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ギリ19歳が行く、インド一人旅🇮🇳②

⚪︎1日のはずが3日経ったような気がする
3月4日(土)ジャイプール

  夜行バスに揺られ、サービスエリアのような場所へ。英語表記はなく、すべてヒンディー語。雰囲気だけ味わい、バスに戻る。
  車内は寝転がることのできる個室スペース。布団やタオルケット類ももちろんないので、寒さに耐えなければいけない。これがまた極寒。日中は暑く、夜間はとにかく寒い。

夜行バスの部屋


夜行バスの外観


  深夜3時前にバススタンドに着く。道路沿いにはたくさんのバスが停車している。ここまで電波は一切繋がらなかった。だから今からホテルを自力で探さなければいけない。途方に暮れる。
  ただ、バススタンド近くに激安のホテルがあるとガイドブックの"地球の歩き方"に書いてある。ひとまずそこへ向かってみることにした。

  バスを降りて10歩も歩かないうちに、「オレのリキシャに乗れ、チャイ飲まないか、ホテル紹介するよ、どこ行くの?」と怖いおじさんにひたすら声をかけられる。
  怖い。怖すぎる。野良犬は吠え、走り回っている。襲われそう。

  その集団を無視して、また10歩歩く。同じように「リキシャに乗れ、どこ行くの?」と声をかけられる。心なんて折れてる場合じゃない。進むしかない。
  また10歩歩いても、別の集団に声をかけられ、また10歩も歩いても同じように声をかけられる。リキシャに声をかけられて断ったとしても、その後ろにまたリキシャがいる。真っ暗な道に1人、知らない街で頼れる人もいない。怖くても歩き続けないといけない。

  ガイドブックに書いてあるホテルに行ってみるが、入口がわからない。なので、ちょうど目の前を通った大きいカバンを持った男性に声をかけた。彼は今からバスに乗る人のように見える。彼なら襲ってくる心配はない。信用すると心に決めた。
  インドの人は騙してくる人もいるが、それを超える優しい人もいっぱいいる。今回は優しい人だった。一緒にホテルの入口を探してくれた。入口を見つけたがシャッターが閉まっている。誰かがいる気配もない。

  そこで彼とはお別れをし、切り替えて次の作戦を考える。このホテルの隣のお家に青年2人がいた。彼らに声をかけ、このホテルは開いているかと聞いた。どうも閉まっているらしい。

  よし、切り替えて次の作戦。本格的に自分の足でホテルを探すしかない。20m先にホテルがあったのでそこへ向かう。
  受付の人にチェックインできるか聞いた。「今日はインド人しか泊まれない。」と言う。ホーリー(お祭り)があるからと断られる。

 ホーリーについて説明しておきます。インドの春を祝うお祭りで、少し違いはあるが満月の夜2日間、今回は3月6日と7日で開催される。神様を祈り、色のついた粉をかけ、水もかけ合う。それぞれの街、場所で違いがあり地域ごとに特徴がある。時にエキサイティングして少し話題になることも。ホーリー=色粉を顔や身体につけあう、無礼講の祭りだと思っていただければわかりやすいと思います。次回たっぷりホーリーについて書きます!では、続きどうぞ。

 通常ならここで別のホテルを探すが、今日はどうしても無理。怖すぎる。粘り強く交渉する。ロビーでいいから寝さしてくれ。休憩させてくれないか。と言ってもダメ。Wi-Fiだけ貰い、アプリでホテルを探す。その情報を元にまた歩き出す。

  もちろん歩けばリキシャに声をかけられる。
大きい荷物を持っているので逃げられないし、抵抗もできない。絶望の中、暗い道をまた歩く。
  まだ比較的に人通りもある大通りに面しているホテルにアタックしても全滅。一本、通りに入ったところにホテル街はある。そこに行くしかないが逃げ場はない。怖い。でも行くしかない。近くに駅もあったので野宿も頭によぎる。ここまで1時間、孤独と恐怖と怖い人たちとの闘い。

  そんな時にアラジンのジャファーそっくりの謎のおじさん、41歳に声をかけられる。どこからどうみても悪人顔。「どこ行くの?ホテル探しているのか。」と言われたので、藁にもすがる思いでとりあえず頼ってみる。
  バイクに乗って俺の知り合いのホテルに行こうと言ってくるがもちろん拒否。拉致監禁されては話にならんので、とりあえず場所を聞くがはるかに遠い。
  距離を取り、牽制しながら、この通りのホテルを一軒ずつ攻めるからついてきて。と提案したらOK。2人でこの通りでホテル探し。

