炭酸水素ナトリウム
2NaHCO3 (加熱)→ Na2CO3 + H2O + CO2
ご存じ炭酸水素ナトリウム(重曹)の熱分解なんですけれども、
ここで注目するのは CO2 が発生しているというところでして、要するにガス(気体)が発生しているというところです。
この現象を利用して、ケーキや焼き菓子作りの際の膨らし粉として用いている、という事も皆さまご存じかと思います。
このことはベーキングパウダーの原理としてよく説明されますが、
実は、ベーキングパウダーは、炭酸水素ナトリウムの単剤というわけではない。
化学反応式から分かりますように、炭酸ナトリウム Na2CO3 が発生しているんですよね。
強アルカリで苦くてまずいので、お菓子を作るうえでは不都合です。
このため、ベーキングパウダーには酸性成分が含まれています。
もちろん重曹と酸で中和が進行するため、さらに遮断剤が含まれている。
つまり、
ベーキングパウダー = 重曹 + 酸性剤 + 遮断剤
さっき、おなかが空いて甘いものを食べたくなったのですが、
毎度の如く預金残高ゼロ、カードももちろん止められており、なにかお菓子を買いに行くという選択をとれないため、
冷蔵庫にあった小麦粉と砂糖でカップケーキを作りました。
この際の膨らし粉として、重曹を加えました。
あたりまえですが、
ベーキングパウダーなんて高価なものを買うお金は私にはありません。
掃除や洗濯に用いるために買った重曹ですが、食品添加物級のもので、差し支えないと思ったので、これを膨らし粉として使ってみたというわけです。
小麦粉と砂糖と卵、少々の油を加えて混ぜて、レンジでチン!
理屈通り膨らんでくれて、見た目はかなりおいしそうなカップケーキができました。
『ぐりとぐら』のパンケーキぐらいふわふわに出来て、おいしそうでした。
こんなにもうまくいくものなんだなぁと思って、食べてみると、
なんと………、苦い…!!
こちらのほうでも、ちゃんと理屈通りで、
苦く、まずい仕上がりとなっていました。
次にまたカップケーキを作る際は、ヨーグルトやレモン汁などを加えることで、酸性条件を与えてみようと思います。
普段はもっと大げさな物質や反応ばかりを扱うために、基本的な内容をついおろそかに考えがちなので、今後も日常スケールでの洞察を通して、物性や化学的性質の理解を深めていけたらなと思います。
あと、記録として写真を残すことも忘れないようにしたいですね!
仮説をもとに、スキームを作成し、実践する。
理屈通りの結果が得られると、気持ちがいい!
やっぱり実験は楽しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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