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amazarashi Acoustic Live 騒々しい無人 2023/06/08 感想

1 前置き


 前置きとして、タイトルを「ライブレポ」ではなく「感想」としたのは、ライブの状況を「レポート」するのではなく、主観を交えた感想を書きたいと思ったからだ。前回ライブレポを書いていて、もっと好き勝手書きたいなと感じていた。というわけで、今回は主観を交えた「感想」を書いていく。

2 ライブについて


1 席の位置とか

 前回、ロストボーイズツアーでamazarashiのライブに心をつかまれた私は、この「騒々しい無人」開催のお知らせを見るや否や、ファンクラブに登録して、チケットを入手した。4月から生活環境がガラッと変わり、精神的に参っていた当時の私は、このライブで感情を充電して、これから何とかやっていきたいと考えていた。
 その後、タイトルが芸人のライブみたいだな、とか考えながら6月8日を待った。チケットに席が表示される時期になり、アリーナ席だとわかると、前回とは違い、近くで演者を見られるかもしれないという期待に胸を膨らませた。
 そして、いざ席に座るとそこはアリーナ席後方、さらに2つ前の人の頭ですっぽりと演者が覆い隠され、全く見えなかった。また、ファンクラブ先行のチケットは、2人組で取れる為、自分の周囲は全員連れがいる状態という非常に気まずい状況だった。さらに、私はamazarashiのライブは、「派手なリアクションなど取らず、曲の終わりに拍手をするだけ」というのが楽しみ方だと考えていたのだが、周囲には派手にリアクションを取り、曲間にしゃべりだす2人組がいたので、何とも落ち着かなかった。
 次からは一般販売で、後ろの方の席を狙いたいと思う。

2 曲の感想など

01.ジュブナイル
少年少女時代のことを歌った曲。ライブには2人組できている楽しそうな学生風の人たちが多かったので、その人たちに向けて歌っているのかな、と感じた。

02.たられば
人気曲の1つ…だと思う。ただ、サビの「あなたの眠った顔 見ていたら こんな僕も 悪くはないなって思えたんだ」という部分に共感できないため、自分の中では順位が高くない。「あなた」がいた経験も自分を悪くないと思った経験もないので。

03.隅田川
曲間のMCで、「作った当初はそんなに好きじゃなかった曲も、ライブでやっていくうちに好きになってきた」といって、この曲が始まったので意外だった。弾き語りのこの曲の、綺麗さというか良さは、amazarashiの曲の中でも5本指に入ると思っていた。この辺りから日頃の疲れでちょっと眠くなってきた。

04.ロストボーイズ
アルバムで聞いた時から、この曲は弾き語りに合うだろうなと思っていた。ただ、この時の自分は幸せそうな人たちに囲まれていたため、自分に向けた曲じゃないな、と思っていた。amazarashiは、良い青春時代を過ごした人々が、感傷に浸るための曲を歌うようになったのかな、と考えた。

05.リビングデッド
アコギ一本でこの曲を表現できるものだなあと思った。ドンッドンッドンッと響くアコギの低音が印象に残っている。

06.僕が死のうと思ったのは
繰り返すことになるが、「あなた」がいた経験がないので、ラスサビには共感できない。ただ、死にたいときのあの何でも琴線に触れるような感覚が、よく表現された曲だと思う。弾き語りで映えるのもいい。

07.季節は次々死んでいく
私がamazarashiを知った最初の曲である。五反田で書いたという話をどこかで聞いたので、この曲に親近感を覚える要因の一つになっている。夜になると酔っぱらってテンションの上がったサラリーマンやら、ガールズバーの宣伝をする女性やらが多くを占めるあの町で、月を見上げるのは浮世離れしているというか場違いだよなあと共感。ただ日々をやり過ごしていくのを「死んでいく」と表現しているのもいい。曲先でバンドサウンドから作った曲だというが、弾き語りでもこの曲のもつ勢いは失われていない。

08.カシオピア係留所
「チ。」とのコラボ?曲。背景では星空をイメージしたのか、多くのライトが点灯していた。なにか星座を表したりしていたのだろうか。星座はほとんどわからないので、分かればもう少し感動できたかもしれない。

09.そういう人になりたいぜ
イントロが始まった瞬間、何の曲かわからなかった。「そういう人」でも生きていける世の中だったらよかったのだが。かつては「そういう人」になりたいと思っていたこともあったかもしれない。

10.ひろ
この曲からピアノの演奏も始まる。というか、この曲はピアノだけで、アコギは弾いていなかったと思う。ピアノの音に集中して聞いていた。

11.帰って来いよ
PV風の映像が後ろで流れ(もしかしたらPVそのもの?)、視覚でも訴えかけてくるようになる。私はずっと地元にいるが、かつて近所に住んでいた同級生たちはほとんどが引っ越していき、街の様子も様変わりしていっているので、刺さった曲の1つ。

12.さくら
東京であまり売れていなかった頃の曲だとか。桜の花びらが散る映像だったり、桜の映像だったりが映されていた。売れていなかった頃の歌詞は、棘が多い感じがして、共感できる気がする。

13.馬鹿騒ぎはもう終わり
この曲が始まり、このライブの終わりが近いことを悟った。リードギター、ベースやドラムの演奏も始まり、迫力が出てくる。コロナ禍の騒動を歌った曲だと思うが、日常における事件や出来事を「馬鹿騒ぎ」と称し、また日常へと戻っていくことを諭すような曲にも感じられて、好きな曲である。アコギのリードギターもエモーショナルでよかった。(エモいという言葉を使うのに拒否反応が出た)

14.スワイプ
やってくれるんじゃないかなと期待して行ったので、やってくれて満足。エレキギターのない編成だったが、この曲の低音が持つ迫力が出ていた。特に希望を歌うでもなく、ただただ現状を突き付けるようなこの曲はいい。PVの主人公の一筋の光もないような生活も、今の私と重なる。映像の歌詞の演出も迫力があった。

15.夕立旅立ち
あと2曲ですというMCがあってからの1曲目。楽器の数やライトによる演出も相まって、このライブももう終わりか、という感じがした。あとライトが目に入って眩しかった記憶。

16.アンチノミー
それまでの曲とは打って変わって、アコギ一本のみ。「感情は持たないでください」という歌詞から始まる。この社会で、感情を持ちながら生きていくことは難しく、多くの人が感情を殺し、感情の起伏をできる限り平たんにして過ごしている。苦悩の原因となる感情や知性を、それでも持って生きていく重要性を歌った歌…な気がする。アニメのEDだったこともあり、締めの1曲にはぴったりだったのでは。

3 終わりに


 自分はファンとしてライブを前列で見るような人間ではなく、後列で腕組でもしながら見てるリスナー的な立ち位置なのかなと思った。
 ただ、理論武装解除のときから(DVDでしか見てないが)映像や演出の迫力が増していた。ベースやドラム、リードのアコギは前回のAcoustic Liveにはなかったものだし、映像の動きもより豊かになっていたように思う。
 最後には、今新しい曲を作っているということを言っていたので、新譜にも期待したい。次は後ろの方でゆっくり見たい。

ステージ撮ったと思ったら思い切り椅子撮ってた



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