  どこのホテルも深夜3時過ぎなので、スタッフにとっては面倒だ。だからホテルに泊まれない。インド人のみだと。ツアーを契約したら泊まらせてあげる。今日は満室だと言われる。だが、ここで少しは安心していた。
  このジャファーおじさんの働きぶりがとてもいい。結構交渉してくれる。少し頼れる。が、結果この通りのホテルは全滅。途方に暮れる。

  するとジャファーおじさんは再びバイクで知り合いのホテルに連れて行くよ!ともちろん拒否。歩いてしか行かないと自分を守るために強く言う。
  2人で歩いて隣の通りへ向かう。彼と話しながら歩く。彼はツアーガイドらしい。ライセンスカードも見せてきた。当然信用に値しない。ジャファーおじさんはホテルを取るためのサポーターだとしか自分は思っていない。

  そして、また同じように一軒ずつ攻めていく。同じように断られ続けるが、通りの最後の最後にジャファーおじさんの交渉の結果泊まることができそう。ジャイプールに着いて1時間40分。恐怖と戦いながらひたすら歩いた。この約2時間、初めて死ぬかもしれないと思った。自分の行動が一つでもずれていたら生きていなかったかもしれない。そのくらいギリギリのラインだったような気がする。友達や家族、たくさんの人の顔が思い浮かんだ。「絶対に生きる。こんなところで死んでられん」と何度も唱えた。

  ホテルの料金は1泊1500ルピー(約2500円)。高い。けど安心をお金で買うしかない。ホテルの施設は文句なしなので泊まる。
  おじさんは明日の朝迎えにくると言う。自分は電車のチケットを取りたかったので、ホテルから駅まで送ってもらう約束をした。

クオリティは文句なし



  部屋へ入り、寝ようとした瞬間に停電。スマホのライトを頼りにロビーに戻り何事かと聞くと、このエリアが停電したとのこと。
  復旧の時間は30分で直ることもあれば3時間かかることもあると言っていた。時間は朝方5時。インドらしくてワクワクするね。

  少しの睡眠で昨晩約束したジャファーおじさんと共に駅へ向かう。その前にチャイ屋に寄ろうと言われる。別にいいけど払わないよ。と言ったらチャイを奢ってくれた。おいしかった。その後もローカルの道を通り駅へ向かう。アッチャー!
  駅の前で降りる時に「今日の夜7時に迎えにくるから電話して!家に招待するよ、子どもに会わせたい。」と言われた。次に行く街、ムンバイ行きの電車のチケットがうまく取れれば、夜に発車する予定だった。だから家には行けない。と断った。最後に名刺と電話番号を渡され、別れた。

  鉄道のチケットを買いに行く。
  ここで一つ謝罪です。インドの鉄道のチケット購入の仕組みを言ってなかったので、これまで意味がわからなかった思います。申し訳ないです。
  基本的にオンラインでチケットも買える。ただし電話番号が必要。インドの電話番号を持っていないためできない。だから直接窓口で買う必要がある。
  窓口はインド人と外国人専用で窓口が分けられている。買うためには指定された紙に電車の番号、名前、自分の名前、住所、パスポートナンバーなどを書き、それを提出する。この窓口がめちゃくちゃ並ぶ。今回はその窓口行くために駅に向かった。

  とりあえず紙を取り、蒸し暑い中列に並ぶ。チェコのご夫婦に紙の書き方を教え、2人と仲良くなる。彼らは「stupid !!」と笑い怒っていた。日本教育の最高傑作の私は黙って文句を言わず順番を待っていました。冷静に考えれば、このインターネット時代に汗かきながら並ぶのはばからしいよね、、
  すると、日本人2人組が後ろに。レディーファーストと言われて譲り、割り込みする関係ないインド人を阻止し、3人の日本人でチケット争奪戦を守り闘った。
  ここまで1時間。5m進むのに1時間。なんかインドっぽい。そこで仲良くなったモロッコおばちゃんに助けてもらいながらなんとか紙を提出。

  窓口のお母さんが急に20分休憩を取り出した。意味がわからない。当たり前が当たり前じゃない。
  散々待たされた挙句、先にインド人に譲れと言われ、待っている。いくら待ってもなので、しっかり主張する。で、やっと自分の番。
  電車のチケットは取れませんでした。30分前に見たら座席はあったが、その間に満席に。怒ってもなんともならない。日本人もいつのまにかどこかに行ってしまった。仕方なく切り替えて次の作戦を。

  チケット売り場を出て露店で水を買う。チャイを売ってる人や周りの人に「どうすればいいんよ!」日本語で聞くが、笑われるだけ。致し方なし、ムンバイへは飛行機で行くことにした。

