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ちょっくらシルクロード横断してきます 〜中東・アジア旅行記⑩〜

第二章 パムッカレからカッパドキア、そしてシリア入国
三十路センチメンタルジャーニー
ep10,17時間のリアル「世界の車窓から」

 昨日ゲットしたハイダルパシャ駅からパムッカレ・エキスプレスに乗車する。列車の見た目はものすごくきれいで、こころなしか旅情緒も高まってくる。しかしそんな時間も束の間、次から次から次へとどんどん乗車率がアップしてくる。気がつくとほぼ満員の乗客を乗せ、パムッカレエキスプレスは出発。

 なぜバスのほうが安いし、時間もかからないのにわざわざ列車に乗ってくるのだろうと考えたが、その疑問はすぐに解決した。答えは一人当たりの荷物の量である。日本じゃちょっと考えられないぐらいの荷物を次から次へと抱えて乗客はやってくる。おそらく長距離バスでは積み込めないであろう量になっている。商売なのか、親戚や家族への御土産なのかはわからないが、昭和のレジャーシートのようなチェック柄のビニールの大きなバックをいくつも担いでやってくる。

 そんなこんなで列車の中は乗客のみならず、荷物のスペースですぐにパンパンの状態となった。そうこうしている内に、列車はゆっくりと進み始めた。さあ、17時間の旅の始まりだ。
 
 走り出してしばらくすると、イスタンブールからの都会からどんどん風景が荒野になってくる。荒れ果てた大地というわけではないが、日本のように山林や田園風景があるのではなく、そこには荒涼とした大地がただ広がっていた。「うーんいい感じ、これこれこの感じですよ!求めていたのは!」と思ったのも束の間、満員の乗客の声のボリュームがとんでもない。そしてほぼすべての乗客がそのボリュームで会話しているのか、はたまた言い合いしているのかは定かではないが、とにかくうるさい。列車が走りだして十数分でものの見事に、僕の思い描いていた「世界の車窓から」は見事に崩れ去った。このまま後17時間・・・(^O^)

 僕の「世界の車窓から」を見事に崩壊させてくれたパムッカレ・エキスプレスの旅だが、どれだけ乗客を観察していても腑に落ちないことがあった。走り始めてしばらくすると点々と駅にとまり、その都度新しい乗客、また列車から降りていく人達がいる。しかし、乗客によっては乗る駅と降りる駅の両方とも無人駅だったりする。またその間に車掌がチケットを確認しに来ることもない。

 そうつまり、僕には彼らは列車料金をどうしているか、全くそのシステムが理解できないのだ。もしかして無賃乗車?という疑問が頭の中を駆け巡る。まあ、国によっては無賃乗車を取り締まるのは抜き打ちのチケット確認だけで、駅の人件費削減などを優先し、多少は目をつむるという方式を取っている国もあるので、そうゆうことなのか?!と自分に正解のわからない答えを出して納得するしかないのだが・・・。

 そんなこんなしているうちに、太陽が降り注ぐ昼過ぎに出発した列車の車窓からの風景は夕日に染まり、やがて暗闇になっていった。流石に他の乗客も静かになり始め(食事の時間はすごいことになっていたが)、みんな眠りについていった。そして僕も荷物の施錠をしっかりとして(とはいえ、ただ自転車で使うチェーンロックをバックパックにくくりつけただけが・・・)ウトウトとし始め、いつの間にか眠りについていたようだ。

世界の車窓から

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^

HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったらよってみてください(^^)


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