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個人的2024ベストアルバム
どうもー、Nino PaidとBabychiefdoitに影響されたキッズでーす!ベストアルバムやるよー!
https://rateyourmusic.com/list/Yeltoramarcus/2024/
上は、Rate Your Musicでまとめた正規の自分の年間ベストで、先にこっちを見てから戻って来ることをおすすめします。
Chief Keef - Almighty So 2
サウンドの迫力込みですごい感動した。本当に2年間の延期を耐えた甲斐あった。ウワモノ然りラップ然り808然りすごいとしか言いようがない。みんな聴いてほしい
ぬゆり - ACT7
全ての曲の歌詞、作曲、編曲がバチバチ。ボーカルはv.flower、可不、重音テトでいろんなジャンルの曲入っているけどここまで統一感を出せるのすごい。
Laila! - Gap Year!
ニューヨーク拠点のシンガーによるデビューアルバム。Yassin Beyの娘さん。宅録感、SSW感が色濃いけどここまでポップスに仕立て上げれるの作曲能力が高すぎる。サウンドも90s00sのR&Bのいいところを現在にアップデートさせた感じで良い!
Jean Dawson - Glimmer of God
前作のストレートなオルタナロックからピアノを多用したシリアスで重厚、ドラマチックなサウンドになり、より彼の作曲能力を実感できる内容になっている。超絶かっこいい。
EBK Jaaybo - The Reaper
漆黒でダークなコーラス、ギター、綱渡りで暴れ回るパーカッション、確かに刻まれるウェッサイのビート、そして威風堂々なラップ。全てがたまらない。
Z-Ro - The Ghetto Gospel
去年のLarry JuneとCardoのコラボアルバムに近い立ち位置。G-Funkとしてはこれ以上ない完成度。Z-Roのボーカルも物凄く冴え渡ってる。
Mk.gee - Two Star & the Dream Police
今年の最大の注目作。Funkのエッセンスやニューエイジの響きを持ったギターがつぎはぎになって作られているので地味に難関作。よくこのサウンドをここまでポップにすることができたなと思う。傑作。
Rema - Heis
アフロビーツミーツOpium。本作で彼がやろうとしていることはこの一言で言い表せられる。これだけ意欲的なことをしていながらアフロビーツのオーセンティックさを保っているのも地味にすごいポイント。
Kasane vavzed - Yield
Vitalも本当に素晴らしかったけど、自分はこっち。スクリーム、オートチューン、シンセ、ビートが一つの生物と成し、縦横無尽に暴れ回っている。毎回サウンドの迫力に圧倒されるけど、最後にしっかり余韻を残すのは熟練した技だと感じる。
SATOH - Monkeys
東京を拠点に活動するデュオ。すごい若々しさに溢れていて最高だった。シンプルで何一つ余計なものがないサウンド。アルバムが楽しみ!
CoffeeBlack & WTM Scoob- Love at First Sight?
BbymuthaやMaviやSIdeshowとの仕事経験のあるデトロイト拠点のプロデューサーとDaeMoneyを擁するデトロイト発のクルーWrld Tour Mafiaの元メンバーによる共作。Vaporwaveを思い起こさせるようなサイケデリックなビートが五感を支配したかのように感じられた。必聴。
Elle Teresa - Suki EP
「平気」や「Don't want you to be too famous」ではR&B、「sensei」はミルウォーキーのバウンスを含めたデトロイトShit、「Nemo」はアフロビーツと多種多様のビートに挑んでるけど、散漫とした印象を抱かせないのは普通にすごい。「平気」全体的にしっとりとした雰囲気で涙したし、「sensei」のバチバチと華麗に韻を踏みながら雰囲気を作ってく様はかっこいいと思った。
Star Bandz - Estrella
シカゴ出身のラッパーによるデビュー作。ドラムスは確かにシカゴドリルだが、上ネタがデトロイトやGloなのはシカゴを取り巻く環境を物語っていて興味深かった。しかし、やはり一番は軽快に豪快に韻を踏んでいる彼女であろう。今年のシカゴはニューカマーがたくさん出てきた。Vonoff1700, Babychiefdoit, Chuckyy, MAF Teeski, 故Lil Scoom89, 故Bloodhound Lil Jeff、BloodhoundQ50, Screwly G(インディアナ州ゲーリー出身), Lil Kingと今後が楽しみ(だった)な逸材ばかりで非常に楽しみな地域です。
SlimeGetEm - Richest Demon
DMVの狂乱貴公子。金属音や銃声が所狭しに鳴りまくって、重めに処理されたパーカッションが右に左に乱舞している一ついじったら全て崩れるようなビートにシリアスでブラックなラップが線を通すかのように繊細でなおかつ雄大に大胆に乗っかっている。ラップの旨みが凝縮されたような音源。大推薦。聞き逃すな。
Unessential Oils - Unessential Oils
カナダ発のインディーロックバンドPlants & AnimalsのギターボーカルのWarren Spicerによるソロプロジェクト。音楽性としてはより朴訥にしたHiatus Kaiyoteという感じ。風呂場から着想を得たという様にそこに在るという世俗さと程よいラグジュアリーさが共存しており、また彼らのようにドリーミーなワンダーさも担保している。このように北米のインディーロックとソウルミュージックを上手に混合した”一家に一台は欲しい”という文句がまさしく似合うような作品である。
Babyface Ray - The Kid That Did
