妄想ストーリーVol.1

別のオンラインサロンで
書いてたやつを
ますば、こちらへ移します。
もう1編は、後日。
また、これから
もっと妄想ストーリーをあげていきたいです。

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《とある音響の物語》


パチリと目を開けた。

今日もこの職場は、忙しない。

なんせここは、

天の川銀河太陽系所属の

地球という星に住む

約81億いる「人間」という御客様の

個々の物語の上映場だからだ。

「戦争」、「災害」、「事件」、「事故」から

「幸せ」、「愛」、「恋」、「信仰」、「文明」などなど

多種多様なVR対応フィルムを

取り揃えており、

必要なタイミングで

寸部狂わず切れ目なく御客様に放映する。


僕は、そこのしがない音響の

アシスタントだ。


さあ、今日は、

「分断 -KAZEの時代-」というフィルムを

約1億人くらいの御客様に上映する。

(タイトル、ちょっとダサいな・・・うん。)


期間は、御客様が

楽しみたいだけ楽しめるまで。


「わ〜、このフィルムも看板悪役、

レプさんが演じるんか〜。

この人の演技、マジでドキドキハラハラ

させるから、カッコイイんだよなー!」


フィルムのパッケージを見たら

お馴染みの悪役俳優の顔があった。

彼は、渋くて裏で暗躍する、

掴めそうで掴めない演技が素晴らしいんだ。


大体どのフィルムも上映の幕が上がれば

主人公は、御客様の「自我」というものに

カスタマイズされて出来上がる。


ある御客様は、その上映中に怒り狂い、

ある御客様は、振り回され翻弄されて、

ある御客様は、正義で人を先導したと思い、

ある御客様は、悟りと自由を得られたと、

感じるそうだ。


どんな感情でも構わない。

感情により、+αで潤って

人気爆発な俳優もいるけれど、

基本的には御客様の心を震わせられるなら

僕達も俳優陣も成功と言える。


そして、どんな行動でも構わない。

感情と行動により、

そりゃあ次はアンドロメダ銀河の

上映場に行く御客様もいるし、

天の川銀河の12次元スクリーンに

移動の御客様もいるし、

このスクリーンにいつになってもいる

顔馴染みな御客様だっている。


顔馴染みな御客様にちょっぴり

シューマン共振を強めに流してみたりするのは、

僕のサービスだと思ってほしい。


「さて、このフィルム入れる作業マジ緊張するんだよな〜」

個々の御客様の上映フィルムを

入れ替えたり、追加したり、

終わらせたりする作業は、

いつも緊張する。

特に複数のフィルムを完璧に併せて

上映するのは、

時には応援部隊を呼ばなきゃ

ならないくらいには、大変だったりする。


今回のフィルムは、

約1億人の御客様に強弱はあれど、

追加で上映する代物だ。


完璧でリアルな体験を

個々の御客様に提供するために、

そして、個々の御客様が

「神様」に戻られるその日まで。


御客様の成長と楽しみを

ささやかに見守り支える

僕の仕事が

今日も始まる。

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