メンヘラホイホイ-53 推し活
婚活で会った数少ない女性のもう1人の女性はモモさん。彼女の中では既に俺と付き合っている事になっており、俺はモモさんに姓ではなく名前で呼ばれていた。
しかし、彼女は今まで男性と付き合った事が無いので照れがあった。そんな彼女を「まだ付き合っているという認識をするのは早すぎると思うんだけどな」と、俺は冷静に見ていた。言わなかったけど。
年齢は同い年だった。
付き合った人数を聞かれたが覚えちゃいない。
肉体関係を持った人数を聞かれたが、やっぱわからない。経験人数を増やしたいなんて微塵も思った事が無いからだ。
するとモモさんは
「何人いるか数えてみよう」と言った。
紙に名前を書いていく。
同じ名前が出る度にヨリを戻したのか?
また違う女なのかを逐一聞かれる。
一通り話した後に
「今まで自分から別れを切り出した人数は?」と質問された。
質問責めに少し疲労感を味わった。
彼女は野球が大好きだった。
一緒に野球を見に行こうという事になり、某球場へと向かった。
ナイターだったが、午後3時には開場に入れる。
モモさんはカメラを持っていて、それで推しの選手を撮影する為に早めに行く事になった訳だ。
開場に着くなり、モモさんはフェンスにベッタリと張り付き、推しの選手を撮影し始めた。
で、そのまま試合が終わるまでそんな感じ。
俺は野球に全く興味が無い。
試合が終わると彼女は1人で興奮していた。
モモさん「最高だったね!」
俺「そうなんだ。」
モモさん「次はいつ会おうか?」
俺「来週にしよう」
一応、会う約束はしたが全く気が進まない。
翌週にモモさんと会ってはみたものの、もう会うのはやめようと伝えた。
すると、モモさんは
「私はやっぱり野球が好きな人じゃないとダメなんだと思う」と言った。
予め、彼女には野球に興味が無い事を伝えていた。
俺が会う事を辞めると言った理由はそこじゃない。
根本的な人と人との会話や人間関係の形成に関する行動が合わないからだ。
それをキッカケに婚活の登録を抹消してもらった。登録している女性より、登録していない女性の方がより現実的で心がある。
まるで赤ん坊の様に自分の要求ばかり押し付ける女性しかココにはいなかった。まともな人はわずかしかいなかった。話が合わなかったが、素晴らしい人がわずかに居たのも事実。
それ以来、結婚する意味がわからなくなってしまった。
結局、そこからバイクに没頭した。
そうこうする中でクラブハウスというアプリに出会い、参加してみるとそこでは色んなバイク乗りと知り合った。
そこで出会ったのが銀座のホステスをしている一回り年下のミサキ。みんなが可愛い可愛いと言ったが、俺はしばらく女性に対して距離を置きたかったのでどうでも良かった。
しかし、ミサキからしたら余裕のある男に見えたらしく異常に懐かれた。
一部の仲間からは2人は付き合っているんじゃないか?と聞かれたが、そういう事が面倒臭かった。
話していると距離は縮まるもんだ。
俺はミサキと、ミサキの知り合いという男と3人で会う事になった。
ミサキの知り合いという奴は
「ミサキが危険な目に遭わないように」
という理由で急遽参加するそうだが、俺は彼と仲良く無いし、ミサキに対しても全く女性として意識した事がなかったしこれからも無い。
多分彼はミサキの事が好きだったんだろう。
若い子だから余裕も無い。
安心してくれ。俺は何もしないよ。
次回:銀座のホステス