高橋泰城先生 6/19 行動科学概論
・二重スリット実験
・閑話休題
試験に合格したら温泉旅行に行こうと思う人は多いだろう。では、不合格であった場合はどうであろうか。
試験の結果がわかるのは1年後であるとすると、今は合格か不合格かわからない状況である。多くの温泉宿は1年前に予約すると非常に安く泊まることが出来る。しかしながら、合格か不合格かわからない状態では多くの人は予約しない。
・Savageの原理
世界の状態がAである場合にX>Y、A>notAである場合、世界の状態がAであるか不明でもX>Yとなる"べき"であるとする。
この原理を成り立たせる例としては、
A:ニュージーランドで地震が起きていない
X:(日本に住む)私が学校に行く
Y:(日本に住む)私が学校に行かない
の場合がある。
ニュージーランドで地震が起きていようがいまいが、日本に住む私は学校に行くだろう、ということは容易に納得できるだろう。
但しこの原理は証明できない点に注意は必要である。
・囚人のジレンマ
二人のA、Bがいる。二人とも協力すると二人の得点(A、B)はそれぞれ(10、10)になり、Aが協力、Bが非協力だと(0、20)、逆の場合は(20、0)、どちらも非協力だと(5、5)になるとする。合理的に考えると二人と協力した場合のほうが、どちらも非協力の場合よりも高得点を得ることが出来る。しかしながら、自分の利益を優先させると、相手が協力する場合でも自分は非協力のほうが20>10点を得ることが出来るし、相手が非協力の場合も5>0点を得ることが出来る。そのため、非協力を選んでしまうのである。これを「被支配戦力の消去」という。
・決定木
以下の画像を参照すると、被支配戦力の消去を視覚的に理解することが出来る。(支配戦力はD、被支配戦力はC)
・リンダ問題
リンダは欧米圏でよくいる女性の名前で、リンダの属性を「大学で哲学を専攻していた」「社会主義者」「31歳」「独身」であると提示する。
この場合、リンダはA:銀行員、B:フェミニスト活動家、C:AかつB、D:レストラン店員のいずれだと考えられるか、可能性が高い順に並べよという課題を提示する。
すると、合理的に考えると単純な銀行員やフェミニスト活動家のほうが銀行員かつフェミニスト活動家である人より多いに決まっている。何故なら銀行員という括りにはフェミニスト活動家である人もそうではない人も含まれているし、逆もまた然りであるからである。しかしながら、人々はCがAやBよりもあり得ると選んでしまいがちであるというのだ。