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アメリカのセブンイレブンは日本風になれるのか?

そしてカナダのコンビニエンスストア大手、アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けたとの報道

色々話題の多いセブン&アイ・ホールディングスです。

ビジネスのお話はいつも夢がいっぱい。WSJの動画を見ているとアメリカのセブンイレブンの弱点が日本の経営スタイルでカバーされ良いとこ採り!みたいですが過去2回も倒産危機に瀕しているのも無視は出来ない。

しかし本当に日本風のコンビニがアメリカで受け入れられるのかどうかは上から目線だけでは判断出来ないんじゃないかと素人ながら思うのです。

そんなもやもやが続いているのでここに書き出してみることにします。

確かにアジア系が多い都市部などのあまり車利用をしない限定された地域でなら受け入れられそうな気もしますがそれ以外のアメリカでは日本スタイルの浸透はかなり難しいのではないかと・・・

その理由ですが

  • 冷蔵品の流通基盤が無い

  • 食の好み

  • 労働環境

等を考えてみる必要があると思うのです。

まず詳しく日本のコンビニエンスストアの流通を学んだわけではないのですがかなりintence -濃厚なシステムだと想像はできます。
ではアメリカにそれを作る土壌があるかどうか?と考えると全く無いのではと思うのです。

まずアメリカでは日本のヤマト運輸のサービスである宅急便で冷蔵冷凍はありません。そこから既に違っていて今後気軽に頼める冷蔵冷凍の配達が導入されることもないでしょう。個人流通の王様Amazonでさえナマモノの配達はものすごく限られた地域でしか取り扱っておりません。

傷むものとそうでないもの。

だからこそ新天地開発として日本スタイルのコンビニがこれからの新鮮な調理済みの食料入手方法として未来がある、と言えることもないけれども、やはりだからこそ普及しないと言えるのではないかと。

傷むものを毎日発送すること。

アメリカでもトラック運転手不足は続いていますし配送費の高騰はもちろんこの先無くなる問題ではありません。ファストフードは冷凍配達が主だとすると冷蔵配達用のトラックをまず新たに手配する、そこから割高感満載です。この費用を商品に加算したらかなりの額になるのではないでしょうか。

その料金を払うのであればレストランのお持ち帰りや出かける必要のないuber eatsなどが競合となる可能性が大きいですよね。どこかの工場で作られたお弁当より近所のレストランやフードトラックの方が良いと感じる人も結構います。日本人の考えでは徹底的に管理された工場での食品の方が安全といえるかもしれないですが。

労働力の確保。

そもそも日本のコンビニエンスストアのビジネスモデルがかなり末端部分に支えられ成り立っているように見受けられます。もちろんデータ分析などMBAが好きなこと系なこといっぱい利用し企業的に無駄なく効率的に稼働していると対外的には(特に投資家向けには)説明するのでしょうけれど、やはり店長はじめアルバイトやパートからの支えはなくてはならないものだと思います。

今のアメリカでは、昔もですが、そのような人材は存在しないと思います。
今のコンビニエンスストアは傷まないものがほとんどですので棚入れなどの作業も少なく店員さんがこなさなければならない仕事量が少ない。それ以上を要求したら働き手がいなくなります。ただでさえ治安が悪化してきている時代に最低賃金でよろしくね、は成り立たない。
日本の企業は日本の労働者が手元にあるということは奇跡に近いと早いとこ気が付き厚遇すべきです。

近くに食料を提供するサービスがない地域のガソリンスタンドではファストフード店が一緒になっているので弁当ちんがなくても暖かい食事として困ることはないです。

日本と違う点でアメリカのコンビニエンスストアの日本風を難しくしている理由にあげられるのは、スーパーマーケットの営業時間です。大型店舗で朝の6時から真夜中まで。場所によって多少違いますが大体そんなものです。

大手のスーパーマーケットにはセキュリティーの人も雇われていますし人数も多いので夜遅くまで働いたとしてもまだ安全は確保されています。
そして彼らは基本的に正社員です。
アメリカではスーパーマーケットの従業員は正社員です。
コストコは労働組合ないですがアルバートソンなどはあります。

サブウェイもやたらどこにでもあります。営業時間は朝7時から夜10です。どれだけ好きなのサブウェイ・・・

ファストフードは夜の営業時間比較的遅いですが10時ぐらいには店舗は閉鎖されドライブスルーのみの営業になります。安全確保のためです。

労働者にとって日本風コンビニエンスストアで働く利点がないですよね?
労働者なく稼働出来るビジネススタイルがあるのであれば既に日本で導入されていてもおかしくないので、まだなのでしょう。

アメリカ人は基本的に急ぎの外食に多様性を求めません。
サンドイッチ、ハンバーガー、ピザです。
飲み物も炭酸飲料、甘いコーヒー系、甘い氷ドリンク。
以上です

冗談抜きでそれだけです。
日清のカップヌードルも昔からありますが利用者はごく限られています。
会社の共有エリアにカップヌードル常備されていても誰も食べません。
ピザやドーナツはあっという間に無くなります。
便利だからって新しいものに手を出す国民性ではない。
都市部は移民が多いので食事に多少多様性があるけれども学校教育を通じてその多様性は破壊され成人する前にサンドイッチハンバーガーピザに落ち着きます。給食だってこの三種の神器です。

地域性が強い高級なスーパーマケットに行くとデリが整っていてここではレストラン顔負けの食事が持ち帰れます。ちょっと食事にこだわるお方はこちらを利用します。お値段は半端なく高いですけれど・・・
意識高いので塩分ん高めのチェーンなどにはいかないでしょう。
コンビニとて同様な扱いになると思います。

サンドイッチ店は沢山あります。
ハンバーガーはファストフードで間に合います。
ピザは配達が主です。
ホットドックはコンビニで。

今の綺麗な棲み分けに変化が出るような地盤じゃないと思うのが長いこと白人が多数派の地域に住んでいる私の考えなんですけれど如何でしょうか?

味の素が冷凍食品でコストコに参入に成功。
キューピーはマヨネーズと胡麻ドレ。
ハウス食品も大豆商品を始めちらほら。
キッコーマンは微妙な路線を彷徨いつつも安定して醤油を供給。
日清はとても安くて驚くほどまずい乾麺&カップを未だに供給。

決して日本の調味料が苦手な訳では無いと思うのですけれど・・・
何か特別なものも求められていないというか・・・

宅急便の取り扱いも重要な日本のコンビニのサービスですが、Amazonのボックスはセブンイレブンの外に置かれていますが店員さんの仕事とは無関係ですね。

アメリカの経済が鈍化し始めたこのタイミングで新たな取り組みに乗り出すのは経営者として正しいのかそうで無いのか?
将来は元に戻って氷のドリンク屋なんてことにはならないと思いますけど
気になります。

こんなことをつらつらと考えております。

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