Road to Ultimate Invasion

前説


 2023年夏、マーベルコミックから刊行されるリミテッドシリーズ Ultimate Invasion。
 本作はファンタスティック・フォー、アベンジャーズ、X-メンなどの大物シリーズにSF色の強い作風で新機軸を打ち立てたジョナサン・ヒックマンがライティングを、ワイルドストームからDC、そしてマーベルと数々のヒーロー作品を手掛けたスターアーティスト、ブライアン・ヒッチがアートを担当する、今年の注目作である。


 一方で本作のメインテーマである、滅びたもう一つの地球「アース1610」の復活はマーベルが7年越しに引っ張ってきた要素で、主役級のザ・メイカーことリード・リチャーズ(アース1610)も数奇な運命をたどったキャラクターである。
 本記事は、Ultimate Invasionをより楽しむために、アース1610復活の伏線及び、ザ・メイカーというキャラクターを解説するものである。

生存者たち~アース616へ

 マーベルコミックで正史世界(アース616)と並行して舞台となっていたアース1610は、2015年に起こった並行世界衝突現象・インカージョンで消滅した(Secret Wars)。

 その後、再生されたアース616へ二代目スパイダーマン(マイルス・モラレス)を始め数人のキャラクターが移動していったが、アース1610そのもの
の動向は不明だった。(spider-man miles morales、X-Men:Blue他)


再び悪の道へ


 そんな中、メイカーは独自にアース1610を復活させ、帰還するべく、法と人道を無視した活動を開始、ヴィランとなる(New Avengers、Ultimate 2、Venom、FutureFoundation)。


父に愛され、愛する妻と親友を得、家族を育み、世界最高のヒーローとして輝かしい人生を送るアース616のリード。しかし、アース1610における彼は、そのどれも得ることがなかった。守るべき世界すら失ったメイカーが再び悪に落ちるのは、逃れられないことだったのかもしれない。


アース1610の行方

その後、アース616版マイルズ・モラレス(1610とは全くの別人、キングピンの旧友)の世界移動により、アース1610自体は復活済みであることが判明した。しかし、このアース1610はSecertWars直前の状態ではなく、死んだはずのピーター・パーカーやキャプテンアメリカ、ジャイアントマンが存命、アイアンマンの装着者がリリなど、細部が異なる世界であった(Spider-Men Ⅱ)

 

故郷への遠い道

 メイカーは逮捕、投獄されたり(Nerw avengers)、復活させたアルティメッツに裏切られたり(Ultimate #100)したものの、

 シンビオートを大量に集めて616に漂着していたアース1610のシンビオートを追跡する計画を立案。並行世界のリード・リチャーズが集うリードカウンシルの協力を取り付け、帰還作戦を決行。

しかし帰還した1610は街が炎上しアルティメッツの行方不明が報道され、、スパイダーマンへのヘイトポスターが張り付けられるなど、荒廃していた(Venom)。


 Ultimate Invasionは、ここから連なる物語である。


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