#28 ウィーン、たぶんもう来ないだろうなあとおもったり(旅行記)
クリスマス、そして年末というホリデーシーズンの目のまわるような忙しさを何とか乗り越えたわたしは、2024年明けて2週目、オーストリアはウィーンへとむかった。
11月の末に来れればと考えていたが、同僚のホリデーと時期がかぶってしまったため取得できず、およそ3ヶ月ぶりの遠出だった。
ウィーンについての知識はあまり持ちあわせていない。しいていえば、カフェ文化がさかんなこと、ウィーンフィルの本拠地、あとはオーストリアハプスブルク家(ミュージカル「エリザベート」から得た知識)くらいだろうか。
したがって、どうしてもアレが見たい!これが見たい!という計画はとくになく、おそろしいほどにノープランの旅となった。
ウィーンでは、歴史のあるカフェに行ったり、クリムトの作品を見に美術館へおもむいたりした。
1月のウィーンのまちは空が高く晴れわたっていて、どことなく日本(東京)の冬にも似た空模様だった。
街全体を薄氷がおおったようにぴりっとした寒さがあり、ダブリンのそれとはまたちがう。白を基調とした街並みが、よけいにそう思わせたのかもしれない。
息を吸うと冷たい空気が肺を満たす感覚が非常にここちよく、自分好みの寒さだった。
けれども、滞在全体がここちよかったかというと、そうではなかったのがじっさいのところだ。
とくにいわゆる歴史的な・クラシックなカフェであったり、レストランではやはりどことなく居心地の悪さがある。
自分のところにはなかなか注文を取りに来なかったり、適切な金額のチップを渡したとしても、目を合わせなかったり、笑顔のひとつもない。
レストランではウェイターがなかなか注文を取りに来ず、近くの席にいたおじさまが助け舟を出してくれてようやく来てくれたりした。
もちろんそういう人が全てではなく、とくに独立系の新しいカフェやお店に行くとそういった思いはあまりしないのだけど。
デメルのウェイターさんはケーキを決めきれずに悩んでる私にも丁寧に説明してくれたし。
旅行する前に、職場の同僚アイリッシュボーイが「ウィーンめちゃくちゃいいよ、綺麗だし俺は好きな街」と言っていたり、Twitterでも日本人の方が「ウィーンいいですよ!ご飯美味しいし街がきれい!」とレコメンドしてくれたりしたのだけど、残念ながらノットフォーミーだったみたいだ。
あけすけに言うと、白人のお金持ってる人ならたのしいんだろうなあとおもう。
旅行経験がそこまで多くないのもあって、いままであまり嫌な思いをしたことはなかったのだけれど、経験がふえてゆくと、そんな思いをすることもあるのだな。
そんなわけでウィーン滞在は「超楽しかった!」というものにはならなかったけれど、ヨーロッパらしい雰囲気も楽しむことができた。
まあたぶん何か用事がない限り次は来ないと思うけど、まあそういうこともあるよね、と思えた旅行だった。