高額療養費制度の上限額引き上げについて→これって保険会社の要求では?
高額療養費制度の上限額の引き上げが
国会で検討されています。
私の持論で、生命保険は基本的には
加入は不要、というのがあります。
入るとして、期待値が40%の民間の
生命保険なんかよりも、
期待値が85%の都道府県民共済の
ほうが、遥かに合理的。
こういう思いが私には強いです。
その根拠には、公的な保障が極めて
優秀だから、というのがあります。
業務中に何かあれば労災が発動するし、
業務外なら、健康保険が発動します。
前者の労災なら、治療費は国が病院に
支払ってくれて、労働者負担はゼロ円
ですし、
しかも、
お仕事を休めば、休業補償として
給料の80%は貰えます。
後者の健康保険なら、自己負担は30%
ですし、
一定額以上は、どれだけ治療を受けても
支払いを免れます。
→これが高額療養費制度です。
しかも、サラリーマン限定にはなって
しまいますが、4日以上お仕事を休めば、
傷病手当金といって給料の3分の2が
貰えます。
とどめとして、
いずれにせよ治療の結果、後遺障害が
残れば、
程度に応じて障害年金の対象になります。
これらがあるので、任意での生命保険の
加入は不要!と言えるのです。
で、今、国会で健康保険の高額療養費
制度の上限額の引き上げが議論されて
います。
名目は、現役世代の保険料負担の軽減
です。
つまり、財源が無い、と言いたいので
しょうね。
いや~、ムカつきます。
さんざん消費税を上げておいて?
さんざん国債を発行しておいて?
今更、財源が無いって?
真実として財源が無いなら、追加で
国債を発行したらどうでしょうか。
自己負担の上限を引き上げて、受診を
躊躇するようなことが起きたら、
初期治療が遅れて重篤化することで
ますます医療費がかかったり、
最悪、若くして命を落とすことに
なれば、労働者世代の人口を減らす
ことになるんじゃないですかね。
そうなれば、ますますじり貧です。
それで、本当に言いたいことは
ここからです。
結局、高額療養費制度の上限を
引き上げて喜ぶのは誰でしょうか。
大きな手術とかをした場合に、公的な
保険では家計が不安になるかも、
となったら、考えられる対策は
どんなものがあるでしょうか。
私は当然、引き続き入らないか、
県民共済やJA共済など、期待値の
高い共済系に加入します。
しかし、そうでない人も大勢いると
思います。
おそらく、圧倒的に多くの人が、
民間の生命保険に加入すると思います。
そうすると、儲かるのは誰でしょうか。
保険会社ですよね。
つまり、
今、国会で議論されていることって、
経済団体や保険会社たちの要望に
沿って行われているのではないかと
思うのです。
保険会社は、預かった保険料で、
世界の平均株価に連動するように
運用していて、
複利で年7%を超える運用益を
叩き出しています。
だから、保険は入るとして共済で
十分で、
節約した保険料で、自分で、
iDeCoやNISAを活用して
世界の平均株価に連動する投資
信託を買うのが合理的な行動に
なるのです。
そうやって資産を作っていくのが、
保険なんかよりも極めて強力な
万が一への備えになるのです。
まあ、ここではその話は脇に置いて、
生命保険に加入する人が増えれば、
保険会社からすれば、
年7%複利の利回りを得るための
元本を増やせるわけです。
このように順番に考えていけば、
高額療養費制度の上限額の引き上げ
議論が、
国民のほうを向いた議論なのか、
財務省や保険会社、大企業、経済
団体のほうを向いた議論なのか、
一目瞭然だと思うのです。