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AI週次ニュース Vol.1 EYの生成AI導入事例

このプレスリリースを参照して作成しました。
https://www.ey.com/ja_jp/news/2023/06/ey-japan-news-release-2023-06-05-02

生成AIツール(ChatGPTなど)について、いまだに『どう使えばいいか分からない。』という声や『ちょっと触ってみたけど、あまり役に立たなかった。』という意見を聞くことが多いです。確かに、業務レベルで活用し、その効果を実感するには、時間がかかるかもしれません。
 今回は、EYが実践した『GPT-4を活用したTCFD(クライアントの気候関連財務情報開示タスクフォース)対応』を例に、具体業務での活用方法を模索します。

内容のサマリ

EY Japanは、生成AI技術GPT-4を活用してコンサルティング業務を効率化し、TCFD対応などのサステナビリティ経営支援を強化。
この取り組みにより、データ収集の効率が飛躍的に向上し、より質の高い気候変動戦略の立案とTCFD開示が可能に。

前提知識

  • TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures):企業が気候変動に関連する財務情報を開示するための国際的なフレームワーク。これを表明することにより、企業は気候変動に対する責任を明確にし、その対策を透明にすることができる。

  • 2023年3月期以降は、サステナビリティに関する企業取組の開示が義務化されている。

取り組みの背景

TCFDの開示資料は特にフォーマットが決まっておらず、企業によって記載がバラバラ。
他企業分析やデータの取集などが大変だったため、コンサルタントが情報収集に時間を要していた。

どこに生成AIが活用されているのか。

EYは、企業のTCFDに基づく経営戦略策定や情報開示対応を支援しており、GPT-4は、開示書面のデータベース化と、データベースを参照した資料草案作成の2箇所に貢献している。

それによって、何が嬉しいのか。(推測)

EYのコンサルタント:

1️⃣コンサルタントとしてクライアントに求められる価値に、自身のリソースを集中できる。(論点の洗い出し、情報を比較し分析する、示唆を出す、etc )
2️⃣プロンプトエンジニアリングスキルの向上
 良くも悪くも、生成AIのアウトプットの品質は、インプット(参照するデータ)と経験(スレッド内のユーザーとの会話)に依存する。いいプロンプトが書けるコンサルタントはより評価されるようになる。
3️⃣社内ナレッジの蓄積
 特定タスクに対するプロンプトは定型文章→テンプレート化できるため、ビジネスフレームワークやロジカルシンキングなどのコンサルスキルに比べて属人化しにくい。

クライアント:

1️⃣コンサルタントから受け取るバリューが高くなる。
 コンサルタントが作業に割く時間が減り、アウトプット作成により時間を割けるため。
2️⃣より多くのデータを元にした資料をベースに会話ができる。
 同じ時間で参照できるデータ数は、人間よりAIの方が圧倒的に多い。
3️⃣コンサル開始→TCFD開示までのスパンが短くなる
 資料を集める時間が削減されるため、全体スケジュールは前倒しになる。

こんなサービスがあると嬉しい

実際にこのユースケースは、他のコンサルティング業務にも転用可能だと思いました。Azureなどのクラウドサービスを用いて、同じようなアーキテクチャを組むことは可能です。
 例えば、同じ仕組みに有価証券報告書や企業情報、企業の売上高などをインプットとして入れれば、経営の分析ができるようになり、企業の経営状況を多面的な視野から考えることができます。

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