錦糸町の男

これは昭和の話で、俺が大学に入学した直後の話である。
俺は地方生まれだったので、都内の大学に入学して上京していた。
1年生の必修講義のクラスで、顔合わせの歓迎コンパが開かれた。当時は大学生は未成年でも酒も煙草も容認されていた。このコンパも教授も出席していた。幹事は学生だけど。教授も一緒に飲んでいた。当時は本当にそれが普通だったから。一気飲み強要とかも普通だった。一気飲み強要で死亡事件が起きて、規制する流れになるより前の話である。とんねるずの一気って歌が流行った頃と思ってもらって構わない。

コンパに参加した学生は、講義で顔は知ってたが話したこともなく、名前も知らない人がほとんどだった。だからの顔合わせなのだ。
俺はガンガン飲んでいた。当時の流れで、一気飲みもした。
酔った俺は、近くにいた学生と意気投合して話していた。彼の名前はもう覚えていない。講義は4年間一緒のあったが、ゼミは違ったから3年以降は深い繋がりはなかったから。

彼は一浪だったから、一つ年上だった。
自宅から通っていて、錦糸町に住んでいた。
錦糸町の与えるイメージは、今も当時も変わらない。だから彼は錦糸町だと話した時は、多分に自虐ネタ的だった筈。
だが、俺は地方出身者。上京した月である。都内の事には無知。勿論錦糸町って名前も初耳だったのである。
だが、なんか錦糸町が、錦馬超みたいで気に入ったのだ。
酔ってるから、何度もどこから来てるんだっけ?と訊いたのは、今でも覚えている。

錦糸町は、卒業して社会人になってからは、何度も行っている。
高校の同じ部活だった女の子の働く会社があり、俺は営業マンだったから時間は作れたから、昼に錦糸町行って一緒に昼メシ食べたりしたから。
他にも雑誌やテレビで紹介された中華屋とか飲食店に行ったりもした。夜の店には行った事無いw
勿論ギャンブル絡みの訪問もしていない。
月曜から夜更かしで紹介される錦糸町は、俺の知ってる錦糸町より遥かにディープゾーンであるw

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