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National Game ‼︎ 自チーム編

National Game 自チームの振り返り
(トップ画は試合直前の選手たち)

選手

出発前はどこかに旅行でも行くのか?というくらいのハイテンション。おしゃれして、お揃いのサンダルを履いて、バスの中でもおやつを食べたり歌ったり。
プノンペンに初めて行く選手もいて、街が見えてくるとさらに興奮。
田舎の普通の高校生なんだなぁと実感。

ホテル到着後も、ドアを開けっぱなしで部屋を行ったり来たり。ホテルに泊まるのも初めてなの?と思うくらいだった。

試合当日の朝もみんなで仲良く朝食。でも全然食べない。
ホテル前の屋台で貝とかお菓子とか買うらしい。朝から試合だよ〜。

バスに乗って試合会場へ行き、すぐアップ開始。すぐと言ってもすぐ始まらないのがカンボジア。
トイレへ行く、ジュースを買いに行く、髪の毛のセット、みんな揃うまで待つ。
試合まで時間ないから練習したいんだけどな〜、でもこれが彼女たちの通常運転。


その通常運転がコートに入った瞬間変わった。
見たことがないくらい表情が固い。人は緊張するとここまで変わるのかと思うくらい体も固まっていた。
カタコトのクメール語で話しかけてもひきつるほっぺた。
試合中は、コート内の選手はガチガチ。ベンチの選手はゆるゆる。笑
ベンチの選手にコート内の選手を笑わせて笑顔にさせてと頼むと、カンボジア流のギャグを何かやってくれたようだったけど、コート内の選手は誰も笑わなかった。笑
頑張っても口角がちょっと上がるくらい。

そんなガチガチの状態でいいプレーができるわけがない。
彼女たちの普段の練習や試合前の表情を見ていると公式戦に向けて気持ちが高まっている感じが分からなかったし、勝つぞー!頑張るぞー!という感じもなかったのでいつも通り笑ってプレーするのかと思っていたら。
試合となるとそりゃ緊張するよな。勝ち負けが明確になるとビビるよな。
バレーは自分の失敗が直接相手の得点になることが多いから失敗を恐れがち。
まさに彼女たちはその通りだった。
練習してきたことを発揮しよう!と言えるレベルではなかった。


そんなガチガチの彼女たち。
5セットマッチの試合は全て3セットのストレート負けだった。
練習前はニコニコでも試合が始まるとコートの中はガチガチ。
ただ、試合が終わった瞬間ダラダラ。
このメリハリが本当にすごい。メリハリとは。笑
ストレート負けの惨敗で悔しいとか思わないのかな?と思ったけど、彼女たちの本当の気持ちを聞くことは出来なかった。
試合後のミーティングもホテルに帰ってからのミーティングもない。
試合どうだった?と何人かに聞くと、楽しかった!としか返ってこない。
え、ほんまに?!楽しかった??早く終わってくれ!って思ってるのかと思ったよ。まぁそんなことは彼女たちには言えないけれど。

それでも、また試合に出たい、と言っていた言葉は信じたいな。


監督と私

今回の大会は選手12人と監督、コーチ(私)、部長の計15人がベンチ入りできる。
大人は私を含めて3人。
部長は忙しいのか来ない試合もあった。

監督はほぼ毎日練習に来ていて技術指導もしている。
私は監督からバレーを教えてほしい、彼女たちを強くしてほしい。と日頃から言われている。
そんな監督だけど、選手たちを育てようという思いは伝わってこない。(あくまで一日本人の感想)

試合当日、ガチガチの彼女たちに監督はどんな言葉をかけていたのか。
クメール語が分からないから理解できない。完全に私に原因がある。
試合中、ガチガチになってミスを連発し、さらに表情の曇っていく彼女たち。そんな選手に対して監督のとった行動にブチギレしてしまった。(心の中で)

選手がミスをした時に爆笑していた。その監督を見てさらに選手は下を向きとても暗い表情になった。
練習中も珍プレーが出た時にはよく爆笑が起きる。珍プレーでない時も、単にミスしただけで笑いが起きることも多々ある。私はこれがとても嫌で、そうなった時は、私は絶対笑わないぞ!と固い表情をしていた。それで誰か気づいてくれたら嬉しいなーと。

公式戦で、しかもガチガチの選手に対して爆笑するなんてことは私の頭の中には1ミリもなかった。
ベンチが笑うことでコート内の選手たちが笑うのであればマイナス要素だけはないのかもしれないが、コート内の選手はクスリとも笑ってないし、口角も上がってない。
監督が爆笑なんてあり得ない!!!私の怒りは収まることはなかった。


今後に向けて①

3試合全てに負けた後、配属先の同僚にこのことを相談した。
私はとても怒っている。選手がかわいそうだ。監督は選手を励ますべきだ。
カタコトのクメール語と英語でなんとか伝えようとした。これだけは絶対に言いたい。
話を聞いてくれた同僚は、監督のしたことはおかしいと思う。僕ならそうしない。彼(監督)は教えるということを知らない。
こう言っていたと思う。同僚が、監督に伝えようか?と言ってくれたけど、自分で話したいと言った。拙いクメール語だけど大事なことだから自分で言いたい。
でも、なかなか監督とはコミュニケーションが取れない。いつも選手の誰かが監督と私の間に入って通訳してくれる。でも今回のことは選手には聞かれたくない。自分で何とかするしかない。
よし、手紙にしよう!!

