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科学詩のために

詩と科学(湯川秀樹へのオマージュ)

「詩は一本の大河となって世界をめぐっている。詩人たちは古来、その水を自言語で掬い謳い継いできた」
科学は一本の大河となって世界をめぐっている。科学者たちは近来、その水を自言語で掬い謳い継いできた
「わたしたちはときにその一滴を口に含み、自らが世界と繋がっていることに感動するのである」

Quo Vadis*

科学は病んでいる
La science a de la fièvre
 
病から詩が生まれる・・・
科学と科学者と市民のために

(2016年10月13日)

附記
*Quo Vadis(クオ ヴァディス)は、『聖書』の言葉「何処へ行く」の意
2023年7月2日、「科学詩」より改題

科学(2011)

科学の不確実性
技術の不完全性
 
自然の不確実性
人工の不完全性
 
東日本大震災
福島第一原発事故
 
・・・
・・・
 
科学がいとおしい

附記
科学は間違える。「科学=真実」ではなく「真実に近づくための営み」にすぎない。だからこそ「間違い続ける」こともない。その不断の検証サイクルにより、いつか間違いは正される─と期待し、真実である確率を少しでも高めるための営みが科学だ。

論文詩について(2020)

「科学」への『叛逆』
「科学」から文学への恭順
 
There, each citizen changes scientifically from “knowing citizens” to “thinking citizens” and then to “acting citizens”
There, we head to a society where citizens "govern" together, reshaping themselves
 
Thesis poetry!

参考文献
ネグリ・アントニオ、マイケル・ハート『叛逆│マルチチュードの民主主義宣言』(2012年)

論文詩とは(2019)

科学の不自由からの自由
詩の自由からの不自由
 
科学の非現実からの自由
詩の現実からの不自由
 
科学(者)と市民をつなぐ科学コミュニケーションツールである
俳句や短歌が市民をつなぐ社会コミュニケーションツールであるように
 
知識から情緒的知性へと変える

「神聖なるもの」

「神聖なるもの」は
科学コミュニティの聖域を社会に開放する
 
正しい「神聖なるもの」は
科学と科学者と市民をつなぐ
 
正しい「神聖なるもの」は
社会を変える
 
そして「神聖なるもの」は
「神聖ならざるもの」に

(2021年11月5日)

科学ハ

(2023年7月2日改)
科学ハミズカラノスガタヲシラナイ
科学ハカガクヲシラナイ
 
──科学が、認識によって解明される前に自然のなかに根づいていた所産であるならば、科学は自然のなかに組み込まれている

(2020年2月14日改)
科学ハミズカラノスガタヲシラナイ
科学ハカガクヲシラナイ
 
──科学が、認識によって解明される前に生命のなかに根づいていた所産であるならば、科学は生命のなかに組み込まれている

Science DOES NOT KNOW ITS OWN FORM
Science DOES NOT KNOW SCIENCE

──if science is a product rooted in life before it is unraveled by cognition, science is embedded in life

三つの科学

科学
宇宙の中の一つのかたち
 
科学
宇宙の中のかたち
 
科学
宇宙のかたち

(2022年10月2日)

きみは科学だ

きみは科学だ
 
その不断の検証サイクルにより いつか間違いは正される─と期待し 真実である確率を少しでも高めるための営みが科学だ
 
その瞬間に一筋の光
 
もしもきみと出会ってなかったら
ぼくは一体どんな姿だったろう
 
その手を差し出してくれるでしょ
 
すべてが簡単だったころ
忘れられないすべての瞬間
 
I’m livin’ you I'm lovin’ you Science

(2022年9月17日)

科学者はいつも

自然の科学性と生命の「内なる」科学性を共に振るわせて
いつも一つに振るわせて
 
振れ合っている
Scientists are always homosexual
 
(2022年12月15日)

科学論文

科学は清くならねばならない
論文は貧しい動詞である
 


Science must be pure
paper is a poor verb

(2020年12月20日)

科学の身体化(2022)

論文は科学を意味する
論文詩は科学者を意味する
 
論文は科学の世界であり
論文詩は科学者の世界である

科学の身体化(2023)

科学論文は論文詩という「科学者」になる

科学とは

宇宙は科学で理解できるようにできている
世界は科学で理解できるようにできている
 
科学者は世界を科学によって作り上げていく
 
(2022年11月28日)

歓喜の泉

満天の星空に飛翔する崇高な精神は
歓喜に満ち満ちている
 
朝は来た
宇宙へ連なる歓喜を目ざめさせよ
 
科学の奥深く
歓喜の湧き出る泉はあった
 
(2022年10月4日)

科学の理解

物質と生命
量子論と進化論
 
「世界とはなにか」を理解すること
「理解とはなにか」を理解すること
 
世界は科学で理解できるようにできている
 
(2022年12月2日)

科学のはじまり

he happened to find a shoe on the beach
 


 
(2022年12月13日)

附記
heは、人類のこと。!は「センス・オブ・ワンダー」(レイチェル・カーソン)を、?は「限りない好奇心」を意味する。

補記
ただし、世界は科学で問うことはできても、科学だけでは答えることはできない問題を孕んでいる。

参考
‘oh he got a shoe from the waves’ by R. Grenier

科学を越えて

宇宙のダークマターとダークエネルギーにすべての意識は浸っている
天の川銀河も、太陽系も、地球も、生命も、そして人も、すべての意識は浸っている
 
Just as all living things are immersed in the breath of plants
 
(2022年12月15日)

補記
すべての生物が植物の息吹に浸っているように

科学の成熟(2022)

科学の発展段階は、技術との相互作用(科学技術)による成長期から関係主体間の「対話と協働」により「成熟期」に移行するもの
 
その発展段階における科学と「対話と協働」のつながりは、科学文明下の環境問題はじめ社会の課題解決に結びつけていくための新たな価値観や生き方の創造につながるもの
 
科学の成熟は、科学者と市民を変えていくもの

参考文献
「対話と協働」による環境科学の取り組みに向けて─科学の発展段階からの考察─. 環境科学会誌, 31(6), 272-279.

論文と論文詩(2022)

論文はウチに無限に広がる 単数形の不変
論文詩はソトに無限に広がる 複数形の変化

論文詩は

論文詩は科学論文のアップサイクルである

(2024年8月2日)
 
 

 
 



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