  少し悪目立ちしてたので、気がついたらインド人に囲まれていた。物乞いでお金をちょうだいと言ってくるその子は中学生くらいの年齢。弟か妹を腕に抱きお金を集めている。やっぱり見てられない。表情には出さないが正直辛い。慣れない。
  この一年、日本で中学生と関わる機会が多かった。その子たちと重ねてしまう自分がいて、胸が締め付けられる。日本の公教育の素晴らしさを感じるとともに何もできない自分の無力さを知る。

  切り替えて、この瞬間にジャイプールに2泊することが決まったのでホテルを探しに行く。
  空も明るく時間もあるので、ガイドブックを参考に自分の足と目でホテルを探す。昨日の夜行こうとしていたホテルはコロナの影響により長らく閉まっていると直接確認した。

泊まろうとしていたホテル


  ホテルを何軒か歩き、野良犬に襲われそうになりながらも探す。野良犬が怖すぎて、自動車修理工場?に一旦匿ってもらった。そこのお父さんとおじちゃんと30分以上世間話、立ち話をした。おすすめのレストランを聞き、覚えてないくらいどうでもいい話もした。ここはTOYOTAだが、インドはスズキの車がほとんど。価格が安くて人気らしい。

この門の前でおしゃべり



  自分のテンションがハイになりすぎて、ずっとニコニコしてるし、コミュニケーション能力も爆発している。もう誰にも止められない。ずっと1人だから止めてくれる人なんていないけど。

  そうしてホテルに到着。交渉の結果、2泊で1500ルピー(約2500円)昨日の命懸けの一泊の値段。実質4時間の宿泊ですが。1泊750ルピー(約1200円)。我ながらいい交渉ができた。けどもうちょいいけたかな〜、、

最高のホテル


  このホテルで受付を済まし、朝のジャファーおじさんに電話をかけてもらう。繋がらなかった。
  観光地に行こうと荷物をまとめ、下の階に降りたらこのホテルのイケおじオーナーと会う。このオーナーが優しいしかっこいい。こんな見た目少年の自分にも「Hey Sir!」とかっこいい声で言ってくれる。Sirの器でもないのにと思いながら。

  オーナーに困っていることはないかと聞かれたので、朝のジャファおじに電話をしたいと言う。
  電話をかけてもらったが繋がらない。オーナーになぜ電話をかけるのか、友達なのかと聞かれた。昨日の経緯を説明し、今日の朝の話もした。  
  ここでやっと気がついた。感謝の気持ちから自分はジャファおじのお誘いに行こうとしてしまっていた。電話が繋がっていたら、オーナーに言っていなかったら、自分はそこに行っていた。誘拐されていたかもしれない。お金を取られていたかもしれない。生きて帰ってこれなかったかもしれない。インドに慣れて、調子に乗り、思い上がり、初心を忘れていた。

  オーナーから誘拐の危険があること、日本人は優しいから誘いに乗りやすいと諭された。改めて気を引き締めて観光に行く。オーナーにリキシャの相場を聞き観光地へ。

  ジャイプールはハワ マハル、風の宮殿が有名だ。とりあえずそこに向かう。実際、めちゃくちゃ綺麗で色も可愛く、美しい建築。有名な観光地なので日本人ともよくすれ違う。

ハワマハル



  旅も中盤、そろそろお土産で買うものの相場が知りたい。なので店に入っては値段を確認し、大体4分の1は値下げできそう。客引きもニューデリーよりは酷くないが、「コンニチハ、スイマセン」と言ってくる。言い方が好きじゃないので鬱陶しく感じる。この辺りから言い方が嫌な日本語には反応したくないので、私はコリアン、日本語はわからない。と自分に言い聞かせていた。そのくらい客引きがうっとうしい。自分を日本人じゃないと思い込むことで少し気持ちが楽になった。
  交渉中に日本人バレしたくなくて、タイやベトナム出身と言っていた。悩んでいる時に「えぇ〜〜〜」と言ったら日本人と即バレしたので注意です。