日本語で伝えたいことを文章にし、それをクメール語に翻訳した。
もちろんGoogle先生大活躍!
伝えたいことはたくさんあってA4用紙1枚にびっしり書いてしまった。
思いが溢れる。笑
20歳以上年下のコーチが監督の態度に物申すなんて失礼かと思って同僚に手紙を見せ、これを監督に読んでもらいたいけど大丈夫かな?失礼じゃない?と聞いたけど、いいと思う。としか返答はない。
内容よりもスペルミスが気になったようで何箇所か訂正が入った。
ありがとう。でも一番見てほしいのはそこじゃないの。笑

後はこの手紙を監督に渡すこと。
連絡先を知っている同僚にお願いして渡すしかない。
果たして監督の元にきちんと届くだろうか。
練習再開までに読んでもらえたら嬉しいんだけど。
(練習再開はいつなのか誰にもわかりません。1月上旬に試合があるって噂を耳にしたんだけどなぁ。)


今後に向けて②

選手たちの感想を聞きたい!
ガチガチに緊張してるように見えたけど、彼女たちはバレーを嫌になっていないだろうか。
惨敗で悔しいとか思ったかな?試合終了後すぐ笑顔に戻っていたけど。
楽しそうに他のチームを応援していたけど、自分もあんな風に上手になりたいと思ったかな??

選手交代の後、ベンチで泣いている選手がいた。
どうして泣いていたのか雰囲気でしか分からないけど、思うようにプレーできなかった、交代させられた悔しさがあったんじゃないかと想像した。
「あなたは頑張っていた。いいプレーをたくさんしていたよ。」こんな言葉しかかけることが出来なかった。なんて表面的な言葉なんだと自分が情けない。

次の試合を観戦中、泣いていた彼女が屋台に買い物しに行っていたので一緒に行くことに。かける言葉は出てこないけど、一緒にいたいという思いだけで。
私はカフェオレ(甘さ30%)を買いたかったけど、最初に行った屋台にはなく諦めようとしたら、隣の屋台にあるよと教えてくれた。さらに私の代わりに注文してくれて、試合会場に帰る時には「車が来ているから危ない、私について来て」、と連れて帰ってくれた。
私が彼女を励ましたくて一緒に行ったのに逆にお世話してもらってしまった。あー優しい。こういう時にカンボジア人の優しさを噛み締めています。


選手たちの感想を聞きたい!!
ミーティングをする気配がないのでどうやって感想を聞こうかと考えた結果、メッセンジャーで送ってもらおうと思った。
何人かの選手とはFacebookで繋がっているのでそれを利用しよう。繋がっていない選手には面倒だけど繋がっている選手に送ってもらおう。

これは良い案だ!と思って私はこんなことを考えているよ?どう思う?
と比較的コミュニケーションが取れる選手に聞いてみた。すると返ってきた言葉は、楽しかった。緊張した。もっとやりたい!
いや、今言うんじゃなくて送ってほしいねん。笑
しかも全部単発の言葉。(私にわかるようにそうしてくれただけですが)
どんなところが楽しかったのか具体的に聞きたいんだよねーと思いながら、この案は修正が必要だと分かる。


任地に帰って、先輩・同期隊員、オンライン語学の先生に相談すると
カンボジア人は感想文を書く習慣がないからそのやり方は難しいと思う。
アンケート形式にしたら?
とアドバイスをもらった。なんて名案!!!

選択肢の中から感情を選ぶ、というやり方はあまり好きじゃないけど今できるやり方としてはベストかも。
カンボジア人は自分の気持ちを言葉にすることが苦手。幼い頃からそのような習慣がないらしい。学校でも感想文を書くことはないんだとか。

次からは前もって準備しておいて、試合が終わったらすぐに聞けるようにしておこう。勉強になった。


National Gameの後練習は一旦ストップするらしい。
練習再開は誰も知らない。ということはしばらく選手たちに会えない。
アンケートはメッセンジャーを使って1人の選手から全員に送ってもらった。
返ってきたのは12人中6人。
全員分返せなくてごめんねと連絡があった。
いや、こんなめんどくさいことやってくれてありがとう、次からはもっと早く準備するよ。


アンケートの結果は想像以上に楽しかったと言う回答が多かった。
試合前、試合中、試合後の気持ちの変化を聞いたのだけど、どのタイミングでも明るい回答が多かった。
ガチガチだったので、嫌だったとか緊張したというような回答がたくさんなのかと思っていた。

次の試合の目標は?と言う自由回答には、6人中4人が勝ちたい!と書いていた。
後の2人は、分からない。だった。
どうしてそのような回答になったのかは分からない。目標は自分が決めるものではないと思っているのか、試合がいつあるか分からないからなのか。

それでもバレーに対して前向きな感情を持っているんだということがわかってよかった(少なくともアンケートを返してくれた6人は)
このアンケートは監督にも見せる。
彼女たちのバレー熱が冷めないうちに練習したいけれど、それが出来ない状況。
もう試合から1ヶ月が経つ。
バレー熱冷めたかな。そろそろやりたくなったかな。

年明けには練習が再開されますように。


毎日の練習だけでなく試合はとても大切な場だと思った。
自分の頑張りを発表する場って大切だと思う。

バレーに限らず、授業でもそんな場面を準備できたらいいなと思う。


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