ひらけ!ポンキッキの開始時について

ポンキッキをテーマにノートを書くのは初めてなので、何をテーマにして書くべきか悩んだのですが、まあ最初という事なので…ひらけ!ポンキッキの初動時について触れてみたいと思います。

ひらけ!ポンキッキの放送開始は1973年4月ですが、その2年半前から下準備をしていました。元々はセサミストリートがヒットしたことの影響が強く、独自に幼児教育部というセクションを置きその研究結果が出るまでにそれだけの準備期間がかかったとのことでした。
開始時のスタッフですが、Wikipediaにはプロデューサーとして伍社英雄(フジテレビプロデューサー、映画監督など)の名前がクレジットされてますが、企画書に携わっただけのようです。チーフディレクターとして野田昌宏が制作を仕切っており、以下ディレクターとして森永勉(フィルムロケを担当)、筧達ニ郎(野田昌宏の学習院大学での後輩に当たり、後にプロデューサーとなる)、古矢直義(後に日本テレワーク社長となるが、捏造問題によって引責辞任)、前田利博(いっぽんでもニンジン等の作詞)、三輪道彦(後にリトルスタジオインクを立ち上げる)らが参加していました。また美術スタッフとしてその後beポンキッキーズの時代まで関わることになる濱野明子もこの時点で番組に参加していました。
また構成作家には開始前の企画書段階で高田文夫、その後のっぽさんこと高見映が参加しました。
キャスティングは当初ガチャピン役に新井亭という方が選ばれ、ムックには矢沢邦江(後に雨宮玖仁子に改名)が選ばれたが、幼児教育部の判断でガチャピンに矢沢邦江、ムックが石山かつみへとそれぞれ変更されています。またガチャピン役の雨宮玖仁子によると、模造紙に100体ほどキャラクターデザイン案があってそこから野田昌宏にどれがいいか?と聞かれて雨宮玖仁子が選んだキャラクターがそのままガチャピンとムックに採用されたと語っていました。有名な都市伝説としてガチャピン=ポールマッカートニー、ムック=ジョンレノンという説がありますが、やはり都市伝説の域を出ていないようです。

放送開始時は放送は生で行われていたと雨宮さんは語っていますが、細かい情報が残っていないので詳細は不明です。
開始時のレギュラー出演者は、司会進行としてペギー葉山、その他出演者としててんぷくトリオ、可愛和美、はせさん治、谷幹一、またキャラクターとしてガチャピン、ムックの他に演者は不明ですが船長というキャラクターも出演していました。

開始時の様子は2003年放送の「ポンキッキ30周年スペシャル」や2019年に放送された「ガチャムク」での過去の振り返り映像、またガチャピンムックミュージアムの展示物にて閲覧できるものがあるそうなので、比較的視聴するのは容易ではないかと思います。ガチャムクに限定していえばFODに加入すれば閲覧可能です。

初期のポンキッキの音楽に関してですが、音楽監督としてジャズクラリネット奏者の藤家虹ニが参加しています。以下
藤家虹ニ
♪ガチャピンのこもりうた
♪雨の降る日はぼくゴリラ 他多数

越部信義(おかあさんといっしょにて音楽監督)
♪傷だらけの僕
♪看板のうた 他多数

藤原義久(山形大学教授)
♪宇宙船地球号のマーチ 他多数

内藤ただし
♪おしゃべり雨さん
♪雨さんどこ行くの

井上かつお
♪風の子冬の子元気な子
♪9ってしってる?

森田公一(青雲CMソング等)
♪うたのどうぶつえん
♪数のうた
♪キッチンバンド

といった、当時の歌謡曲界を代表する作曲家たちが参加していたことになります。これらの曲は放送開始前に制作された曲が大半を占めており、後の時代にはほとんど流れていません。なので貴重な音源がとても多いのですが、この初期の楽曲群はまた改めて作詞作曲歌唱のリストを制作してから公開しようと思います。

かの有名なたいやきくんやいっぽんでもニンジンは以後音楽ディレクターとしてフジポニーの社員だった小島豊美が参加してから制作された曲であり、後年リピートされるようになったのは基本的にそれ以降の曲になります。

放送開始時のコーナーについてですが、こちらも参考資料が非常に少ないので確信めいたことは言えないのですが、既に初期の段階で音楽、スポット(15〜30秒程度の短いアニメ)、コア(ガチャピンの外ロケ等)、サブコア(寸劇)というスタイルは確立されていたようです。これらに加え、味の素がスポンサーだったことからお母さん向けのコーナーとして料理コーナー、また週末にはその日1週間の内容を振り返るためのクイズコーナーも設けていたそうです。

このスタイルがいつまで続いたのかはわかりませんが、1975年10月に平日お昼2時からお馴染みの平日朝の時間帯に移動することになりますので、そのタイミングでリニューアルがあったのではないかと推測されます。
この時期にペギー葉山が司会から離れ、てんぷくトリオもスケジュールの都合で早々に番組からは消えていきました。生放送というスタイルもこの前後で切り替わったのではないかと推測していますが…詳細は不明です。

長くなってきましたので今日はこの辺で…次回以降追って
•それぞれのスタッフの担当コーナー
•制作会社変遷
•初期の音楽
•スポット
•コア
などにも触れていきたいと思います。

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