  地元の人向けには花火屋さん、観光客向けに置物があるお土産屋さんに入った。ここの料金設定がかなり良心的。そしてここの店主と仲良くなった。30歳のお兄ちゃんニッキルと19歳、同い年で大学生のアノジに出会う。この店に居座り、話をする。インドの流行りの音楽を教えてもらったので、お返しに日本の音楽も教える。SixTONESと自分の好きなバンドLucky kilimanjaroをおすすめしておきました。
  アノジにヒゲ剃ったほうがいいよ、似合ってないよと指摘された。ここ数日そんな時間なかったんよと言いたいが心にしまう。アノジから出身はタイやベトナム、シンガポールと言った方がいいんじゃない?とアドバイスをもらったので次から試してみる。ニッキルは最近結婚したらしい。
  そして、インドの結婚式の動画を見せてもらった。文化が違い、これまた面白い。結婚式に手持ちの銃花火?を使う。ただ、インドでの詐欺トラブルに結婚式が関わっていることがよくあるらしいので少し警戒。結婚式を皮切りにお金を取られるらしい。そのあとお土産も少し購入した。

  ニッキルが今日の夜、ティーパーティーをしようと誘ってきた。行く気はないが一応場所も聞く。それがかなり遠い。それにジャファおじが昨日の夜言っていた知り合いのホテルと近かった。ニッキルとアノジは悪いやつではなさそうだが、"無理はしない"ことを第一に誘いは断る。
  逆にこの店でチャイパーティをしようと提案し、アノジが買ってきてくれることに。普通にチャイを飲み、通な食べ方チャイにクッキー(マリーゴールド)を浸して食べるとめちゃくちゃ美味しい。

マリーゴールド


  チャイを飲み、おしゃべりをし、彼らが信仰しているヒンドゥー教の神様にお祈りもした。「南無阿弥陀」のような謎の呪文ジェイシリラーム、ジェイシリナーラを言わされ、動画におさめられました。

  一息つくと、ニッキルが友達のお店を紹介したいと言ってきた。行く必要はないと言った。仕方なく今まで通り、行く気はないが行ったとしても値段を確認するだけ。買わないよ。と告げ、そのお店にいってみる。もちろん高い。ふざけるなと。そんな値段で買いたくない。

  次に宝石屋に連れて行かれた。彼女やお母さんにプレゼントをしろと言われたが、宝石は本当に興味がない。ピアスもネックレスもつけない自分がアクセサリーの価値も石の価値もわからない。東京にもお店があるよと名刺を見せてもらった。いい店かもしれないが怪しいでしょ、、
  自分がアクセサリーに興味ないのはどこかで落とす可能性しか考えられないから着けない。仮に落としたものが高価だったら立ち直れないと丁寧に説明し、宝石屋を脱出。

  この辺りからニッキルの信頼はガタ落ち。行きたくないところに連れて行かれ、その知り合いたちが半ば強引に買わそうとしてくる。腹立つのでもちろん怒る。このやり方好きじゃない。と主張し、今日はお別れ。
  まあでも、ニッキルええやつなんよな〜、めっちゃおもろくて優しいのよ、、。アノジにまた明日も来てね言われたので明日もちょっと寄ろうと思う。何度でも言うが、インドの旅の間ずっと疑心暗鬼。このお店には3時間も滞在していた。

右からアノジ、ニッキル



  帰りはホテル近くの通り、シンディキャンプまでのローカルプライスでニッキルとアノジにリキシャーの交渉を任せる。結果40ルピー(約60円)で帰れることに。行きの値段の半額。
  乗り合いリキシャーでシンディキャンプまで向かうが、この運転手が急に40,000ルピー(約6万4000円)とか真面目な顔で訳のわからないことを言ってきた。40ドル(約5600円)でもいいよと言ってきた。訳がわからない。ありえない。乗る前に約束もしたし、乗車中も何度も確認したでしょと強く怒る。バカにするな、ふざけるなと本気で怒る時は日本語で怒っていい。ちょうど40ルピーを無理やり渡し降りる。
  このイベントもよく起こるので、リキシャーに乗る前に確認、乗車中にも確認する。そうすればこのトラブルは極力減らせる。

  この1日喉は痛いが気にならない程度。熱はなさそう。なので、ホテルでゆっくり休み、ヒゲを剃り明日に備える。

解説します!

  解説
🚌…バス降り場
🏍️…ジャファーおじさんに声をかけられた場所
🏨…泣く泣く泊まった1500ルピーのホテル
🛺…10歩歩けばリキシャに
行こうとしてたホテルは青矢印のちょっと先

青いラインマーカー…約1時間彷徨っていた場所
水色ラインマーカー…ジャファおじと攻めた通り

Hotel Karni Niwasがイケおじオーナーのホテルです!お湯は出る!掛け布団が3mmくらいの薄さ、扇風機は軽く壊れてるけど使える!寝れる!
ここはおすすめです、ぜひ泊まってください!
オーナーに日本のみんなにぜひ紹介しててくれと言われたので約束通り!!