このアルバムは、彼もついにこんなリッチなアルバム作って…と感嘆に浸るような作品である。まさかのFabolous参戦にも現れているようにR&Bにがっつり入るパートが象徴的だが、そこまで気にならず、デトロイトらしさがしっかり映えているのが彼の巧者なところだなと感じた。
Loe Shimmy - Zombieland 2.6
フロリダのラッパーによる作品。本作はVeezeの去年の大傑作のGangerの影響下にあり、Gangerをさらにニューエイジやアンビエント状にしてスローなブルースにした感覚である。まるで宇宙船から宇宙を眺めているかのような情景を思い浮かばせる。彼のマンブルのラップすら哀愁ダダ漏れでしんみりと涙を誘う。
03 Greedo - Crip, I'm Sexy
西海岸を代表するラッパーがサンクラだけにひっそり上げてた新作。このアルバムはどこにもいけない息が詰まりそうな錯乱した狂気に満ち溢れており、爽やかで程よくレイドバックしたメロウな曲も諦観に満ちている。ひっそり上げたにしては36曲1時間40分近くのあまりに巨大すぎるアルバムであるが、むしろそれはこの作品の狂気が際立たせている。
Bossman Dlow - Mr Beat the Road
「I was bad in fu**in' school, now I'm tryna dodge a sentence (学校ではクソガキだったが、今は逃れようとしている刑期)
Just walked out the Lanvin store, pair of shoes, twelve-fifty(ランバンの店から出てきたばかりだ、セットの靴、1250ドル)」
「Get in with me」のこのフレーズかっこよすぎ。ラッパーとしてキャラが立っていて面白いし、ラップやパーカションのリフレクションや上物のリズムが幾重にも絡み合っていて聞き応え満載。
Skaiwater - #Gigi
UK出身LA拠点のラッパーの新作。Plugg的なキラキラしたサウンドにクリッピングした凄まじい轟音の808の取り合わせは初めて見た。これだけで満足感がすごいけど、アングラ感とポップさのバランスの取り方が絶妙だし、その狭間で響く歌声がすごい綺麗で感動的。
Real Boston Richey - Richey Rich
Future主宰のレーベルFreebandz所属のフロリダ気鋭のラッパーによる新作。安定してレベルの高いラップ、ビートが次々とお出しされる作品。ハッスルしながらスイスイとビートを掻き分けていくラップがいかにもな雰囲気を醸し出していて良い。
Nourished by time - Catching Chickens
ボルチモア出身ロンドン拠点のSSWの新作EP。前作のトリップホップ的な成分が後退し、爽やかな曲調になってる。気分を爽快にしたい時はこれ流せば良し。
Lisha G & Trini Viv - Groovy Steppin Sh*t
サウスカロライナのラッパーとフィリーのプロデューサーによるコラボ作。一聴したらわかるように、奇怪で酩酊を誘う宇宙的なビートが耳を支配するが、このインパクトのあるビートに負けじとLisha Gはフリーキーなフローを展開している。このビートと彼女のフローによる絶妙な間、すなわち一つ間違えば崩れてしまいそうな緊張感こそが本作の醍醐味であり、なおかつコラボ作品というフォーマットを上手に活かしていると言える。
Jaeychino - ArtworkⅢ
SlimeGetEmと同じく現在アツすぎるDMV地域のラッパー。彼は先に紹介したSlimeGetEmのようなパーカッションの乱舞とアドリブで雰囲気を作るスタイルとNino Paid(彼のアルバムもまた必聴)のようなCloud Rap的なチルなビートの上で淡々とラップをするスタイルのいいとこ取りである。スペイシーでキラキラした上ネタと音割れたしたかのような荒々しいビートのダイナミクスにひたすら圧倒される。
Watson - Soul Quake 2
日本で一番アツい徳島のラッパーの最新作。まず本作に客演なしというのにくらったが、去年の1よりもさらに自身のことや自分の周りや地元徳島に焦点を当てており、彼のリリックにしみじみとした気持ちになった。また、それにつられてかKoshyのビートも素朴さながらも余韻を感じさせるものが殆どであり、それもありアルバムとして全体的にまとまっている。全部いい曲であるが、その中でも特に「阿波弁」は大名曲であり、一際印象に残っている。
fucksnowrr - #NotADeluxe
本作の構成としてはラップ然りビート然り音割れした808然りオーソドックスなDark Pluggであるが、肝はそれをPS4を連想させるような壮大で奇想天外なサウンドに仕立て上げた彼の編曲能力である。その結果、この作品は気持ち良い騒々しさと厨二心とシリアスさを程よくコンパイルした魅惑のサイケトリップを描いた。
El Cousteau - Merci, Non Merci
DMV出のEarl周辺のラッパー。本作はEarl人脈らしくソウルフルな上ネタが印象的だが、それ以上にDMVらしい?キックや所狭しに敷き詰められたハイハットや語気を強めるといったビートアプローチなどと非常にアグレッシブである。 Earl周りにもDMVのラッパーにもこういう立ち位置のラッパーはいないのでかなり面白い。
Kee Avil - Spine
カナダモントリオール拠点のSSW。グリッチしたビート、極限まで音を抜いた陶酔的で不気味なテクスチャー、刺々しく豪胆なギター、ポストパンクのぶっきらぼうさとBjörkを彷彿とさせるドリーミーさを兼ね備えた歌。その全てが見事に分離しているが、それらが合わさった時の推進力による勢いや臨場感は随一である。
Liana Flores - Flower of the soul
イギリスのSSW。一聴して分かるようにガットギターの感触やドラムからボサノヴァの強い影響をひしひしと感じる。実際、それは全員がそう思っているし、本人も認めるところだが、音色や歌声からはやはりイギリスの人だなと感じた。本作の魅力は音色や詩、彼女の歌声によって構築された童話的世界観だが、それはイギリスとブラジルの音楽の交差による異国情緒に似た雰囲気により強調されている。