行けなかった人の分まで目一杯に吸い込んだ。
ライブ中、私はずっと泣いていたが終わってみると悲しさはさっぱり消えていて楽しかった感情で溢れていた。
ここ大事。
これはライブレポとか大層な物じゃないです。
記憶喪失奴の備忘録。
2022年に出会えて良かったあるバンドの話。
これから4人は各々のステージで最高を更新してくれるだろう。
いちファンとして応援する。
ありがとう。がんばれ。
大好きです。
初恋モーテル。
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