⚪︎あれだけ言ってたのにお家にお邪魔する
3月5日(日)ジャイプール

  お昼までぐっすり寝て、どうしても行きたかったお土産屋さんAnokhi(アノーキー)へ向かう。やっぱり体調は良くない。この辺りから喉がガラガラに。咳も出る。例えるとコロナに罹った時の痰が絡む感じ。ほぼコロナ。もちろん大気汚染と砂埃のせいだからね。ワクチン3回打って2回コロナに罹った科学的根拠のない無敵だから。

  アノーキーまでとりあえず歩けそうなので歩いてみた。道に迷った。電波がないので勘と記憶とスクショを頼りに歩くが自分の居場所がわからない。
  すると、リキシャの運転手に声をかけられた。どこに行きたいのか聞かれたのでアノーキーと言い、送ってもらった。このリキシャに乗る時に出身を聞かれた。だからここでシンガポールと言ってみた。ここまでは順調。どこの街に住んでいるのと聞かれた。シンガポールの地名、一つも知らない。焦る。ハノイと言った。これはベトナムの地名。多分バレてない。乗り切った。
  道中、知らないやつもなぜか乗車し、俺の知り合いの店に行かないか?アノーキーが高かったら俺の店へ来い。往復で50ルピー(約80円)でいいよと言われた。店の下で待っているからと約束をしてお店へ。

  お店はおしゃれな雰囲気でインドとは思えない。値段はそこそこだが、出せない金額ではない。
  一通り見れたので、リキシャに乗りとりあえずその怪しい紹介のお店へ行った。店の前に着くといかにもな怪しいお店。ドアに目張りがされていて中が見えないようになっている。閉じ込められる危険を感じたので、ドアを開けたままにしておいてと強く言い、中を見る。これがそんなにクオリティーはよくない。ここで買うなら昨日のお土産屋さんで買う。と強く感じた。
  滞在時間10分程度で外に出た。店の人にもリキシャの人にもなぜ出るのか、なにが気に食わないのか言えと言われたが、そんなの関係なしに怪しくて信頼できない。
  リキシャに乗りアノーキーにまた向かってもらうのはどこか嫌なので、駅まで送ってもらう。
  駅は近いが、駅前ではなく離れたところで降ろされる。気に食わないがめんどくさいので降りる。ほんなら、この運転手が俺とこいつ(途中乗車の知らんやつ)2人で100ルピー(約160円)と言ってきた。ふざけるな。自分はずっと50ルピーだけと言ってきたし、約束したやろ。ほんまええ加減にせえよ。日本人を舐めるな。と日本語で怒り100%でブチ切れました。
  この運転手は自分の怒った姿に何か感じ取ったのか、インディアンジョークとたしなめてくる。
まじでふざけんな、もうええわ!と小さく呟き、吐き捨てるように再び歩き出した。

  今思えば怒ってばっかり。普段は穏やかな性格なので、、、そんなに怒らんと思うんやけど信じられんよね〜。気をつけます!

  駅に戻って新たにリキシャを捕まえてアノーキーへ。2度目のアノーキーはしっかり購入。かわいい服も見つけたので買ってみた。結構お気に入り。また直接あったらみんなに見せます!
  このアノーキーでも日本人に遭遇。お父さんがインドに駐在していて、お母さんと同い年くらいの娘さんと2人でインドへ。家族旅行と言っていた。みなさん優しそうだった。挨拶をしてお店を出る。
  隣のカフェで辛くなさそうなベジタブルサンドイッチを食べる。1番美味しいチーズの部分を床に落とし鳩の餌に。ベジタブルでチーズって大丈夫やっけ?

 家族用にお土産を買えたので、一度ホテルへ戻り荷物を置く。イケおじオーナーに困ってることはない?と聞かれるが、胸を張ってノー!と言った。優しくてかっこいい。

  そして昨日約束していたニッキルとアノジのお土産屋さんへ行く。ここでもリキシャトラブルはあったが、昨日の夜と同じようなやり方。お土産屋さんの前に観光地、ジャンタル•マンタルに行った。思っているよりも見所はなかったのですぐ出た。

ジャンタルマンタル

   
  そのあと少しブラつき、楽器屋を見つけた。引き寄せられるように入り、おじさんにインドの伝統楽器を軽く演奏してもらった。いっぱい演奏してもらったので、でんでん太鼓のような伝統楽器を購入。

  そしてアノジの元へ行き、今日はニッキルにそっくりなお兄さん、サンジェイがいた。ニッキルだと思い、昨日と同じようなテンションで喋っていたら、会話が噛み合わない。慌てて軌道修正。
  ここでアノジに何で君の服は2日ともパジャマみたいなの?ジーンズ履かないの?と言われた。確かにと思ったが、自分で洗濯もしながら旅をしないといけないことを伝えるとcoolと言われた。
  昨日、謎の呪文の動画を撮られたのでお返しに自分の友達へ送るメッセージ動画も撮らしてもらった。

