メンヘラホイホイ-18 計画
助けて欲しい。
俺は良平にひどくか細い声で頼んだと思う。
良平は何とかしてみる。と言って翌日連絡が来た。
「知り合いの人が持っているアパートの部屋が一室空いているから、そこに住んでいいって言ってくれたよ!敷金と礼金もいいって言うからちゃんとお礼言うんだぞ。」
良平にメチャクチャ感謝した。
その日の夜に良平は俺が知らない人を1人連れて来て、一緒に引っ越しを手伝ってくれた。
その人はユウジというらしい。
ユウジ「俺はなんで知らない人の引っ越しを手伝わされなきゃならねーんだよ!」
ずっと文句を言っていた。
立場上、俺がユウジさんに食ってかかる事はできない。数時間共にしていた時間はずっと平謝りしていた。
引っ越しが完了し、以前勤めていた居酒屋でバイトが決まった。大家さんにもお礼を言った。風呂ナシ共同便所の古いアパートだったけど、俺はゴキブリが出ない事に安堵した。
風呂が無いけど、良平は自宅のシャワーを使っていいと言ってくれた。その日は小学生時代から良く話す、良平一家にもてなされ、焼肉を食べに連れて行ってくれた。
そこから毎日のように良平とユウジさんはうちに来た。ご飯をご馳走してくれたり、かなり世話を焼いてくれる。
話しを聞いてくれるらしいと、良平は知り合いの人をこの部屋に連れて来た。四畳半の部屋に俺以外の人が5人、毎日押しかけて来た。一応、今までの話はした。
彼らが毎日来る事がだんだん重荷になって来た。
ユウジさん「なぁ、君にとって良平君は親友だろ?ちょっと親友の頼みを一つ聞いてやってくれないかな」
俺は何か嫌な予感を感じ、
「頼みが何かによりますが、、。」
人生で初めて告白を受けたのは中学時代。親友に告白された。俺はホモじゃない。そんな事を思い出し、怖気付いた。しかし、現実は違う。
人間ってやつは、心を開いた奴があまりに違う次元の話をすると言葉が出なくなるもんだ。
彼はこう言った。
立場上、俺は断る事に対して罪悪感を感じるこの状況での頼まれ事だ。
良平「実はさ、ココにいる人達みんなが〇〇(俺の名前)を大事に思っているんだ。でさ、みんなXXXXっていう仏教を心から信じているんだ。とても素晴らしい教えなんだよ。だから〇〇にもそれを知ってもらってこの負のループから抜け出させてやりたいんだ。」
俺「いや、その頼みは聞けないよ。興味が無いから。その頼みを聞かないと俺はどうなる?」
ユウジ「荷物をまとめて出て行ってもらう」
俺は絶句した。脅迫とも取れるこの状況。どうしたらいい?ちゃんと良平には納得してもらいたい。そして俺はこの宗教に魅力を感じた事すら無い。
数分間黙っているとユウジさんは怒り始めた。
ユウジ「君は親友の頼みすら聞けないのか!君が今回困った状況から助け出してくれたのは良平君なんだぞ?俺も手伝ったけど・・。そんな良平君の頼みが聞けないのか!?君には心というものが無いのか?」
メチャクチャイライラしてきた。しかし、立場は理解している。冷静に返事をした。とりあえず今日は疲れたんだ。寝かせてくれ。1人にさせてくれ。それしか頭になかった。
俺「すぐには答えは出せません。」
彼らは、わかった。また来るよと言って出て行った。
そこから3カ月。彼らは毎日この部屋に来た。
ご飯をご馳走すると言っても全て断って、ある時から部屋に入れるのを拒んだ。
そんなある日、ユウジさんが、頼むから話を聞いてくれ!と、懇願して来た。いつもの5人がそこには居た。