近くでは飲めない教師生活
これは、友達の小学校教諭と飲んだ時、彼から聞いた話である。
大学で社会科とかの教員免許は取れる。
だが、小学校の教員資格は、基本的に大学の教育学部でないと、取得出来ない。地方の小学校の教師は、ほとんどが国立大学の教育学部卒である。
そして、小学校の教諭は、空きがない。どこの地方でも狭き門である。そして、それは点数が良ければ採用される訳ではない。
産休の代理教師とかで、その都道府県の僻地の群部でも断らずに臨時採用で行く、それを積み重ねて初めて、空きができた時に正式採用されるのだ。
その友人は、国立大学の教育学部を卒業してから6年間、その都道府県の群部を転々として、やっと正式採用されたのだ。たまたま彼は県庁所在地の教師として採用されて、本人もラッキーだったと話していた。一度県庁所在地の教師として採用されたら、その市の中では転勤するが、市外に出ることはない。市の教育委員会から採用されてるからだ。
彼は産休代理教師の時、いろんな町に赴任していた。アパートだったり、下宿だったり。
そう言う土地は、人との関係性が、都会に比べて、密接で執着的で変態的である。
外食したら、その食堂が生徒の家だったりする。
だから基本的に外食はしない。同じ理由で、近くの居酒屋やスナックとかで、飲む訳にはいかないそうだ。
だから、夏休みとかで実家に帰った時は、友達と思う存分飲んだりしていた。
群部では、どこで何したとかすぐ噂になるそうだから。そんな愚痴も言っていたよ。
彼は無事に県庁所在地で正式採用されて、実家に帰れたのだった。