メンヘラホイホイ-26 独占暴走女子
なんと声の主はミーだった。話を聞くとずっと俺の事を忘れられずに居たらしい。
あの時の状況を話し、不甲斐なかった事を謝った。
久しぶりに会うまでの間、何度も電話で話した。だけど通話料がかさむ。思い付いたのは携帯をもう一台契約し、通話専用にする事でお互いの通話料は浮くし、少しミーにも恩返しができる。そう思った俺はすぐにもう一台契約してきた。
当時はLINEもなかったし、パケット代も高かった。でも通話だけならパケット契約をする必要がないから基本料金は安く済む。
ミーに携帯を渡し、ネットやメールはこの携帯からはしないでと約束した。ミーは喜んでくれた。
ミーはあれから誰とも付き合っていないらしい。俺は先日の美容室オーナーの人の話しをしたら怒っていた。ミーは俺しか男を知らないから尚更だろう。
何度かデートをした。ミーは男を喜ばせる様に露出度の高い服を着る様になっていたのが残念だったが時期に落ち着くだろうと、あまり服装については触れなかった。
やがてミーに渡した携帯の請求書が届いた。
請求書は10万。おいおい・・・。
そしてデートに出掛けた。請求額については一切話していない。この日はミーの機嫌がすこぶる悪かった。
会って食事をし、携帯料金の事を問い詰めるとミーはブチキレた。
「〇〇(俺の名前)が使っていいって言って渡したんでしょ?ネットも大して見てない!」
請求書を見せたらミーの動きが止まった。
俺がミーに「その携帯を貸してくれ」と言ってネットの履歴を見て見たら、
一度別れた元カレと復縁
依存させる方法
と、調べていたみたいだった。
当時のネットの通信料はプランによってエグい金額になる。
俺が「約束してたんだから頼むよ」
と言ったらミーは震え始めた。
会いたくて会いたくて震えてる訳じゃない。
怒りで震えている。
そしてミーは俺から携帯を取り上げると壁に投げ付けてブッ壊しちまった。俺は呆れた。そのままミーはブチキレたまま帰って行ったが、反省してないから呼び止める事も引き止めもしなかった。
数日後にミーから電話が来た。
謝って来た。
「なんであの時に追いかけてくれなかったの?」
とも聞いて来た。
「反省してないから。」
ミー「また会ってくれる・・?」
俺「反省してるならいいよ。」
結局、俺は携帯代10万を払った。
携帯キャリアめ。ボロい商売しやがる。暴利だわ。
そして次のデート。ミーの希望でラブホテルに行ってみたいと言う。
チェックインすると
「なんでやり方わかるの?」
と、ミーに聞かれた。
もうね、この質問が出て来た時点でアウトだったと後になって思うが、、、読んで字の如く、後の祭りだ。
「いや、来た事あるからな。」
ミーはバンドのライブを見に来てくれた事があった。なので、過去に2人、当時の俺の彼女を見た事がある。
ミー「沙織さんと?ナオさんとも?」
俺「いや、よく覚えてないな。」
ミー「最後にラブホ使ったのいつ?」
俺「俺はそんな金無いからずっと昔だよ。」
ミーはそこから質問責めをしてくる。
あまりにもすごいクイズ大会なのでシャワーを浴びる事にした。
シャワー浴びて出てみると・・・
ミーがまたあの時みたいに震えていた。
今会っているんだけど。
ちなみに当時は会いたくて会いたくて震えちゃう曲はまだ発売されていないから・・・
じゃあ何故ミーは震えているんだろうか?
ミーの手を見ると俺の携帯を持っていた。
2つ折りタイプの携帯の液晶画面がミーの顔を照らしていた。