小説「高校卒業」
昨日私は高校を卒業した。
すごく不思議な気分だった。教室にきても、雰囲気は何も変わらないのに、女の子のいつもとは違う凝った髪型に濃いめのメイク、男子の上まできっちりしまった学ラン、先生のスーツ。
どこか何かが違った。足と手がそれを見てどこか不安な感覚になる。あっというまに卒業式が終わり、最後クラスに戻り一人ずつ卒業証書をもらった。私はその時から心臓がバクバク止まらなかった。実は、私はクラスの委員長をやっていて、クラスのみんなと話して最後の号令をかける時に代表して先生に感謝の言葉を短めに伝えることになっていた。別に噛むのが怖いとかそういう不安はあまりなかった(みんな優しいから許してくれるだろう)はずなのに、あっこれでこのクラス最後なんだっていう最後というなにか大きな圧に私の心臓はやれていたんだと思う。そしてついにその時がきた、先生!!といったあと、私はうまく口が回らず言葉を詰まらせた。だめだちゃんと言わないと、そう必死に次の言葉を出すとその瞬間涙が止まらなかった。先生に助けられたこと、褒めてもらったこと、叱られたことたくさん思い出がことばを発するたびに涙とともに溢れ出た。
「先生!本当に3年間ありがとうございます」
そのあとみんなの温かいありがとうございますの声が聞こえた。
正直自分の中では辛かった三年間だった。受験、クラスでの揉め事、親と一生分かり合えないと思った日、学校にいきたくなくて泣いた日。
自分はもう学校は向いてないかもしれないと本気で思ったはずなのに。次の日には家いるのが居心地が悪くずっと学校にいたいと思ったり、とにかく心が安定しない毎日だった。それでも
こうやって無事卒業できたのは綺麗ごとのように聞こえるが、クラスのみんなとたくさんの先生のおかげだ。
本当にありがとうございます。