歌舞伎町のサウナでの話
昭和の話である。
俺は20代前半。働いてた営業所は、西新宿にあった。
その日は、俺はアポは午後からしか無かったので、歌舞伎町で昼ごはん食べる前に午前中は、歌舞伎町のサウナに入った。
洗い場に入ると、先客が3人いた。
湯煙の中、見ると3人とも背中に絵が描いてある。
俺は緊張した。
だが裸になって入って来て、すぐ出たら逆に因縁つけられるだろう。
俺は覚悟を決めて、体を洗うのだった。
泡を飛ばさないように、お湯を飛ばさないように、最新の注意を払った。
そして、そっと湯船に入り、それからサウナルームに。
勿論サウナルームでも俺以外は、お絵描きしてある人たちだった。
俺はどう見てもカタギの若造にしか見えないから、大人しくしてたら絡まれる事もないだろう。
暑さからの汗だけではなく、冷や汗も流れたのは言うまでもない。
結局、俺は無事にサウナを出られた。
そして、そのままコマ劇場のビルの1階にある秋田屋って居酒屋の昼定食を食べたのだった。