桜月期間を数字で総括する
桜月のミーグリが終了し、一旦5thの期間が終わりました。
ここからはメンバーはツアーに注力しつつ、6thの制作に入ることになるかと思いますが、その後はラヴィットソニックなどのフェスでもメンバーの姿が観れるといいなと思つつ、まずは5th「櫻月」期間お疲れ様でしたの総括を。
総論としてはこの5th期間は「チームを瓦解させずになんとか堪えて、そこで3期生を育て、今後の弾みをつけることができた」という、危機感を抱えながらもかなり充実した期間だったと思います。
それでは早速、その辺りをいくつかの指標から見ていきましょう。
MV再生数+YouTube会員数の増加
まずは「なんとか耐えた」について。
それが一番わかりやすく出ている数字が、YouTubeのMV再生回数かなと。YouTubeのカウント方法のアルゴリズムがおそらく大きく変わってカウント稼ぎがかなり難しくなっている中、5thシングルのMV視聴数は4thと同じ水準を維持。発表から82日を経過した4月17日12時時点で視聴数は370.9万回。五月雨よの82日経過時点の視聴数370.8万回をわずかに上回りました。
なお桜月以降にリリースされた乃木坂、日向坂のMVは、それぞれかなり苦戦を強いられており、いずれも各グループの前作どころか桜月に大きく水を開けられています。例えば4月15日時点、MV公開18日目を迎えた日向坂46・9thシングル「One choice」は累計再生回数 164.8万回(坂道フル公開MV119作中63位)で、「桜月」の公開18日目の累計再生回数は 228.0万回(49位)なので、60万回以上の差。公開23日目となった乃木坂46の「人は夢を二度見る」は215.0万回(54位)、一方で桜月の23日目は247.9万回(50位)でしたので、30万回以上の差に。
ティアラの皆様をはじめとした他のグループのファンと共闘できるいいタイミングであったことや、ファンの多くがyoutubeのカウントの仕組みを共有しながら動画を回せたことなど、さまざまな要因があるかと思いますが、根本はもう少し深いところにあるのかなと感じています。それは後ほど。
でも、このおかげで別のグループのファンの方々が櫻坂を知ってくれるいい機会になったのは間違いないと思います。実際に、ここ1年から2年なかなか増えなかったyoutubeチャンネルの登録者数も23年年初から比べて2万人以上も増加。今年頭から期間の櫻坂チャンネルの動画総閲覧回数は3401万5049回と、チャンネル全体の昨年末までの同じ期間の1.5倍超に。3期生とかさくら旅とか企画が多数あったので、そのコンテンツの充実した供給が好影響を与えました。以下、3坂で比較してみると以下の通りです。
櫻坂YOUTUBE 年初から4月17日までの4ヶ月+2週間で登録者2万人増(108万→110万)この期間のチャンネル全体の動画再生数は3401万5049回(年末までの同期間で2197万8414回)
日向坂YOUTUBE 年初から4月17日までの4ヶ月+2週間で登録者5000人増(72万5000→73万)この期間のチャンネル全体の動画再生数は1896万2736回(年末までの同期間で3080万4258回)
乃木坂YOUTUBE 年初から4月17日までの4ヶ月+2週間で登録者2万人増(159万→161万)チャンネル全体の動画再生数は5650万5633回(5084万9800回)
ミーグリ1時間当たりのCD売上=アイドルの価値の向上
耐えた、のもう1つの指標は、CDの売上です。
ちなみに耐え忍んだ時期を通じて、グループとしてより実力と魅力を蓄えられたと言ってもいいかもしれません。
ここでは実売数がちゃんとわかるBillboardを使って説明します。「桜月」は初週売り上げで初めて40万枚を切り、それだけでセールス的に失敗扱いをする一部他グループファンもいるようですが、実際は「大健闘」だと思っています。その奮闘ぶりを示す指標が、以下の表にある「ミーグリ1時間あたりのCD売上数」です。
基本、坂道のCD売り上げのほとんどはミーグリなどの握手会関連のイベントに支えられています。自分の好きな推しメンに会う時間をCDに置き換えて買うこのビジネスモデルで重要になるのは、いかにミーグリ枠を多く確保するか。その総時間を示したのが、上の表の4番目の項目「稼働総時間」ですが、実は櫻はメンバーの卒業が多数あったことで、(3期生がまだお試し期間的なこともあり)その稼働時間は、だいぶ減り続けているのです。
