見出し画像

猫が好き|いままでもこれからもずっと好き

もう20年程前、当時小学生だった私と猫のお話です。ほんの数か月の間でしたが、猫と一緒に暮らしました。猫と過ごした大切な時間を忘れないように、noteへ書いていきます。


■黒猫との出会い


 私が小学校3年生か4年生のとき。車を走らせていた父が、道端に捨てられていた黒い仔猫を見つけた。確か私は車に乗っておらず、家に帰ってきた父から、その話を聞いた。捨てられていた場所は、歩道がなく歩く人もいない街はずれだったとのこと。昼間、一度車を停めて様子を見たものの、用事があったのか仔猫は保護せずに、そのまま再度車を走らせた。


 でも、その日の夜、どうしても子猫が忘れられなかった父。だからまた同じ場所に行った。次は私も車に乗せてもらい、一緒に向かった。もういないかもしれない…と思いながら車に乗っていた私は、到着したとき安心した。子猫がいた!生まれてそんなに経っていないのでは?と思うくらい小さかった。急いで車にのせたが、ここでビックリ。7匹いたのです。


 ビックリしたが、夜遅かったので、急ぎ帰宅。使っていない部屋があったので、その部屋は猫部屋になった。トイレとご飯、水を用意したが、事前に準備済みだったのか、買い物してから帰ったのかは覚えていない。その日は終わった。


続く




--猫たちの話をする前に、私の家庭環境について少しだけお話します。裕福な家庭ではありませんでした。母が朝から晩まで働いていたので、子どもながらに、母親の身体が大丈夫か心配でたまらなかった記憶が残っています。父のことはよく分かりませんでした。一緒に暮らしているんですが、「何をしているのかが分からない」という表現になってしまいます。子ども目線では、母が大変そうなのに…といつも思っていました。そんな中で仔猫を連れてくることになり、複雑な気持ちだった半面、仔猫と暮らせるんだ!と、ワクワクした気持ちでいました。



■仔猫たちと一緒に生活開始!


 「一緒に暮らしていくとなると名前をつけないと」。そう誰かが言い始めて考え出したが、全猫が真っ黒で、パッと見、見分けがつかない。この時点で、いつまで一緒に居られるかなど分からなかったこともあり、首輪の色で名前をつけました。赤い首輪は『あか』、緑の首輪は『みどり』と。色そのままで。


 私は猫たちのことが気になり、毎日毎日様子を見に行っては、一緒に遊んでいた(遊んでもらっていたかもしれない)。ご飯やトイレ掃除も、自分でやりたくてやっていた。


 毎日仔猫の成長を見守っていると、人間と同じように個性・性格が出始めてきた。7匹いたが、きちんと覚えているのは3匹。


 1匹目は『あか』。全体的に丸い見た目をしている。太っていたわけではない。しっぽはかろうじてちょっとだけある。しっぽも丸かった。マイペースでおっとりしていて癒し系ねこちゃん。


 2匹目は『あお』。野性的。しっぽが二股に分かれていた。ある日、カーテンをよじ登るようになった。多分私がいないときも登っていたんだろう。一番上まで余裕で登っては下を見下ろしていた。カッコいい系ねこちゃん。


 3匹目は『みどり』。別の猫を呼んでも、必ず先に私の元へ来てくれた。いつも必ずと言っていいほど、「ニャー」と鳴きながら来てくれるので、嬉しかった。人見知りせず人懐っこい、甘え上手ねこちゃん。


 家に仔猫がやってきてから、母と一緒にお世話をしてきた。爪切りしているときに、猫たちが抵抗して、私の"左手のひら"を思い切り引っ搔いたこともあった(普段ほとんどのことを忘れる私が、未だに感触を覚えている。身体は忘れないものだなと思った)。それでも可愛くて可愛くてしょうがなかった。


 いつも何かを心配しながら生活していた私にとって、猫たちとの生活は心を癒してくれた。心の支えになっていた。


ねこたちとの生活が日常になっていた



■猫たちとの生活が…


 でも、この生活がずっとは続かないことが決まった。新聞で飼い主募集をかけることにしたとのこと。理由は何となくわかる。うちに余裕がないから。本当は7匹全猫とこれからも一緒に生活したい。…でもしょうがない。でも一緒に暮らしたい。無理なのか。しばらく気持ちがまとまらなかったことを覚えている。


 せめて1匹だけでも、、7匹全猫と暮らしたいけど、、でも、、。そう親に交渉していたような記憶があるが、結果は変わらなかった。


寂しい、離れたくない



■新しい飼い主候補たち


 新聞に載っていた募集を見て、飼い主になりたい人たちが、猫を見に来た。順調に引き取り先が決まっていき、1匹、2匹と家からいなくなる。


 7匹のうち、2匹は友達が猫の親となってくれた。そして、全猫飼い主が見つかり、私たちのもとから猫たちはいなくなった。


 しばらくは寂しくて、友達の家にいった猫の元へ遊びに行っていたが、いつの間にか疎遠になってしまったり、猫が脱走していなくなってしまい、完全に会えなくなった。


 ぽっかりと心に穴が開いてしまったようだった。


またねこに会いたい


■寂しいけど、猫のおかげで気持ちは成長した


 黒猫たちとの生活が終わってからは、今に至るまで、猫と暮らしていない。野良猫をみかけるとついつい家に連れ帰りたくなるが、気持ちを抑えている。小学生のときは、いっつも何かを心配していたので、ねこたちが家に来てくれたときは、心配<可愛い気持ちが強くなった。別れは寂しさに負けそうなときもあったけれど、ねこたちと暮らした数か月間を思い出すと、気持ちが強くなれる。一緒にいれた時間が私の宝物になった。


 今も、辛いことや、猫を見かけたときに、思い出しながら過ごしている。


 ちょっと思うことは、写真を撮っておけば良かったな、ということ。当時は自分の携帯電話は持っていなかったので撮れなかった。親がガラケーを使っていた気がするけれど、既に壊れて捨てているので写真はないだろう。


 思い出のモノというと、何故か『あか』の首輪だけ持っている。ほかのねこたちの首輪は一体どこへ行ったのか分からないが、この首輪だけは一生大事に持ち続ける。


『あか』の首輪


 黒猫たちへ「ありがとう」と伝えたいです。


終わり。


10日目

#創作大賞2024
#エッセイ部門
#66日ライラン
#黒猫
#ねこだいすき