  アノジが爆音ミュージックで高級車乗り回している動画、インドのアーティストのライブ動画、別荘っぽいところでの写真を見せてくれた。そのついでなのか、アノジの預金残高も見せてくれた。めっちゃお金持ちだった。ありえない額が銀行に入っていた。比べ物にならないくらいの。
  アノジに君の残高も見せてと言われたが、お断り。そんなん恥ずかしくて出せんよ。

  サンジェイに今日はお店にずっとおられたら困るからと遠回しに言われ、バイクに乗せられチャイ屋へ行く。この場所がローカルもローカル。地元の人が集まっていた。
  そこで男性ツアーガイドを紹介され、今日この人にジャイプールをツアーしてもらいなさいと言われる。ツアーはいいけど、お金は出さないよ、ガイドも必要ないよ、お金ないと言ったらお金の心配はしなくていいと言われる。タダほど怖いものはない。けどなんかいけそう。直感を信じる。

  サンジェイは店に戻るためここでお別れ。男性ツアーガイド、ケムラージにお世話になる。バイクの後ろに乗るとノリの良さそうな見た目同い年の地元の若者らに声をかけられる。
 「from?」から少し話をして、出発の直前に彼らに冗談で「Don't touch me! You are CORONA!!」と言われました。ここにきて、初めてのコロナ差別。冗談で言っていることも分かっていたし、自分も笑顔で全力でyou too!!と言い返した。地理的にもほぼ同じやし関係ないやろ!!と思いながら傷つくよりも何十倍も嬉しさが勝った。なぜなら、日本でこんなことを直接言われる機会はない、おそらく人生1回あるかないかの貴重な体験。ワクワクした。
  大前提として差別をしてはいけない。悪意のある差別ももちろん絶対に許してはいけない。今回はお互いが冗談と分かっているので個人的にはOK。(かなり踏み込んでるので、不快になった方がいるかもしれません。ごめんなさい。)
  しばらくバイクを走らせて、ちょっと行ったところで停車。ガイドのケムラージとなぜか着いてきたサンジェイ。彼らにさっき何を言われたの?と質問されたのでコロナと言われたよ。と伝えるとめちゃくちゃ謝られた。全く気にもしていなかったので、最初何で謝られているのか分からなかった。でも何度も何度も心配され、謝られた。あの優しさは嘘偽りのない優しさ、人としての優しさだと思う。その気持ちが嬉しかったよ。

  気持ち切り替えて、バイクに乗りいざツアーへ。まず初めにこの街で有名な寺院、ゴビンド デブ ジー(Govind Dev Ji )寺院に連れて行ってもらった。ホーリーによりかなりの盛り上がりを見せている。人々は歌い、手拍子をしている。この寺院にかなりの人数が集まり熱狂している。インスタのストーリーにもあげたが、あの熱量に圧倒される。ハイライトに残しているのでみたい方もう一度どうぞ。異なる宗教、異なる文化のお祭りは新鮮でおもしろい。ここで少年少女に写真を撮ろうと言われた。ハッピーホーリーと言い黄色い粉を頬につけてもらった。

頬に黄色い粉が。(子供さんなので顔隠しときます)


  神様のクリシュナが祀られているが、カーテンが閉められていて見ることができない。数分後にこのカーテンが開けられるらしい。ガイドのケムラージにカーテンが開いた時に両手をあげて「ラァーデェーーー」と叫ぶと教えられた。この言葉の意味はわからない。続々と周りに人が集まってくる。周りにいる人に小さい声で「ラーデー?」と言うとニコニコしながら嬉しそうに頷く。正しいやり方っぽい。テンションも最高潮。
  ついに、カーテンが開く。盛り上がりはピークに。周りの人は次々に両手をあげて何度も何度も「ラァーデェーーーー」と野太い声で叫ぶ。興奮する。圧倒される。心が持っていかれる。
  出口が混む前に出たが、興奮は冷めやらない。胸が躍る。どこか感動している自分もいる。ぜひ、これを読んでいるみなさんにも味わってほしい。

  次に丘の上にあるガネーシャテンプルに向かう。ここにきて、まさかの登山。岩をサンダルで駆け上るがかなり遠く、角度も急。めちゃくちゃしんどい。サンダルもちぎれる。が景色、眺めが最高に良い。ジャイプールの街を一望することができる。

