フランくんT屋
フランくんは、プロレスサークルの後輩である。
俺が4年生の時の1年生である。
何故フランくんと言うのか?
それは顔がフランケンシュタインみたいだったから。だから、フランくんなのである。
フランくんは新日ファンだった。
時はちょうど、UWFが
旗揚げした時だった。新間氏が、私はプロレス界に万里の長城を築く、と豪語したUWFである。確かにWWWEのマクマホン・シニアが急逝しなかったら、新間氏との関係からアンドレ・ザ・ジャイアントやハルク・ホーガンを呼べた可能性はあった。
だが、旗揚げ前にマクマホン・シニアは亡くなり、跡を継いだビンス・マクマホンは、父の約束など守る筈もなかった。
だから前田明(当時)、ラッシャー木村、剛竜馬、グラン浜田、マッハ隼人のUWFは、ダッチ・マンテルやスコット・ケーシーやメキシカンレスラーで旗揚げするのだった。
そして旗揚げシリーズ最終戦の蔵前国技館大会、ここに前田明対藤原喜明がメインイベントとなり、この後高田、初代タイガーマスク、山崎が参加して、ラッシャー木村や剛竜馬が離脱するのだった。
この蔵前国技館大学、俺はサークルで一緒に観にいく人はいないかと誘ってみた。
だが、誰も手を挙げない。唯一フランくんだけが、連れてってくださいの言ってきたのだ。
だから俺は2人分のチケットを買った。チケットにはアンドレやホーガン他有名外人レスラーのシルエットが描かれていた。
これが、フランくんとの1番の思い出である。