しかし、蓋を開けてみると(渡邉理佐さん卒業によるブーストの影響が強い4thを参考値として)3rdから12%もミーグリの総時間が減ったにも関わらず、CDの売り上げは3%程度のダウンで収まっている。これはつまりミーグリ1時間当たりのCD売り上げ数が3rdと比較して大幅に向上したことを意味します。
この指標は、いわばグループの魅力度を表すもの。ミーグリの枠が減ったとしても、一人一人のメンバーの価値が高まった、楽曲そのものが評価されたなど、さまざまな要因でグループの魅力が高まり、在庫が大幅に減ったにも関わらず売り上げ減を最小限にとどめられたのです。
(齋藤飛鳥さん卒業ブーストがあった乃木31stを除き)近年、どの坂道もこの指標が軒並みダウンしている中、櫻だけはその魅力が増し続けているのは、櫻坂が実力を蓄えてきた本物のアイドルである証拠。
ちなみに本日フラゲされる日向坂が9thシングル。実はミーグリの枠が物凄く増えています。この指標をもとに櫻坂と同じ価値を出すためには、初週53万枚の売り上げが必要になります。
メディア露出の高まり
三期生が本格活動し始める6th。懸念としては同じパイの中でメンバー同士がファンを食い合ってしまうこと。上記指標を維持し続けるために重要なのは、新しいファン層の更なる獲得が必要になります。
その点において5th期間でもう1つ特徴的だったのは、メディア露出が圧倒的に増えたこと。
https://www.tv-ranking.com/
こちらのサイトによると、
櫻坂の2023年のテレビ番組出演数は、4月17日現在90本で18位(2021年42位→2022年26位)、出演時間は102時間で20位(43位→27位)と、いずれも大幅に向上しています。ちなみに現時点ではこの指標はいずれも3坂道トップの数字です。サクラミーツといった新しい番組、(この指標には反映されていませんが)天ちゃんや土生さんのCM出演など、いろんな人に知ってもらう機会が増えたと思います。その成果が数字として出るのは6thからになるでしょうが、この5th期間を通じて、明らかにメディア露出に対するメンバーやグループの意識が大きく変わったことは間違いありません。
グループを変えたセンター守屋麗奈
メディア露出への意識、外に向かう意識が大きく変ったグループ、各個人がそれぞれいろんな実力をつけようと努力をするグループ。それを先導したのは、間違いなくセンターの守屋麗奈さんだったと思います。ブログ、トーク、インスタなどの自身のメディアを通じて、今回誰よりも泥臭くグループの宣伝をしてきたのが守屋さん。彼女のホーム番組、TBSのラヴィットで桜月を生披露するという飛び道具を使えたのも、守屋さん以外でできなかったこと。(開催されれば、ですが)ラヴィットソニックという新しい夏のイベント参加権もゲットしましたし、キャプテンの松田里奈とともに外番組の重要性をメンバーに理解させ、それが良い刺激となって、今メンバーひとりひとりがさまざまな活動に乗り出しています。
正直、今回の3rdツアーを見ても、メンバーの中でダンスが飛び抜けてうまいわけでもないし、歌がうまいわけでもありません。現時点ではパフォーマンスを通じてグループを牽引することはできなかったとしても、誰よりも櫻坂というグループに対する強い思いを持ち、自身の行動全てを櫻坂というグループに還元することができるのが守屋さんです。全ての行動を100%グループのためにつなげ、泥臭くグループに尽くした、そんな素晴らしいセンター像を作ってくれたと思います。そしてそれに呼応して、グループ全員がそのセンターを支えながら一丸となってこの期間を過ごすことができた結果が、今の櫻坂の好調の要因になっているのではないでしょうか?
センターやその周辺の人たちが自分の都合を優先してしまっては、その人にいくら魅力があろうとグループは瓦解してしまう。センターは自分の全てを犠牲にしてそのグループのために動く、それができなければそこに立つ資格はないのだということをまざまざと見せつけられた期間だったと思います。
あと、三期生が現状素晴らしい活躍を見せてくれたのも、グループにとっては大きかった。このままでは一期生二期生も簡単に食われてしまいそう。その刺激がチームを活性化して、全体に良い影響をもたらしてくれるといいですね。
これは個人的な願いですが、守屋麗奈さんの自己犠牲に報いるためにも、そしてこの新しいセンター像がファンにどのように受け止められたのかをきちんと検証するためにも、6thはセンター守屋さん続投で言ってくれると嬉しいなと思っています。おそらくそれはこのツアーでの彼女のパフォーマンス面での成長にかかっているような。