ガネーシャテンプル、この位置で中盤


  ガネーシャテンプルでお祈りをし、少し景色を眺めて降りる。ガイドのケムラージはWikipediaで調べた情報を噛み砕き、英語でどんな場所なのか教えてくれる。とても真面目なガイドだ。
  丘を登っている時から鳥の鳴き声が聞こえていたが特に気にしていなかった。降りる時に、この鳴き声はピーコックだよと言われた。ピーコックなど英語を聞いたことがないと思いながらその方向を見る。野生のクジャクだった。野生にクジャクがいることに驚いた。王子動物園でしか見たことないよ。

ジャイプールの街並み


  丘を下り、もう一つ寺院に寄る。そこの寺院はケムラージの家が信仰している神様が祀られていらしい。建物の中は金色で光り輝いている。どこを見渡しても黄金。ワクワクする。寺院を出て、ケムラージにサトウキビジュースを奢ってもらう。このジュースがクセ。最初は甘く、飲めそうだが、後味がクセ。慣れない飲み物だが、気持ちよく飲み干し、美味しかったと伝える。気を遣ってもう一杯飲むかと言ってくれたが、2杯目無理。口に合わんのよ。
  それで次はジャルマハル、水の宮殿へ行く。その前にケムラージがバイクのヘルメットを家に取りに行きたいと言ったので、一度家に帰る。ここまでずっとノーヘル。川にゴミが捨てられ、どうしようもなくなっているのを横目にバイクしか通れない道を進む。狭い路地で牛が歩き回り、尻尾を振り回している。道に牛がいることにもうすでに慣れているので全く怖くない。バイクの後ろに外国人が乗っていると注目を浴び続ける。テンションが上がっているので、有名人きどりに笑顔で手を挙げる。ほとんどの人が手を振り返してくれた。
  他の場所でもそうだったが、よく自分のことをチラッと見てくる。人生で初めて外国人を経験した。インドに住む彼らにとって自分は外国人。日本にいても、外国人の観光客がいたらチラッと見てしまう。それを味わった。過去に行ったオーストラリアではこの経験をすることはなかった。今回、自分は不快な思いはしなかった。人生初の外国人として見られることに嬉しさを感じた。

  ケムラージの家に着いた。昨日の反省を生かし家には入らないと決めていて、それも伝えた。が、家の前に着くとケムラージの3歳ぐらいの娘さんが不思議そうにこちらを覗く、奥さんやご家族が何事かと家の前まで出てきた。そこに15歳くらいの姉妹2人もいたので、直感で「これはいける。」と思ったので家に入らせてもらった。おじさんが出てくれば怪しさを感じるがそこにはいなかった。家族や小さい娘さんがいれば大丈夫だと賭けた。
  家に入ると手厚い歓迎を受ける。家は三階建てで中心部分が四角く吹き抜けている。四角の面に合わせて小さい部屋がある。ケムラージの部屋に入ると4歳と5歳の娘さんがベッドで寝転びアニメを見ている。ケムラージの娘さんは三姉妹。
  ここから怒涛のおもてなしを受ける。まず、水を貰い、次に激辛ナッツ。これが口から火を吹けそうなくらい辛い。頑張って食べたが厳しい、、ごめんよ、でもありがとう。次にパパド、薄焼きせんべいのようなもので味は特にないが美味しい。辛くないから。

パパドと激辛ナッツ


  そうして、みんなで記念に写真を撮った。その後に15歳くらいの娘さん(ケムラージの従兄弟)と写真を撮った。彼女らはBTSファン、ARMYらしい。なので忘れずに「I'm BTS member.」と言っておく。愛想笑いされた。笑いの修行が足りなかった。彼女らの部屋にキティちゃんとドラえもんがいた。しかし、顔が違う。見るからに中国製。日本人として本物のキティちゃんとドラえもんを渡さなければいけない。いつか渡しに行く。

集合写真、右2人がBTSファン


  家を出る時にはご家族全員がお見送りに来てくれた。嬉しかった。幸せだった。

  エンジンをかけバイクでまた走り始める。ここまで長い距離を走っているので給油するためにガソリンスタンドへ。インドのガソスタ初体験。ワクワクする。日本と同じように給油をしていた。特に変わりはなかった。

  ケムラージのバイクに乗りながら色々な話をする。基本的に道路は整備、舗装されてないので道がガタガタ。その段差ごとに自分が驚き、口癖のように「よいしょ!」と何度も言っていた。あまりにも「よいしょ」を言っていたので、ケムラージに意味を聞かれた。意味はないと伝えたが、これで良かったのだろうか、、
  次に日本人は「No Problem!」とよく言うが、何でそんなこと言うんだと聞かれた。まず第一に自分の英語力の無さからよく言っていたことを改めて自覚する。あとは日本人は優しいからトラブルが起こったとしても怒る人は少ないんじゃない?と答えた。これも答えは適切だったのだろうか。

