ホテルの屋上ビアガーデン

駅前にあるホテルの屋上では、夏になるとビアガーデンが開催されていた。
そこのビアガーデンが有名なのは、ハイレグよ女の子がビールや料理を運んでくれるところだった。
従業員が全員そうなのではなく、普通のサービスマンのスタイルをしている人たちの方が多かった。
話してみたが、ハイレグの女の子たちは、東京のモデル事務所から派遣されていて、ビアガーデンの期間そのホテルに宿泊して、夜はビアガーデンで昼は休みだったのである。
平日の休みもあるから、用事がある人は飛行機で東京と往復したりしていたみたい。

俺の上司の次長は、このビアガーデンが気に入っていた。
このビアガーデンが始まると、行きたいのが分かるのである。
ただ、うちの上司は酒癖が悪い。
酔って道路で寝てて、トラックに轢かれて入院してた武勇伝もある。本人はトラックと相撲取ったら負けた、と言っていたw
1番ありえんてぃな経歴は、前職は銀行員だったが、宴会で上司を殴って辞める事になった事だろうなぁ。

だから当然、部下は一緒に飲みたくはない。他の課の課長とかも接待とか会社の宴会でなら同席するが、個人的には飲みに行ったりはしていなかった。
だが、唯一俺は一緒に飲みに行きたい人だったのである。理由は、二次会や三次会は、経費で落とせるから、ただで飲める事。然も自腹では行けない倶楽部とかに行くから、俺的には大歓迎だったのである。然も帰る時には、タクシー券をくれた。タクシーを使わずに帰って、自分で飲んで会社に車置いて帰った時の翌朝の通勤にそのタクシー券は使っていた。
飲み屋街から自宅までは、酔っても徒歩30〜60分程度で帰れたから、タクシーだと1000円もあれば良かった。だが家から会社までは、タクシーで1600円くらいだったから。

俺はビアガーデンのオープンは、地元の新聞に広告も出てたし、記事も出ていたから分かってた。
だから、オープンすると次長の席のところに誘いに行ってた。
ビートたけしのコマネチポーズを取り、これオープンしたみたいですよ。いつ行きましょう?行く前提で話す。
すると次長は、「お、そうか、明日行くか」となる。俺は同じ課だから、自分や同僚の忙しい時期や次長の忙しい時期も知っている。毎月の支払い日や銀行に資料提出する日とか知ってるから、それを外して誘うのである。
だから、すぐ話がまとまる。
その後は席に戻り、直属の上司に次長が明日ビアガーデン行くと言ってます、と伝えるのだ。すると、上司は次長とはあまり飲みたくないから、渋々他の課員たちに明日はビアガーデン行くからと話すのである。上司は子供がまだ赤ちゃんだったから、家に帰る方が楽しいのだが、仕方なく行くしかないのだった。
で、女の子たちは露骨に嫌そうにしながら、参加する。ほとんどの場合、ビアガーデンの飲み代も経費で落とされてたから、行っても腹は痛まないのだ。然も、ビアガーデンだけで帰っても、参加者全員にタクシー券は配られるから、損はしないのだ。

ビアガーデン会場では、次長はハイレグ女性にビールを🍺運んでもらって、目尻が下がっていた。嫌々来た人も、もう諦めて飲んで食べていた。料理はシティホテルの料理だから、美味しいのである。
女の子は、最初だけビールにして、後はジュースやウーロン茶の子もいたが、別に無理に飲ますことはないから、それで何も言われない。
俺はただ酒だから、ガンガン飲む。

ただ、ホテルを出て気づけば、俺は次長と2人だけになってる場合が多かったwちゃんとお疲れ様でしたと話してみんな離れていくのだが、気づけば2人w
そこからタクシーで、倶楽部に行くのである。
倶楽部では、請求書で払うので、その場では支払いはなく飲んでボトル入れたりしていた。
後日、請求書が送られてくると、俺の部下の女の子が、これどうします?と訊いてくる。すると俺はそれを持って次長の席に行き、ビアガーデンの日の二次会の請求書です、と渡す。すると、「おー、そうか。」と請求書には銀行接待とか書いて、判子を押してくれる。
俺はそれを部下の女の子に渡し、これで仕訳してねと話すのであった。
そして更に上司を経て、請求書は俺の手元に来て、俺はその請求書を定期支払いの中に組み込むのであった。


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