
25番(今橋版) 名にしおはば逢坂山の 三条右大臣
2018年3月7日/今橋愛記
名にしおはば逢坂山のさねかずら人にしられでくるよしもがな 三条右大臣 〔所載歌集『後撰集』恋3(700)〕
歌意
逢って寝るという名をもっているならば、その逢坂山のさねかずらは、たぐれば来るように、誰にも知られずにあなたを連れ出すてだてがほしいよ。
以前に出た歌会で使われていた、つきすぎ。という言葉を思いだした。
べたすぎる、という感じの意味になるのかな。
どうにもこうにも言われたくない言葉。つきすぎ。
「逢坂山」と「逢う」、
「さねかずら」と「小寝」(一緒に寝ること)、
「くるよしもがな」の「くる」が
「来る」、「繰る」と掛かっているところで、わたしは
にーがーてーでーすー。と なり、
「繰る」は、「たぐり寄せる」の意味。というところで、
もうええわ。どうもありがと(ハイヒールの漫才の最後)。となる。
昔むかしには こりゃこりゃ右大臣は とんちが効いておるな。と
なっていたのかもしれないけれど、たぐり寄せられてもなあ。という気持ちを三条右大臣への返歌にした。
昨日いらつしつてください (※)
大阪の
近江の
いちども
お目にかかりません。 今橋 愛
※「昨日いらつしつてください」は室生犀星の詩