  ジャルマハルに着く。ナイトマーケットが開催され、露店が出されている。音楽もなり、ジャイプールがあるラージャスタン州の伝統の踊りと曲を披露している。

  そのあとはラージャスタン州の古くからある食べ物を食べに行こうしたが、レストランが閉まっていた。次にケムラージの紹介するお店へ行く。
  このお店の油の質がめちゃくちゃ悪い。チャパティを食べるが油でムカムカする。サービスでオレンジ色の合成着色料の色をした甘いお菓子ももらったがおいしくない。辛くしないでと伝えたカレーも食べるがもちろん辛い。本当に食べられるものがない。おいしいものが食べたい。口に合うものが食べたいよ。
  カレーもベジタブルとノンベジ(肉OK)でほとんど分けられている。比較的辛くないのはベジタブル。ケムラージはベジタブルと言っていた。動物を殺して食べることはしたくないと言っていた。インドのお肉屋さんは鶏を形そのまま店の前に出している。また、店の前では鶏がコケコケ鳴いている。ベジタブルになる気持ちはよくわかる。とても理解できる。自分はご飯を食べる前にいただきますをしっかり言おうと改めて感じた。
  辛すぎて食べられないのでケムラージに分けようとするが、家に帰ってご飯を食べないとダメだからごめんと言われた。食べて欲しかった。

見るからに油が悪い


  時間は夜の9時、ケムラージに電話がかかってくる。早く帰ってきなさいと。急いでご飯を食べ、ホテルへ帰る支度をする。今日のお金も自分の食べた分食事代500ルピーだけでいいよと言う。バイクが出発する前にケムラージがタバコを吸いたいと言ったので近くで立っていた。この時に咳をしてしまった。ケムラージはタバコの煙によって咳をしたのだと思いめちゃくちゃ謝られた。また、貴重なタバコもその時点で消した。申し訳なかった。今日のツアー中ずっと咳をしていた。体調も良くはなかった。
  基本的には自分の泊まっているホテルは誰にも言わないが、唯一ケムラージには言った。そのくらい信頼はしていたのでホテルまで送ってもらう。
  ホテルに戻りお金を払うが、ここまでしてもらったのに500ルピーは少ないと感じた。だから、余分にプラス500ルピーと緊急用に残していた非常食、マカダミアチョコと博多通りもん、ウェットティッシュを渡した。明日の朝飛行機で出発なので、それも空港まで送るよと約束をしてもらいお別れをした。

お世話になったケムラージ


  お風呂に入り、寝ようとしているとケムラージからインスタのビデオ通話がなる。通話に出ると、あのアニメを見ていたシャイな娘さんが屈託のない笑顔でチョコレートありがとうと英語で言ってくれた。うれしかったなぁぁ。

  最後にケムラージについて。この時はガイドの勉強をしていると言った。あの時はガイド見習いとしてツアーをしてくれた。そして先ほど、本物のガイドになったと連絡が来た。なので、ジャイプールに行く人でガイドしてほしい人はぜひケムラージを。自分に連絡してくれれば繋ぎます。

  彼はめちゃくちゃ真面目で英語も堪能。この一日わがままも聞いてくれて、性格も良い。その辺りの心配はないが、ツアー中嫌になるほど写真を撮ってきた。単体で撮られることもあれば、ツーショットも。
  この写真や動画を彼がツアーする人を探す時に、日本人を説得するために使われるかもしれない。上手に利用される点はどうしようもない。が、ほとんどのガイドに通ずるものは日本人の動画等を見せてきたら信用しなくて良いと思っている。動画や写真で安心させようとしてくる。彼らもガイドをし、生活がかかっていることは重々承知している。けど騙されたくない。例えジャイプールでケムラージに会ったとしても、できるだけ値下げ交渉してください。

  ただ、ケムラージはある程度は信頼できると思う!信じてみてもいいかもしれん!

  個人的な想いは変な人に当たりたくなかったらケムラージ、できるだけ値段を抑えたかったら他のガイドに。ケムラージだと自分の顔を立てなくちゃと思うと満足に値下げ交渉ができなくなる。

  なんやかんやあったけど今日は最高の一日やった!!では、もうすでに幸せなので寝まーす。

次回、ホーリー本番!身体は粉でカラフル!小学校からの友達と参加するよ!


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第5弾

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