“世界の二刀流”大谷翔平
私は野球が好きである。小学生の時にファイターズが北海道にやってきて、自然と野球に興味を持つようになった。今一番楽しみにしているのは大谷翔平の活躍で、空き時間にネットニュースをチェックし、ホームランを打ったりしたらハイライト動画を見て楽しんでいる、わりとよくいるタイプの社会人だ。
同僚や友人と話している中でも大谷翔平の話題が出ることがあり、「今日もホームラン打ったんだって」「なんとか50-50達成してほしいな」等と話すことも多い。こういった会話はおそらく日本のいたるところで交わされていることだろう。
ただ、最近ある一人の友人に対して気になっていることがある。彼は元野球部なので昔から野球の話をよくしているのだが、私がネットニュース等を見て「大谷がまたホームラン打った」だの「大谷がまた盗塁した」だのと伝えると、「すげぇな、しかしムーキー・ベッツってあんな変なフォームでよく打てるよな」だの「そうか、それにしてもムーキー・ベッツって体はそこまでデカいわけでもないのに、なんで活躍してるんだろうな」だのと答えてくることが多いのだ。こちらが「大谷翔平」の話題を投げかけているのに、彼は「ムーキー・ベッツ」で返してくる。しかも素直に褒めるでもなく「別にムーキー・ベッツに興味とかねーし、あんなやつの何が良いのかわかんねーし」みたいな態度をとっている。こっちはムーキー・ベッツの話などしていないのに。これは何故か。答えは簡単である。彼はムーキー・ベッツちゃんが好きなのだ。寝ても覚めても、ちょっぴり小柄で健康的に日焼けした彼女のことばかり考えてしまうのだ。だから聞かれてもいないのにムーキー・ベッツちゃんの話ばかりする。そのことに自分では気付いていないのだろう。
おい友よ。
お前は教室で男子同士で遊んでいる時にワザと周りに聞こえるぐらいの声で冗談を言って、その後チラッとムーキー・ベッツちゃんが笑ってくれてるかを見ているし、かまってほしくて何かにつけてはムーキー・ベッツちゃんに意地悪なことを言って泣かせてしまったことが何度もある。
うまく隠しているつもりかもしれないが、お前がムーキー・ベッツちゃんのことを好きなのはクラスのみんながわかってるぞ。